2007年08月11日(土) 08:31‐10:37 晴れ 強い浜風(右→左) 阪神甲子園球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
愛工大名電 0 0 0 0 0 0 1 0 0 = 1
創価 3 0 0 0 0 0 0 0 X = 3
[ 投 手 ] 勘米良(9)
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]
1番(三)中安�、2番(中)宮永�、3番(遊)永井�、4番(右)大島�、5番(捕)小松�、
6番(一)西村�、7番(左)馬場�、8番(二)小島�、9番(投)勘米良�
午前7時30分、まだまだ早朝なのに夏の陽射しは容赦なくグラウンドを焦がす。
決戦間近の阪神甲子園球場は、予めの工程どおり着々と整備が進む。
ベースが置かれ、ラインが引かれ、散水が始まった。
開門と同時に怒涛のダッシュ、
若い者には負けられない、歳の割にはまだまだ元気だ。
素早く席を確保して、一息入れて見渡す光景は、
蚊取り線香の宣伝ではないが、まさに日本の夏
上空には、どこまでも青く澄み切った高い夏空、
雲一つなく甲子園名物の浜風が爽やかに上空を舞う。
正面には、観客の入りを今や遅しと待つオレンジの内野席がそびえたつ。
そして目の前には、乾いた薄い焦げ茶色のグラウンドを黒く染める散水ホース、
勢いよく始まった散水の向こうには、小さな虹が現れ鮮やかな光彩を放つ。
なにか良いことが起こりそうな気配が・・・
08時31分、12年ぶりの夢舞台は準備万端、
後はプレイボールを待つばかり。
先攻は愛工大名電、創価が1回裏の守備に就くと、
サイレンとともに主審の右手が上がり決戦の火蓋は切り落とされた。
初回、緊張のエース勘米良にいきなり試練が襲い掛かる。
先頭打者にヒットを許すと、盗塁・暴投で無死三塁の大ピンチ
しかし、ここからが勘米良の真骨頂
粘りの投球で巧みに攻め、内野ゴロに取り本塁封殺、
凌いだ。
とにもかくにも凌いだ。
紙一重の展開だったが、技でも力でもなく気持ちで勝った。
その裏、意外な展開からチャンスはめぐって来た。
名電先発投手の制球難から、中安、宮永が連続四球で歩くと、
ここで主砲3番永井へのサインは手堅く犠打、
ところが大事に攻めたはずなのに、上手の手から水が漏れてしまった。
速球に押されたバンドは、小フライとなって併殺、
しかし、ここからが本当の勝負どころだった。
潰れかけたチャンスをつないだのは、一年生の4番大島
内野安打でつなぐと、小松に続いて西村まで四球を選び、
思いがけない展開は、思いがけない押し出しを呼び込み、
幸運な先制点へとつながった。
さらに続く馬場がライト前に弾き返し2点追加、
この回、僅か2安打で3得点、
この3点が結果的に勝負を決することになるとは・・・
本当に分からないものである。
その後は、名電の繰り出す豊富な投手陣に創価打線は沈黙、
完璧に抑え込まれ、胃の痛くなるような流れで回を重ねる。
一方名電も、巧みに攻めたてるが本塁は遠く7回に1点返すのがやっと、
投手戦というのは、あまりに簡単だが、
言葉で表現するのは憚れるぐらい、
気持ちと気持ちのがっぷり四つ、両校ともに譲ることを知らない。
そして、しり上がりに調子の出てきた勘米良は、
内へ外へ抜いたり攻めたり変幻自在、
8回9回をキッチリ3人ずつで打ち取りゲームセット
まさに手に汗握る2時間6分、瞬きする暇さえなかった。
一言で表現すれば、それはまさに「集中」
スタンドも、ベンチも、グラウンドも、ただ一言「集中」
その集中が途切れ、ふと我に戻ったのは勝者を称えての校歌斉唱
「草木は萌ゆる」に笑みがこぼれ顔がほころぶ。
スタンドは余韻に浸りながらも、
沸きに沸き、大きく大きく揺れていた。
1 表/名電 中安、盗塁・暴投・投ゴ、三ゴ(本塁死)、盗塁死
裏/創価 四球、四球、犠打失併殺、盗塁、遊安、四球、四球1点、右安2点、遊ゴ
2 表/名電 右飛、中安、犠打、右飛
裏/創価 中飛、中直、三振
3 表/名電 三振、三振、三振
裏/創価 三ゴ、ニゴ、三ゴ
4 表/名電 ニゴ、右飛、ニゴ
裏/創価 中直、一ゴ、三振
5 表/名電 左ニ、三振、盗塁、三振、四球、盗塁、三振
裏/創価 三振、中安、犠打、暴投、四球、投直
6 表/名電 左飛、中安、ニゴ、右安、三振
裏/創価 三振、三振、三振
7 表/名電 ニゴ、四球、ニゴ、左三1点、ニゴ
裏/創価 ニゴ、三振、三振
8 表/名電 左飛、右飛、中飛
裏/創価 一ゴ、四球、遊ゴ併殺
9 表/名電 右飛、一ゴ、遊ゴ、試合終了
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