日々のデキゴト

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「白夜行」 第6話

2006-02-19 11:15:57 | ドラマ
切ない回でしたね。
物語的にはこれまで以上に凄惨な事件(=殺人)が起こって、さらに救いがなくなっていく回だったけど、亮司と雪穂の二人が改めて絆を深めた回だったので、観ている側としては思った以上に暗くならなくて済みました。

前回、これまでの亮司の凶行を「私が頼んだわけじゃない」と冷たく突き放した雪穂。
その理由は前回ラストの雪穂の涙からもわかりましたが、今回はそれがよりわかるような演出がされてました。
「恩をきせられるのも気分がわるいので」と送り返されてきた通帳、これ以上亮司に負担をかけまいとする雪穂の気持ちの表れだと思いました。
そして、亮司にたかり、売春を強要し、ゆすり続ける松浦が自分のところにも来て、これからも二人にとって大きな障害となるのを実感した雪穂は、松浦に殺意を抱きます。

もう終わるからね、亮

もう亮司の手を汚すことなく、自分でケリをつけようとする雪穂。

結局、松浦を殺害するのは亮司でしたが、その方法に二人のキャラがよく出てました。
友彦のおかげで一度は抑えた松浦の殺意を、松浦の自宅で母の姿を見て、抑えきれない殺意がわき起こり、衝動的に殺害してしまった亮司。
それに対して、雪穂は篠塚から睡眠薬を手に入れ、殺害の実行前にその睡眠薬を飲み物に入れて、味の変化の確認をするなど、綿密な計画をたててましたね。
(他のテレビではよくお酒などに安易に睡眠薬を投げ入れたりしますが、通常薬物はかなり苦かったりするので、酒の味を大きく変えてしまいます。なので、味の変化がわかりにくい薬の量を確認し、どのくらい飲ませればいいのかをチェックするのは、現実的なディテール描写だと思いました。)

今回は松浦の悲しい過去も明らかになりましたが、「その愛情表現は歪みすぎ!」って感じ。最期まで誰からも必要とされなかった松浦は哀れとしか言いようがないですけど、末期の言葉は印象的でしたね。

キレイだよ。
パチもんの昼も、捨てたもんじゃないよ。

亮司の救いのない人生を、そのやりきれなさを、雪穂以外で唯一理解していた人物だったのかもしれませんね。
彼もまた白夜の中を生きてきたひとりでした。。

そんな事態があったことを知らない雪穂は、自分が松浦を殺害しようと、松浦に電話をかけようとしているところに、ネガを取り返してきた亮司が現れます。
ネガを「落ちてた」と言う亮司のコートについた血を見て、亮司が先に松浦を殺害したことを理解する雪穂。

何でそんなことしたのよ!!
ねぇ、なんで!!?

もう亮司の手を汚させまいと思ってたのに、私のことなんか嫌いになったハズなのに。。
そんな「なんで」だったんでしょうね。
驚きを隠せない雪穂でしたけど、再び人殺しをしてしまい呆然としている亮司に

やろうと思ってたら、やっちゃうんだもんな。
私だって、あんな男死ねばいいと思った。
だから。。やったのは私だよ。

11歳の時と同じように、亮司は悪くないとの気持ちが表れてました。

ねえ亮、考えたんだけどさ。
私だって、偽造はできないけど、金ぐらいいくらでもふんだくってこれると思うんだよ。
強姦はできないけど、亮が好きな女の男、寝取るくらいはできると思うんだよ。
私、わりと頼りになるとおもうんだけど、どうかな。
お返しにさ、亮をもう一度、太陽の下に戻してあげるからさ。
そういうのは。。どうかな?

嬉しかったと思う。
亮司がもっとも、いや唯一必要としていた雪穂が、自分のことをこれほど想ってくれていることを知って、本当に嬉しかったと思う。

あなたは、俺の太陽だった。
白夜に浮かぶ太陽だった。
俺の。。たった一つの救いだった。

この言葉が観ている側にもすごく実感できるシーンでした。

今回の6話は物語の大きなターニングポイントですね。
二人の絆がより確かなものになり、お互いがお互いを守るため、もう他の何者をも切り捨てられるようになってしまうのではないでしょうか。

次回7話は、雪穂がついに結婚です。
公式サイトの次回あらすじをみると、相手はソシアルダンス部の先輩である高宮誠だそうです。
高宮の実家が「資産家」というのがキーポイントですよね。
"金ぐらいいくらでもふんだくってこれると思うんだよ。"
っていう雪穂の言葉が怖いです。。
予告編の「雪穂の幸せは、俺の免罪符なんだよ。」という亮司の言葉も怖い。
雪穂の幸せを守るためなら、どんなことだってする。
そんな強い意志を感じます。

これで原作の亮司と雪穂のイメージに繋がったように思いました。
原作では二人の心情はまったく描かれないため、多くの事象や周囲の人の視点から想像していくしかないのですが、どうしてこんな人間になっちゃったんだろう?っていうのは読む人の思考にゆだねられています。
僕が原作を読んだときは、あまり明確にイメージできなかったのですが、このドラマでは、確かに一つの解釈ではあるけれど、とても細やかに、納得できる形に表現されていると思います。

残りあと5話、やっと折り返し地点を過ぎたところなので、もう1回くらいターニングポイントがあるかもしれません。
そうそう、原作では最期まで生き残り、出世して二人の罪を暴く力となる古賀刑事(田中幸太朗さん)が早くも殺されてしまいましたね。
公式サイトのBBSなどをみると賛否両論のようですが、古賀刑事の終盤での存在は原作でもどうしてもはずせないコアの部分の展開でもないと思うので、僕個人としてはアリだと思いました。
古賀刑事の死によって、笹垣が松浦の存在を、引いては松浦殺害にからむ亮司と雪穂をこれまで以上の執念を燃やして追いかけることに繋がるのだから。。

ただ、これまで数少ないこのドラマの清涼剤だった、友彦と古賀刑事の存在が今後無くなるかと思うと、その点では残念ですけどね。
でももう、ここまで来たからには、最期までつきあいますよ!
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3 コメント

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Unknown (秋日子)
2006-02-19 22:04:19
雪穂と亮司の気持ちがつながったって感じがしますね!

来週は、新しい展開に入るみたいですし

今からドキドキわくわくです(@田@)v

金八さんも、もっと2人に迫っていくでしょうしね!

それにしても、あの金八さんの目が怖いです。。



TB2回も送ってしまいました(@田@:)スイマセンっ
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Unknown (miyabi)
2006-02-20 13:26:52
亮司と雪穂の気持ちが少年時代と

重なりました。

今後二人がどういう道を進んでいくのか、

非常に気になります。

MASHさんの記事をよんで6話、より深く理解できたような気がします。7話も楽しみにしいてまーす!!

TB送りますね。
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コメントありがとう♪ (MASH)
2006-02-21 01:09:25
>秋日子さんへ

無理なのを承知で言えば、もうあの二人にはこのまま誰も干渉せずに、静かに暮らさせてあげて欲しいです。

でも笹垣@金八は、鬼のような勢いで追いつめるのでしょうね。

どんな展開で結末に向かっていくのかももちろん、噂では初回のオープニングシーンにも続きのシーンがあるようなので、最後は二人一緒であって欲しいです。



>miyabiさんへ

あくまで僕の個人的な考えなので、本当に正しい解釈なのかはわからないですよ。

でもあの睡眠薬は、もしかしたらもう1回別の犯罪で使われるのかもしれないですね。

語弊を恐れずに言えば、いろいろな犯罪行為にとって、便利なアイテムでしょうから。

うぅ、まだ続くんでしょうね、そういう行為。。(悲)
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