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飛行機は怖いから乗りたくないという人は多いが、こんな事故が頻発したら、そう思うのはもっともである。
今回は本当に奇跡的に全員生還できたが、これは安全対策が完璧だったわけではなく、偶然そうなっただけのようだ。
朝日の記事を参照して経緯をまとめてみた。
国際便ではあるが台北-那覇間はローカル線並の距離である。出発から約1時間後の午前10時27分、乗客と乗員計165人が乗った中華航空120便は、ごくふつうに那覇空港に着陸、駐機場に向かい始めていた。
まず前列右側に座っていた台湾女性が、右主翼下のエンジンから黒い煙が立ち上るのに気づきすぐに客室乗務員に知らせた。しかし乗務員は「タイヤの煙だ」と取り合ってもらえなかった。女性は「エンジンの回転部分からだ」と食い下がったが、「大丈夫」とあしらわれた。
中列にいた女性もまた、焦げ臭いにおいが機内に漂っていることに異変を感じた。窓の外を見ると、右翼エンジンの周辺に上がる煙が目に入った。
しかし、何事もないかのように機体は駐機場で静止し、シートベルト着用サインも消えた。乗客は一斉に立ち上がり、棚から荷物を取り出すと通路に並んだ。
突然、右の窓際席から上がった女性が「煙が出ている!」と悲鳴を上げた。
直後に右翼エンジンからの煙はもう炎に変わっていた。左側の窓の向こうにも火柱が見えた。あっという間に両翼とも炎に包まれていた。
「早く降りろ。降りないと危ない!」 乗客達は悲痛な叫び声を上げた。
それでも乗務員は「大丈夫です、大丈夫です」と繰り返していた。機長からは席を立たないようアナウンスがあった。
乗降用のタラップを機体につなげる車が遠ざかっていくのが見え、空港側も危険を察知したことが確認された。
「落ち着いて」「大丈夫」。しかし煙は「炎」に変わった。
機内はパニック状態になり、乗客達はでたらめな誘導をする乗務員を無視して前方のドアに殺到した。こういう状況下だとどうしても前の方に駆け出したくなるようだ。
2、3分後、ようやくアが開き脱出用のシュートも下りた。乗客はそれぞれの居場所から近いシュートを目がけて駆けだした。乗務員たちが中国語で「ここから飛び降りて」と叫んでいた。
乗客達が滑り終えターミナルビルに向かって駆け出す、後ろからものすごい爆発音が3回轟いた。乗客達が全員避難し終えた直後、機体は完全に燃え尽きた。
脱出開始から避難完了まで90秒以内で済ませようという国際ルールがあるが、中華航空側は「60秒で完了した」と報告した。
一部報道機関は「この90秒ルールが乗客の命を救った」とも報道した。しかし、実態は上記のごとしである。
脱出行動に移るまで課題を残す結果となった。「管制塔から機体の異常を伝える報告があり、乗務員がそれに対応した」とも伝えられているが、それも怪しい。
確かに、乗客の言葉を鵜呑みにする必要はないだろうが、乗務員の危機管理体制に不備があることは否めない。
ところで、この中華航空だが、国内、海外を問わず、死者が200人を超える大事故が過去に相次いでいる。
1994年4月、台北発名古屋行きエアバスA300型機が名古屋空港への着陸に失敗して急降下し、墜落炎上。乗客乗員271人のうち264人死亡。
1998年2月には、インドネシア・バリ島を出発し台北に向かっていたエアバスA300型機が着陸間際に住宅街に墜落し、乗客乗員196人全員と近隣住民6人の計202人が死亡。
事故機は名古屋空港での事故と同型のうえ、事故時の状況も酷似していた。
2002年5月、台北発香港行きボーイング747機が台湾海峡上空を飛行中に突然、空中分解してバラバラになり墜落。乗客乗員225人全員死亡。台湾政府は後に金属疲労による亀裂が機体に多数見つかったと発表。
はっきり言って中華航空機には間違っても乗らないことだ。
中華航空機炎上、乗客・乗員165人無事 那覇空港
20日午前10時34分ごろ、那覇市の那覇空港駐機場で、台北発那覇行きの台湾・中華航空120便(ボーイング737―800型機)の主翼エンジン付近から出火、機体が炎上した。那覇市消防本部が消火に当たり、約1時間後に鎮火した。国土交通省によると、日本人23人を含む乗客157人、乗員8人は全員、脱出してけが人はなかった。同省航空・鉄道事故調査委員会は同日、調査官4人を現地に派遣した。
炎上した中華航空機の消火活動をする消防隊。後方は那覇空港に降りる民間機=20日午前11時7分、那覇空港で
中華航空機の緊急脱出口から出ている脱出シート=20日午前11時10分、那覇空港で
那覇空港と炎上現場の地図
中華航空は「エンジンから燃料漏れがあり、エンジンを停止させようとしているときに炎上し始めた」と説明しているという。
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