はっか雫です。藤井佯というペンネームでも活動しています。
こちらは小説などを書くときの名前です。
昨年はサークルを結成して文芸誌を制作しました。
今回は、ぜひこちらを紹介したいのです。
造鳩會『異界觀相』
造鳩會というのがサークルの名前です。
鳩を造るのいいね ♪ というノリで命名されました。
異界觀相というのは、問いです。
書き手各々が臨んでいる異界(何も幽霊や妖怪、そういった類のものに出会ったり、ファンタジー世界に飛ばされたりだけが異界ではありません。異界は常にそこにあるものです)を、観相すること。
異界にどっぷりと身を浸してしまうのではなく、現実と異界のあわいに立つこと。
そんな作品を掲載するべく創刊されました。
はっと目を引く表紙イラストはairi maeyamaさん作。フォロー超推奨です。
11月17日から27日まで、大阪・中崎町で個展が開催されるそうです。
お近くにお住まいの方はぜひチェックしてみてください…!
「この人の描く異界が見てみたい!」と思った書き手に依頼して、
小説、詩、短歌、日記、論考を全部で9篇収録しました。
(もちろん私も小説を寄せています)
それぞれの作品を紹介します。(リンクは各執筆者のTwitterです)
【小説】
伊東黒雲「子午線の結び目」
ある日、不眠を拗らせていたPの眼は、自分の身体から零れ落ちてしまう。残されたPの身体は勝手に動き始め……
「Pは眼前に転がった自身の、本来右眼が収まっている筈の場所にぽっかりと穴が空いているのを見た。」
柊正午「白瀬矗の講演」
白瀬矗。日本の陸軍軍人、南極探検家。 南緯九◯度到達へ向け突進する南極探検隊。極寒の地にて彼らが目にしたものとは。 これは、明治四六年一◯月に実施された白瀬矗による講演の、速記録を一部抜粋したものである。
灰谷魚「ときめく夢だけ捨てました」
五輪開催年に必ず死者を出してきた事故物件。2021年夏、元・小説家志望の野村ユマと現・漫画家志望の宇井芽衣は、そこでルームシェアを開始した。
「ところで、この物語の中で二人の人間が死亡する。そのうちの一人が野村ユマだ。」
藤井佯 「托卵」
存在しない街。いないはずの隣人。「書記」を名乗る女を招き入れたことで、伊地知の平穏は崩されていく。いや、本当はとっくの前から崩れ去っていたのだ。
「わたしは、月に行かなければならない。君を連れて」
【詩】
葦田不見「眼にて黙す」
眼を巡る声が聞こえるか? わたしと同じように、あなたと同じように、
「はい、その用というのはわたくしの眼をあげましょう、という話なのです」
【短歌】
多賀盛剛 「prism genesis」
乱反射した光が互いに干渉しあい、互いにサンプリングしあい、増殖してゆく——縫い目を持たない羽衣のように紡がれた16首からなる連作。
「げんじつの、びでおでみてた、ほんまのかおの、ほんまのかいわ、」
【日記】
アルドラ「統失日記」
統合失調症を発症した筆者の、当時の日記やメモ帳、ツイート等をもとにした、三ヶ月の生活の記録。
「(前略)統合失調症の急性期はどのような経過をたどるのか、それを患者本人はどのように理解しているのか、以上の二点に重点を置き、その様子を描写したい。」
【論考】
懶い河獺「落下するレオロジー 山中散生の詩的原理」
山中散生という人物がいる。シュルレアリスムを日本に紹介した主要人物であるにもかかわらず、彼の詩について言及する文献は決して多くない。山中散生の詩作の原理を、二つの軸のもとで昇華し、一筋の光を投げかける論考。
大槻龍之亮「わからなさの只中へ突き進んでいくこと、おれはそれを詩だと思っている」
滝沢カレン、小島信夫、吉増剛造、そしてヘレン・ケラー。詩とは一体何なのか。わからなさの彼方へ向かう果てしない旅。
「ある日わからなくなった。」
以上9篇。
なぜこのタイミングで紹介したかったかというと、
もうすぐ文学フリマ東京35が開催されるからです。
もう一度言います。
もうすぐ文学フリマ35が開催されます。
11月20日(日)12:00〜17:00
@東京流通センター 第一展示場+第二展示場Eホール
入場無料の、文学作品展示即売会です。
今回は、過去最大規模での開催だそうです。
もちろん造鳩會も出店します。
『異界觀相vol.2』を出します。
そうです、新刊です。👏👏👏
そんなタイミングだからこそ、もう一度、
昨年刊行した『異界觀相』初号の紹介をさせていただきました。
おかげさまで、第二版がもうそろそろなくなりそうで、
具体的に言いますと
私の手元にあと3冊を残すのみです。
どうでしょうか?
残り3冊、すべてマルシェルに出品します。
ざーっとマルシェルのラインナップを見た限りでは、
同人の文芸誌なんて出品しているところは少ないようですね。
だからこそ、マルシェルに出品する意味があるかと思います。
「こんなものがあったのか!」と発見してくれるであろう皆さんのことを待っています。
文学フリマ開催前に第二版がすべて売り切れたらめちゃくちゃ嬉しいだろうなあ…。
ぜひ、あなたの本棚に異様な存在感を醸し出すこと間違いなしの
造鳩會『異界觀相』をよろしくお願いいたします。
(『異界觀相vol.2』も11月末に少部数出品予定!
こちらもあわせてよろしくお願いします)
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