お互いの気持ちはよく理解できる。今や中国は世界の工場であり、日本にも中国製品が溢れかえっている。
これだけ中国製品が売れているのは安いからだ。安いものに高品質を要求するのは酷である。
ついこの間も某有名進学高校で生徒が傘を振り回していたら、柄が抜けて近くにいた生徒の目に刺さり大怪我をしたという事件が起きた。中国製品であるかは定かではないが、安物の傘だったのだろう。
ちなみに1000円以上の値の傘は「日本で仕様を決めて品質を厳しくチェックしているから、中国製でも安心の品質です」などと表示してある。
中国の冷凍食品があれだけ問題になったのも、値段の安さが原因だ。それでも、日本への輸出製品は、現地では「高級品」として人気が高いそうだ。それが食料品であっても「まだ安全な方」という認識があるようだ。確かに輸出品には国内品に比べれば毒性の少ないものが選ばれている。
中国人の感覚では輸出品には「できる限り良心的」な対策が施されている。
欧米や日本の基準ではそれでもまだ不満なのだが、中国人には理解できない。
米CNNのコメンテーターが「中国製品はがらくた」と発言したことをめぐって中国などで反発が広がっている。重機メーカーの上海振華港機(集団)公司は18日、公式サイトを通じて同コメンテーターに抗議する声明を発表した。21日付で中国経済網が伝えた。
同声明は「中国製品はがらくたと発言したコメンテーターは無知で傲慢だ。植民地主義の精神が残っているのではないか。当社の社員4万人は怒っている」と指摘した。
この指摘はおかしい。植民地主義ならこんなトラブルは発生しない。宗主国が完全管理して、中国人は土地と原料と労働力を供給するだけだからだ。
更に「先日も米国から注文があったばかりだ。当社製品は効率的で、米国の港湾で行われる輸出作業の主力となっている」「コメンテーターは米国の埠頭で当社製品を見てほしい」と主張した。同紙によると、中国系企業が会社ぐるみで反CNNの動きを見せたのは今回が初めてだという。
アメリカが注文したのは「質が悪いのを承知で、安い」からである。安く作って高く売るのは資本主義の原則だから、当たり前の話である。
ある意味では米CNNのコメンテーターは自虐的な発言をしているとも取れる。がらくたの中国製品を使って作られたアメリカの製品もまたがらくたなのである。こっちの方は値段が高いだけもっと始末が悪い。いくらドルが紙くずになっても、まだ中国の通貨よりは価値がある。
勿論、日本もアメリカに追随しているのだから人のことは嗤えない。
例の傘を販売したメーカーはどういう責任を取るのだろうか?
中国から食料を輸入する際には「完全管理型」でないと信用できない。農場から加工工場まで、日本の責任で管理するやり方である。しかし、それとて、従業員に意図的に毒を混入されては防ぐのは難しい。従業員を完全監視していなければならないだろう。
仮にそれをやっても、日本の食品産業自体「ミートホープ」や「赤福」状態である。
こと食品産業に関してはお先真っ暗なのである。自民党政権が崩壊する以外に解決のめどは立たないだろう。
同様に中国も共産党政権が打倒されない限りトラブルが続くだろう。
ほったらかしにしておいても、「元」が値上がりすれば、中国の輸出力も低下する。中国に参入している企業は更に物価の安い国に工場を移転させるだろう。
日本もそうだったし、韓国もそういう状態だ。「この道はいつか来た道」、中国も公害をまき散らしたあげく同じ道を歩んでいくことだろう。
(記事)
中国製品ガラクタ?中国メーカー激怒「CNNに抗議」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます