
(高知商工会議所様の会報に掲載していただきました)
子どもたちに本物を~ウッドキュウブ~
70年続く木製家具の専門会社、株式会社井筒屋は17年前にオリジナルの積み木の製作を始めました。最初は保育園に寄贈するために開発した積み木でしたが、今では多くのお客様に愛され、日本ギフト大賞2020高知賞を受賞する快挙を成し遂げています。同社の積み木が人気を博している秘密について、筒井社長にお話をうかがいました。
ドイツへの視察
積み木作りを始めたきっかけは、筒井社長がライオンズクラブのメンバーとして活動していた20年前にさかのぼります。当時ライオンズクラブの20周年記念事業の委員長を務めていた筒井社長は記念事業の企画について悩んでいました。腕の良い職人はいるので木の加工はお手の物です。「子供たち向けの贈り物はどうか」と考え、おもちゃの本場であるドイツに視察に行こうと思い立ち、ドイツ東部の小さな町ザイフェンに向かいました。木製のおもちゃ作りが有名で、世界中から観光客が訪れる町です。わずかな時間のなかでおもちゃの町をくまなく歩きながら、「木製家具の専門会社として何ができるのか」を筒井社長は懸命に考えました。帰国後社長が出した答えは、20周年記念事業で「積み木を子供達に贈る」ことでした。
本物の積み木を子供たちに
早速積み木の製作にとりかかったものの、積み木の形や寸法、セット数など考えることは山積みでした。委員会に試作品を出して意見をもらい作り直す日が何日も続いたそうです。筒井社長は積み木に関する本を何冊も読んで勉強しました。積み木を積み上げる際には指の力が必要です。積み木にはお箸を持つ力をはぐくむ役割があるといいます。また、積み上げるにはじっと我慢する根気強さも必要ですし、高く積み上げることで創造力も育まれます。幼児教育では、絵本、歌、積み木が大切な要素だという保育士もいる程、積み木の役割は大きいということが分かりました。「子どもたちに本物の積み木を作る」そう決心した筒井社長は職人と試行錯誤を繰り返しました。程なく、どこまでも高く積み上げられる寸分の狂いのない積み木が完成し、無事市内の保育園に贈呈することができました。
ウッドキュウブの誕生
記念事業ののち、井筒屋の積み木を寄贈された保育園の保育士や保護者から、家庭用で使える積み木の販売について問い合わせが届くようになりました。また、周囲からは高知県産のヒノキを使って積み木を作ってみてはどうかと提案もいただくようになり、筒井社長は、今度は積み木の商品化に向けて動き始めました。
材料の木は本業で取引があったことから、四万十ヒノキを使用するようにしました。ヒノキの積み木は、乾燥の度合いによって季節でわずかに伸縮するため積み木に必要なミリ単位の寸法合わせが出来なくなります。また、油分が多く、積み木の表面に油染みが出て失敗することもありました。木を乾燥しすぎるとヒノキの香りが無くなってしまうため、油分を飛ばしながら香りを残すことができるよう絶妙な乾燥度合いも編み出しました。子供たちが想像力を働かせて遊ぶことができるセット数の検討や商標登録の申請について取り組みを進め、1年がかりで出来上がったのが、「ウッドキュウブ」でした。
良いものを子供たちに
手触りが良く、ヒノキの香りとぬくもりを感じられる積み木は、口コミによって広まり、これまでに6000セットを売り上げるなど、多くのお客様の心をつかんでいます。安全面を考えて、面取りが施され、一個一個丁寧に紙やすりで表面が磨かれています。また、口に入れても大丈夫なように無塗装で仕上げられています。お客様からは、一つ一つのピースのサイズが1ミリたがわず正確なので、「買い足して何を作っても綺麗に出来上がる」「子どもの背丈以上に積み上げられる」と評判です。まさに、社長のこだわりと職人の腕が光る逸品です。
「良いものを子供たちに提供したい」と語る筒井社長の眼差しは優しさで溢れていました。


子どもたちに本物を~ウッドキュウブ~
70年続く木製家具の専門会社、株式会社井筒屋は17年前にオリジナルの積み木の製作を始めました。最初は保育園に寄贈するために開発した積み木でしたが、今では多くのお客様に愛され、日本ギフト大賞2020高知賞を受賞する快挙を成し遂げています。同社の積み木が人気を博している秘密について、筒井社長にお話をうかがいました。
ドイツへの視察
積み木作りを始めたきっかけは、筒井社長がライオンズクラブのメンバーとして活動していた20年前にさかのぼります。当時ライオンズクラブの20周年記念事業の委員長を務めていた筒井社長は記念事業の企画について悩んでいました。腕の良い職人はいるので木の加工はお手の物です。「子供たち向けの贈り物はどうか」と考え、おもちゃの本場であるドイツに視察に行こうと思い立ち、ドイツ東部の小さな町ザイフェンに向かいました。木製のおもちゃ作りが有名で、世界中から観光客が訪れる町です。わずかな時間のなかでおもちゃの町をくまなく歩きながら、「木製家具の専門会社として何ができるのか」を筒井社長は懸命に考えました。帰国後社長が出した答えは、20周年記念事業で「積み木を子供達に贈る」ことでした。
本物の積み木を子供たちに
早速積み木の製作にとりかかったものの、積み木の形や寸法、セット数など考えることは山積みでした。委員会に試作品を出して意見をもらい作り直す日が何日も続いたそうです。筒井社長は積み木に関する本を何冊も読んで勉強しました。積み木を積み上げる際には指の力が必要です。積み木にはお箸を持つ力をはぐくむ役割があるといいます。また、積み上げるにはじっと我慢する根気強さも必要ですし、高く積み上げることで創造力も育まれます。幼児教育では、絵本、歌、積み木が大切な要素だという保育士もいる程、積み木の役割は大きいということが分かりました。「子どもたちに本物の積み木を作る」そう決心した筒井社長は職人と試行錯誤を繰り返しました。程なく、どこまでも高く積み上げられる寸分の狂いのない積み木が完成し、無事市内の保育園に贈呈することができました。
ウッドキュウブの誕生
記念事業ののち、井筒屋の積み木を寄贈された保育園の保育士や保護者から、家庭用で使える積み木の販売について問い合わせが届くようになりました。また、周囲からは高知県産のヒノキを使って積み木を作ってみてはどうかと提案もいただくようになり、筒井社長は、今度は積み木の商品化に向けて動き始めました。
材料の木は本業で取引があったことから、四万十ヒノキを使用するようにしました。ヒノキの積み木は、乾燥の度合いによって季節でわずかに伸縮するため積み木に必要なミリ単位の寸法合わせが出来なくなります。また、油分が多く、積み木の表面に油染みが出て失敗することもありました。木を乾燥しすぎるとヒノキの香りが無くなってしまうため、油分を飛ばしながら香りを残すことができるよう絶妙な乾燥度合いも編み出しました。子供たちが想像力を働かせて遊ぶことができるセット数の検討や商標登録の申請について取り組みを進め、1年がかりで出来上がったのが、「ウッドキュウブ」でした。
良いものを子供たちに
手触りが良く、ヒノキの香りとぬくもりを感じられる積み木は、口コミによって広まり、これまでに6000セットを売り上げるなど、多くのお客様の心をつかんでいます。安全面を考えて、面取りが施され、一個一個丁寧に紙やすりで表面が磨かれています。また、口に入れても大丈夫なように無塗装で仕上げられています。お客様からは、一つ一つのピースのサイズが1ミリたがわず正確なので、「買い足して何を作っても綺麗に出来上がる」「子どもの背丈以上に積み上げられる」と評判です。まさに、社長のこだわりと職人の腕が光る逸品です。
「良いものを子供たちに提供したい」と語る筒井社長の眼差しは優しさで溢れていました。

