介護分野でICT化をさらに進めるためには、導入後に問題なく使いこなせるように教育や研修を行うことがポイントです。
介護の現場では、記録業務や情報共有などにICT(情報通信技術)を活用する動きが加速しています。しかし、ICT機器やソフトウェアに馴染みのない世代の職員も多く、新しい技術の導入に抵抗を感じる方も少なくありません。そのため、ICT化を進める上では、職員の苦手意識を解消するための教育や研修を行うことが重要な鍵を握ります。導入時に全職員に対して、機器の操作方法やソフトウェアの使い方、トラブル発生時の対処法など、実践的な研修を行うことで、スムーズなICT化を促進できるようになるのです。
研修内容は、職員のICTスキルレベルに合わせて段階的に設定することが大切です。パソコンやタブレットの基本操作に不慣れな職員には、マウスの使い方やキーボード入力、インターネットの閲覧方法など、基礎的な内容から始める必要があります。また、ある程度ICTスキルのある職員には、介護記録システムの活用方法やデータ分析の手法など、より高度な内容の研修を提供することで、個々の能力向上を図ることが重要です。さらに、定期的なフォローアップ研修を実施することで、継続的なスキルアップを支援し、ICT化の効果を最大限に引き出すことができます。苦手意識を持つ職員に対しては、個別にサポートを行うなど、きめ細やかな対応も必要です。