中小企業が企業年金を導入するには イデコとの比較

中小企業が企業年金を導入するには　イデコとの比較

 

●運営や手続きが簡単で手間がかからない企業年金はありますか？

企業年金制度は、企業が従業員に対して提供する福祉制度の一環であり、運営や手続きが簡単で手間がかからないものも存在します。ただし、具体的な企業の状況や国の法律によって異なるため、以下のポイントを検討する際には、専門家や企業アドバイザーの助言を受けることが重要です。

1. 自動加入制度: 企業年金制度を導入する際に、従業員を自動的に制度に加入させる仕組みがあると、手続きが簡単になります。従業員が自動的に加入され、必要な手続きを最小限に抑えることができます。

2. 外部管理機関の利用: 企業は、企業年金の運営や管理を外部の専門機関に委託することができます。これにより、企業自体が年金制度の管理に負担をかけず、手続きの簡素化が図られます。

3. デジタル化とオンラインプラットフォーム: デジタル技術やオンラインプラットフォームを活用することで、手続きが簡便になります。従業員がオンラインで情報をアクセスしたり、手続きを行ったりできるような仕組みが整備されている企業年金は、運営が効率的です。

4. 簡素な運用規程: 企業年金の運用規程がシンプルで理解しやすい場合、手続きが簡略化されます。従業員が制度を理解しやすいことは、運用上のスムーズさに寄与します。

ただし、企業年金は法的・税務的な規制が存在するため、これらの要因も考慮する必要があります。企業は地域の法律や規制に従いつつ、効果的かつ合法的な企業年金制度を構築する必要があります。

 

●外部管理機関の利用: 企業は、企業年金の運営や管理を外部の専門機関に委託することができます。これにより、企業自体が年金制度の管理に負担をかけず、手続きの簡素化が図られます、とのことですが、日本国内では具体的にどのような会社がありますか？

日本国内において企業が企業年金の運営や管理を外部の専門機関に委託する際、年金信託銀行や年金管理会社が利用されることが一般的です。以下はいくつかの具体的な企業・機関の例です。ただし、これらの情報は2022年1月までのものであり、変更されている可能性がありますので、最新の情報を確認することをお勧めします。

1. 三井住友信託銀行（旧 住友信託銀行）:

   • 企業年金の信託銀行として、企業年金の運営や資産管理を行っています。対象は従業員１００名以上の企業です。

2. 三菱UFJ信託銀行:

   • 企業年金においても信託銀行としてサービスを提供しており、企業が企業年金の資産を信託することができます。

3. みずほ信託銀行:

   • 企業年金の信託銀行として、企業年金の運用や管理に関するサービスを提供しています。

4. 全労済年金基金（全労済):

   • 労働組合向けに提供されている年金基金であり、企業がこの基金を選択することで、外部委託型の企業年金を導入することができます。

5. 生命保険会社や年金管理会社:

   • 一部の企業は生命保険会社や年金管理会社に企業年金の運用を委託することもあります。これにより、資産の多様な運用や運営が行われます。

これらの企業や機関は、企業年金制度において信託業務や資産運用、運用監査、報告書の作成など、様々なサービスを提供しています。企業は自身のニーズや制度に適した機関を選定し、効果的かつ法令遵守な企業年金制度を構築することが求められます。

 

●従業員１名から加入可能なSBI証券の企業年金

企業型確定拠出年金｜iDeCo（個人型確定拠出年金）｜SBI証券 (sbisec.co.jp)

 

●イデコと企業年金は違いますか？

はい、イデコ（個人型確定拠出年金）と企業年金は異なる種類の年金制度です。以下に、それぞれの特徴を説明します。

1. イデコ（個人型確定拠出年金）:

   • 対象者: 主に個人が加入する形態で、会社員や自営業者、一定の条件を満たす被雇用者が利用できます。
   • 加入方法: 個人が金融機関や生命保険会社などから選ぶことができ、自発的に加入します。
   • 拠出: 本人と企業（雇用主）の共同拠出型となり、毎月一定の金額を拠出します。
   • 運用: 個々の加入者が選択した商品やプランに基づいて、個別に資産を運用します。
   • 確定拠出型: 拠出する金額が確定しており、将来の給付が一定ではない制度です。

2. 企業年金:

   • 対象者: 企業が従業員に提供する制度で、主に雇用者（企業）が従業員のために設けるものです。
   • 加入方法: 企業に雇用された労働者が、雇用条件に基づいて企業年金に自動的に加入することが一般的です。
   • 拠出: 主に雇用者（企業）が資金を提供し、労働者も一部を拠出することがあります。
   • 運用: 企業が資金を管理・運用し、将来の給付が一定である確定給付型や、企業の拠出金額が確定しており、将来の給付が変動する確定拠出型などがあります。

要するに、イデコは個人が自発的に加入する制度であり、確定拠出型の個人年金です。一方で、企業年金は雇用者が従業員に提供する制度であり、企業が雇用条件に基づいて従業員に加入を義務付けることが一般的です。企業年金は確定給付型や確定拠出型があり、企業が労働者のために資金を提供し、運用を行う点が異なります。

 

●イデコと企業年金を比較した場合の加入する人のメリットとデメリットは？

イデコと企業年金を比較する際、それぞれの加入者にとってのメリットとデメリットが存在します。以下に、一般的なポイントを挙げてみますが、具体的な選択には個々の状況やニーズに応じて判断する必要があります。

イデコのメリットとデメリット:

メリット:

1. 自由度が高い: イデコは個人が自主的に加入するため、選択肢や拠出額を柔軟に調整できます。

2. 雇用に依存せず利用可能: 個人が自営業者や非正規雇用などであっても、イデコに加入することができます。

3. 運用商品の選択肢が広い: イデコは金融機関や生命保険会社から提供されるため、多様な商品やプランから選択できます。

デメリット:

1. 雇用主の補助が限定的: イデコは雇用者（企業）の補助が限定的であり、雇用主からの補助が期待できない場合があります。

2. 将来の給付が不確定: 確定拠出型のため、将来の給付が拠出した金額に依存し、不確定である点があります。

企業年金のメリットとデメリット:

メリット:

1. 雇用主の補助が期待できる: 企業が労働者に対して一定の補助金を提供することが一般的であり、退職給付が期待できる点があります。

2. 確定給付型が安定感を提供: 確定給付型の企業年金は将来の給付が一定であり、安定感があります。

デメリット:

1. 雇用に依存: 企業年金は雇用者（企業）が提供するため、その雇用に依存する形になります。

2. 運用の制約: 企業が資金を運用するため、その運用の成績が企業年金受給者に影響を与えることがあります。

以上のメリットとデメリットは一般的な傾向であり、具体的な制度や企業によって異なります。イデコと企業年金の選択は、加入者のライフステージ、雇用形態、将来のライフプランに合わせて行う必要があります。個別のアドバイスや詳細な情報は、専門のファイナンシャルプランナーや企業の人事担当者から得ることが重要です。

 

●イデコと企業年金の加入を比較した場合、事業主の立場としては授業員にイデコと企業年金のどちらに加入してもらった方がいいのでしょうか？メリットとデメリットは？

事業主が従業員に対してイデコと企業年金のどちらに加入してもらうかを選定する際には、事業の状況や目標、従業員のニーズなどを考慮する必要があります。以下に、イデコと企業年金の事業主の立場からのメリットとデメリットを比較します。

イデコのメリットとデメリット（事業主の視点）:

メリット:

1. 負担が軽減: イデコは労働者の自主的な加入が主体であり、企業の負担が限定的です。従業員が自己負担で加入するため、採用や雇用に対する負担が軽減されることがあります。

2. 柔軟性が高い: イデコは個人の選択に基づいて加入するため、労働者に対して柔軟な選択肢を提供できます。

3. 雇用の安定感: 企業がイデコを奨励することで、労働者に対して将来のリタイアメントプランを提供し、雇用の安定感を高めることが期待されます。

デメリット:

1. 労使共に負担が少ない: イデコは従業員が自己負担であるため、企業が労働者に対して直接的なリタイアメントプランを提供することが制約される可能性があります。

2. 企業のブランドイメージに影響: 企業年金を提供しないことが、労働者に対する福祉施策の不足と受け取られる可能性があり、ブランドイメージに影響を与えることがあります。

企業年金のメリットとデメリット（事業主の視点）:

メリット:

1. 雇用者の補助金提供: 企業年金は企業が従業員に対して一定の補助金を提供することが一般的であり、雇用者による支援が期待できます。

2. 雇用の安定感: 企業年金の存在は、労働者に対して将来の給付が一定である安定感を提供し、雇用の安定感を向上させることが期待されます。

デメリット:

1. 運用のリスク: 企業が資金を運用するため、その運用の成績によっては企業年金の健全性が影響を受けることがあります。

2. 負担が大きい: 企業年金の運用や管理は一定のコストがかかり、企業にとっての負担が大きいことがあります。

事業主が選択する際には、企業の予算、雇用の状況、従業員のニーズ、将来のリタイアメントプランの方針などを総合的に検討する必要があります。特に、企業年金を提供する場合は、長期的なコミットメントと資金の安定性を確保する必要があります。逆に、イデコを採用する場合は、従業員に対する柔軟性や選択肢を提供できる一方で、企業の直接的な負担が少ないという特徴があります。

 

●企業年金に従業員を加入してもらう場合、雇用主はどれくらいの金額の負担が１か月間に必要でしょうか？

企業年金の雇用主の負担金額は、企業年金の制度や規模、企業の方針によって異なります。企業年金は通常、雇用主が従業員のために資金を積み立てて将来の給付を提供するため、その負担額は複雑で計算が難しい場合があります。以下に、雇用主が企業年金に負担する主な要因を示しますが、これらの数値はあくまで一般的な例であり、具体的な企業や制度によって異なります。

1. 加入率（Coverage Ratio）:

   • 雇用主が企業年金に加入させる従業員の割合が影響します。全従業員が加入対象であれば、全従業員に対する負担がかかります。

2. 給与水準:

   • 従業員の給与水準が高いほど、給与に基づく企業年金の負担も大きくなります。

3. 給与対象期間（Pensionable Salary Period）:

   • 企業年金の給与対象期間が長いほど、負担が大きくなります。

4. 給付形態:

   • 企業年金が確定給付型か確定拠出型かによっても負担が異なります。確定給付型の場合は、将来の給付が一定であるため、負担がより計画的に行われます。

5. 投資収益の影響:

   • 運用された資産がどれくらいの収益を上げるかも影響します。企業年金の資産運用が成功すれば、雇用主の負担を軽減できる可能性があります。

企業年金の負担金額は、これらの要因を総合的に考慮して計算されます。具体的な金額については、企業が専門のアクチュアリー（保険数理士）や企業年金のコンサルタントに相談することが重要です。企業年金の導入や変更には法的な規制も関与するため、専門家の助言を受けながら計画することが必要です。

●具体的な金額のモデル例は？

具体的な企業年金の負担金額は、企業の状況や方針によって大きく異なります。ただし、簡単なモデル例を示してみます。以下の例は、一般的な企業年金の計算モデルではなく、あくまで簡単な示唆として理解してください。実際の計算には、専門のアクチュアリーやコンサルタントが必要です。

企業年金の簡単なモデル例:

仮定:

• 加入率（Coverage Ratio）: 100%（全従業員が対象）
• 給与水準: 月給100万円
• 給与対象期間: 35年
• 確定給付型:
  • 平均給与補償率： 1.5%（給与の1.5%を基に給付計算）

計算:

1. 月の企業年金負担額:

   • $100万円\times 1.5\%=1.5万円$

2. 年間の企業年金負担額:

   • $1.5万円\times 12ヶ月=18万円$

3. 35年間の企業年金負担総額:

   • $18万円\times 35年=630万円$

このモデル例では、企業は毎月の各従業員に対して給与の1.5%を企業年金に充て、35年間にわたりこれを支払うと仮定しています。ただし、これは非常に簡略化された例であり、実際の企業年金計算には法的規制や厳密な評価が必要です。企業は、専門のコンサルタントやアクチュアリーと協力して、具体的な計画や要因を考慮した正確なモデルを作成する必要があります。

 

● 企業型年金とiDeCo(個人型年金)と比較

加入者1名あたりの拠出限度額が月額5万5千円までと大きい

掛金は全額個人の所得と見做されないため社会保険料の対象からもはずれる

制度運営の費用は 全額法人負担で経費として認められる

法人で実施することの魅力が大きい制度

（詳しくは企業型確定拠出年金のご案内ページを）

 

●SBI証券の場合、毎月の掛け金は１人５０００円から

プランのご案内｜企業型確定拠出年金｜SBI証券 (sbisec.co.jp)