じつは、かさぎ商店は昔からお米屋さんです。
私のが小さい頃は、練炭、豆炭、炭、プロパンガスを扱っていました。
今でも灯油を扱っています。
プロパンガスを、岩谷産業さんから、仕入れていたので、岩谷産業さんの「あらら洗剤」を扱っていました。プラスチックの弁当箱みたいな入れ物を覚えてますか?昭和ですね~
イワタニさんは、さすがに今はすべて液体洗剤にかわっています。
その頃は、お弁当箱入りの固形石鹸は、かなり画期的でした。経済的で、脂汚れがよく落ち、無駄が少なく経済的!
こちらは、大阪市 桶谷石けんさんのキッチンSです。(完売終売しました。)
摂津市ニッシン化研 エリートセンザイ 食器用 固形タイプ
脂汚れに強く、国内だけでなく、東南アジアでこのタイプの洗剤が大人気だそうです。アジア系通販サイトでいくつか出ています。Japan madeは人気のようですが、ただし、生産量が少ないので、韓国製中国製のものが、今後主力になると思われます。メーカーさんは、あまり儲からないみたいです。
クレンザーって、いまでもありますが、これは研磨でお鍋やお釜を洗っていました。磨き粉って、小袋に入った粘土のようなものを乾燥させたものもありました。
ママレモンが発売されたのは、1966年(昭和41年)のことだそうです。
20年以上前に、桶谷石鹸さんのアイゲン浴用石鹸(当時は水色のパッケージでした。)を扱いはじめ、桶谷さんの工場でキッチンSを見かけたとき、なんか懐かしく思いました。固形の洗濯台所用石鹸は、もっとレトロで、洗濯板を思い出しました。
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台所洗濯用固形石けん。洗濯板を思い出します。
2021年の12月に桶谷さんが廃業されるというお知らせがありました。
これはエラいことだ!と、代わりの石鹸を探し始めました。
お得意様にある程度は在庫を持っていただきますが、それも永遠ではありません。今まで散々、桶谷石けんを勧めてきた手前、もうございません、は、ちょっと寂しい。
枠練りの石けんは、今は国内には、10社あるかないか、という話も聞いていました。以前、枠練り石鹸を調べてヒットしていた石鹸会社さんに連絡し、メーカーさんと話をするうちに、まあいろいろ石鹸四方山話をするのですが、、「驚きの事実」が「判明」しました!
桶谷さんは、完全に「手作り」だったので、社長自らあのパンフレットの姿のまま、櫂棒で釜を攪拌していたのですが、なんと前年、背骨を骨折していた、、、!
桶谷石けんさんのパンフレットより
石けんの作り方は、大きく分けると 枠練り石けん 機械練り石けん があります
完売しました。固形枠練り石けんの名品 アイゲン浴用石けん
製造工程で「塩析」という言葉が出てきます。
「石けん作りに塩?」 そうです。塩。
塩の性質を利用した石けん作り | NHK for School
石けん液から石けんの塊を取り出すために、食塩水を使う方法を見ます。
www2.nhk.or.jp
塩の性質を利用した石けん作り
石けん液から石けんの塊を取り出すために、食塩水を使う方法です。
NHKのサイトです。
https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005301106_00000
味噌しょうゆ屋さんではなく、石鹸屋さんです!
そのうえここは、直火です!今時は、ボイラーで蒸気を作り、それを循環させる釜を使います。レトロ過ぎ!
安い石けんのメーカーさんは、マレーシアなどから牛脂や豚脂の「石けん素地」を輸入して、精製、加工されているらしいです。
この火加減とかき混ぜ具合が、季節の温度や材料で微妙に変わるので、かなりむつかしいそうです。こらは、どこのメーカーさんからも、うかがいました。
桶谷社長は、本当に職人肌の方で、それを慕って、自社ブランドだけでなく、全国からOEM製品の注文を受けていました。大阪関目の会社に行くと、いろんな石けんの箱があり、あの○○石けんも、実はここで作られていました!
さすがに、今は、どこもあの作業は機械化(といっても、食品メーカーさんみたいに、モーターで先にプロペラのついたシャフトを回すのですが、)しています。
余談ですが、学生時代、親戚で工業用の洗剤を作っているところがあり、バイトしたことがあります。モーターで攪拌してました。火、熱を使うので、夏休みのバイトとしては、恐ろしく、熱かったです。冬は、装置の洗浄などに水を使うので、やっぱりキツい。
低速で回し、攪拌した石鹸原液を、枠というか、型に流し込み、冷えるのを待つので、分類上「枠練り石鹸」といいます。あとは、四角く切りそろえるだけ。そのあと乾かして、金属の型に入れて、会社名などをプレスする。
現在、うちで扱う「暁石鹸」は、このプレスの工程を省いています。このため、多少、バリがあります。暁さんは、できるだけ、低価格で、良いものを、と透明石けんでも、磨きをかけないで、低価格で出しています。
「オリブローヤル化粧石けん」は、おすすめします。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wakagaerihonpo/a010.html
普通の石鹸(機械練り製法)の作り方は、石鹸原液を固めて、細かく砕きます。それに、ハーブとか香料などを加えて、練り、型で押し出したものです。
じつは、この製法の違いが、お客様がおっしゃる桶谷の浴用石鹸(枠練り製法)が「溶けにくい」(溶け崩れしにくい)という特徴が出るところです。
機械練り製法のほうが、石鹸に含まれる水分は少ないです。
それに対して、枠練り製法の石鹸は、水分が比較的、多く、乾燥期間が必要です。「暁石鹸」さんでは、一週間ちかく、乾燥期間をとるそうです。
釜にかけて、反応させ(鹸化)混ぜる(攪拌)をゆっくり行い、そのまま枠に流し込んで作ると、力を加えていないので、石鹸の「結晶」が大きいままで残ります。
機械練りは、油脂の反応、攪拌を同じように行います。液状の石けんを、固めます。
それをまず、チップ状にします。ここで、石けんの結晶が小さくなります。
それから、「練り」工程でも、力が加わり変形するので、また「結晶」が小さくなります。
そのあと、圧をかけて、型から押し出すときにも、力が加わり「結晶」が小さくなります。
機械練り石鹸の製造工程 (株)サティス製薬さんのサイト
https://www.saticine-md.co.jp/service/process/soap2
粒が小さいと、溶けやすい。お砂糖でも、コーヒーでも、大概のものは、小さいと溶けやすい。
だから、桶谷石鹸の固形は、「溶け崩れ」しにくい石鹸だった。
枠練り製法の石けんは、石けんの結晶が大きいので、溶けにくい。
めっちゃ、賢くなりましたよね。
アレッポのオリーブオイルの石鹸も、反応させ、石鹸原液を床に流し、それを切った物だから、溶け崩れしにくい。
アレッポの石鹸製造動画
https://youtu.be/aFdgdT8Uu6Y
この動画のはじめの方に、「長年の経験云々」というテロップがついています。やはり、微妙な経験と勘がいるのですね。たぶん、数値化、見える化できるとは思いますが。
数年前、手作り石鹸が流行っていた頃、桶谷石鹸をベースに、石鹸を作る、という方から、ご注文をいただきました。固形石鹸をチップにして、それに何か、ハーブエキスなんかを加えて、固める、というようなお話でした。
「石鹸って、油に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)いれて、煮詰めて、冷やしたらできるよね。」という方達が、手作り石鹸なるものを、自宅でお作りになっていた時期がありました。凄い人になると、廃油を原料にしている方もいたような。廃油はさすがに、もうやる人はいないでしょ。ディーゼル油に加工する業者さんもいましたが、近くのところは2軒、廃業。エネルギーコスト合わないでしょ。
手作り、これが、じつは危ない。水酸化ナトリウムと油脂が100%、反応して水酸化ナトリウムゼロになっていれば良いけど、残っていると、強アルカリなのでお肌にかなり深刻なダメージをあたえます。というより、家庭で水酸化ナトリウム=苛性ソーダなんて、扱わない方がいい。劇薬ですから。
この「100%反応させる」というのが、結構難しくて、単純に量だけでははかりにくい。
というのは、原料の油脂は、牛脂などを使うのですが、成分が100%単純ではないそうです。どうしても、微調整が必要になる。「経験と勘」というものです。
どんなものでも、長年の経験というのは、大事です。
小さなメーカーでは、なかなか、その技術を引き継ぐのが難しい。
まるで、お酒の杜氏さんの世界のようです。
私は髪も洗っていますが、全然問題なく、匂いも気にならず、使っています。乾燥時間は、桶谷石鹸さんより長めです。
このメーカーさんは、生協のカタログにも出てきます。それと、桶谷石鹸さんが受けていたOEM製品のいくつかを、引き継いで作っています。
急激に忙しくて、「OEMだったら、今はダメだよ!」って言われました。
そのうち作るかも、だったのですが。
いつか作るかも。
これは液体シャンプーです。
600mlポンプ税込み1100円。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wakagaerihonpo/a150.html
詰替用は500mlで880円。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wakagaerihonpo/a151.html
匂いはなく、十分な洗浄力です。泡立ちは良いですよ。
私は気にならなかったのですが、髪が長い方は、ギシギシ感があるかもしれません。
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そんな方は、リンスをお使いください。
弱酸性のリンスで、シャンプーのアルカリ分を中和します。
こちらも600mlポンプ税込み1100円。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wakagaerihonpo/a152.html
詰替用は500mlで880円。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wakagaerihonpo/a153.html
暁石鹸さんのおすすめは、この透明石鹸です。
乾燥に40日もかけています。
オリブ ローヤル化粧石けん 透明石鹸
成分:石ケン素地・グリセリン・スクロース・エタノール 標準重量:100g 3個入 1200円です。
オリブ浴用石けんにエタノール、グリセリン、スクロースを加えて攪拌し生地を透明にします。固化枠に流し込み一定時間かけて固めた後、製品サイズにカットして約40日間乾燥させ、エタノールと余分な水分が揮発すると擦りガラスのような透明石鹸が出来上がります。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wakagaerihonpo/a010.html
他のメーカーの透明石鹸は、このあと、磨き工程が入りますが、こちらは、できあがったそのままで、「お値打ちにお客様に使っていただきたい」ということです。
グリセリンとスクロースが加わることでしっとりした洗い上りになります。
スクロースは聞き慣れないですが、砂糖の主成分で、サトウキビや、サトウダイコン(テンサイ)などから抽出し、純度を高め結晶化したものです。
石けんを作る際に出てくるグリセリンは、透明化を助けることが知られています。
グリセリンに、スクロースやソルビトールなどの糖類や多価アルコールを配合すると、石鹸の結晶化が抑制(微細結晶化)され、石けんが透明化します。
以下引用
●洗顔や浴用にお使いください。
●溶けやすいので使用後はよく水をお切りください。
●シャンプーとしてもお使いいただけます。髪を予洗いしたあと、しっかり泡立てて洗ってください。温水で流した後は、ORIBU果樹亜瑠リンスやORIBUヘアコンディショナーのご使用をおすすめします。
暁石鹸株式会社さんは、三重県四日市市にある老舗の、はっきり言って、小さな町工場です。
桶谷さんは、マジで昭和レトロな木造の町工場でしたが、こちらは、鉄骨作りのちゃんとした、「工場」です。といっても、石鹸洗剤メーカーですから、難しい機械なんかはありません。といえば失礼ですが、中は7割方倉庫と作業スペースです。
石けん、洗剤は、化学工業の基本みたいな物です。
ベーシックすぎて、見逃しそうになりますが、地味だけど、大切な「雑貨」です。
完売しました。桶谷石鹸さんのキッチンS。
それから、大人気だったキッチンSタイプの台所用の食器洗いソフトタイプ固形洗剤ですが、これもいくつか見つかりました。
大阪 ニッシン化研さんのエリートセンザイ
吸盤でシンクに貼り付けるようになっています。
いろいろあってこれは、大阪府摂津市で主に化粧品を作っている会社の「エリートセンザイ」のものがコストパフォーマンスがよく、なおかつ手に優しいので、決まり。
シンクに貼りつけられるように、お弁当箱の裏に吸盤がつけられます。
発売から43年、とかおっしゃってました。
手が荒れにくい、という書き込みが多いですね。これもキッチンSと同じ。
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ただし、台湾などアジア方面に卸しているところがあるらしく、生産が手一杯とのことですが、うちで扱うくらいはなんとかなる、ということでお願いしています。
うちの奥さんの意見では、「ガスコンロの油汚れが凄くよくとれる!」ということです。
調べてみると、台湾の通販サイトに上がっていました。他社の物もありました。
中華料理系は、油っぽいから、東南アジアで人気になるのはわかります。
うちもキッチンSのお得意様で、お好み焼き屋さん、焼き肉屋さんがいらっしゃいます。
お値段ですが、1個580g 790円税込みです。
今、(2022年4月現在)油脂の価格(植物性、動物性共に それと原油鉱物系も)がかなり上がっています。
石鹸製造では原材料(油脂類)費と、加熱するための燃料費が爆上りしています。
加えて、包装などの資材関係、運賃、などなどが上がっています。
インフレはどうのこうのとは申しません。
いきなり価格改定がありそうだ、、、ということはお含みおきください。
仕入れ価格が上がれば、うちはいきなり上げています。
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