さすけが遊び歩いている間、かげまるは何をしていたでしょうか。
ぼちぼち家に向かっていると、遠くから子猫とも赤ちゃんともつかない声が、
どこかで一生懸命叫んでいるなぁと思いました。
もう家が目の前の角を曲がると、
門の上の、定位置で、座った体を前に乗り出したかげちゃんが、
大口を開けあらん限りの声で呼んでいました(笑)
小柄なかげにとりさすけは乱暴なきょうだいでもありました。
そして、わたしも物静かなかげちゃんにとって、すこしうるさ過ぎに思われていました(笑)
が、今でも、
わたしとさすけが別の部屋に行くと、リビングで一緒だった時は気にもかけていなかったのに、
いつのまにか後からついてきたりしています。
わたしとさすけ、かげまるで、付かず離れずの絆があるようです。
かげまるは、庭から出ません。
ハーネスをつけて出していたのですが、
いつのまにかするりと抜け出し、でもどこにも行かずにいつも通りでいたのには、
気がついてひと笑いでした。
我が家はお恥ずかしながら、ワイヤープランツ、ノイバラなどが溢れて、
空き家のような幼少の家でした。
けれども、門の上の(子どものわたしたちは草ダルマと呼んでいました)とても厚みのでた蔓草の集まりはよいベッドで、
かげはそこで寛いだり、
また自ずとアーチになった木漏れ日の中に入り込んで休むのも好きでした。
さすけももちろん一緒によく過ごしました。
さすけは、高いところから遠くを眺めたり、紅葉の木に登り、
かげまるは一日風を感じうとうとしていました。
「どこかに行くなんてさすけめ、ベ〜」
わたしにとっても、2匹にとっても、この大家さんに怒られる庭はよい場所でした^^;
またいつか、小さくとも庭をこしらえた家に住んで、
老後の2匹に過ごしてもらえたりしたらいいなと、
夢を持っています。