2005年3月8日に書いてますが、ここのタイトルは
モーリス・センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』から頂いてます
(ちなみに主題歌は原由子さんの『かいじゅうのうた』です)。
さて、昨日ハルドンが借りてきた絵本、
セシル・ジョスリン文
モーリス・センダック絵
たにかわ しゅんたろう訳
『そんなとき なんていう?』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/40/eac524c572a18a07c31e42f9a5b3c719.jpg)
原著出版は1958年、日本出版は1979年。
なんと申しましょうか、
たにかわ先生と岩波ってとこで、
まあ日本側の受け入れとしては万全の構えというか、
まずは外れは無いだろうというか
(でも岩波って途轍もない大外れが時々あるけどさ)、
微妙に中途半端な版型からも、大物感溢れる感じがいたします。
大変おもしろうございました。
表紙見れば分かる通り、完璧に笑いを志向した本なんですよこれは。
ただ、残念なことに英語(だよねえ・・・え?フランス語かも?)で定型句となってるものが日本語で全部定型句かっつうと、そうじゃあないんですよねえ。
オチが「決まりきった定型句」なわけですが、日本語にしちゃうと微妙に決まりきってないから、ちょっと感覚がずれる。
例えば「しつれい、なんておっしゃいましたか?」
ってオチは、オチとしちゃあ弱いんですよねえ。
別に「すみませんが、もういちどおっしゃってください」でも
「しつれいですが、もういちどおねがいできますか?」でもいい(様々な表現を吟味しつくして「これしかない」と決めた訳者の存在を忘れたわけではありませんが、まあ日本語の言い回しの一般論として)。
特に「これ」と決まった特殊な言い回しはないですから、
どうしてもちょっと散漫になっちゃう。
で、「ああこれは英語なら I beg your pardon? だろうなあ」
と、元の言葉を推定して
「こりゃ面白えや、ケケケ」
と笑うから、なんかテンポが微妙。
まあ翻訳モノなんて本来全部そうなんでしょうが、これは元の言い回しが気になることにかけては天下一品。
さすが谷川先生、そういう訳をこころがけたというわけで・・・はないすよね、
これはどうやっても元が気になりますわ。
というわけで、オチは(日本人なので)大人な楽しみ方になるわけですが、
その分前振りは子どもがそのまんま面白がれるようになってます。
王女様やら公爵夫人やら海賊やら恐竜やら象やら、子どもが好きなものだけで構成されてますしね。
こういう前振りは
「どこまで突拍子も無いシチュエーションを考えられるか?」
という勝負なわけですが、設定も絵も品よくシャレてて楽しい。
やはり荒唐無稽にも品というものがございますねえ。さすが1950年代。
そしてやはりカラッとドライな感じで軽いですね。
それが素晴らしいです。
センダックに外れナシ・・・かな?
モーリス・センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』から頂いてます
(ちなみに主題歌は原由子さんの『かいじゅうのうた』です)。
さて、昨日ハルドンが借りてきた絵本、
セシル・ジョスリン文
モーリス・センダック絵
たにかわ しゅんたろう訳
『そんなとき なんていう?』
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/40/eac524c572a18a07c31e42f9a5b3c719.jpg)
原著出版は1958年、日本出版は1979年。
なんと申しましょうか、
たにかわ先生と岩波ってとこで、
まあ日本側の受け入れとしては万全の構えというか、
まずは外れは無いだろうというか
(でも岩波って途轍もない大外れが時々あるけどさ)、
微妙に中途半端な版型からも、大物感溢れる感じがいたします。
大変おもしろうございました。
表紙見れば分かる通り、完璧に笑いを志向した本なんですよこれは。
ただ、残念なことに英語(だよねえ・・・え?フランス語かも?)で定型句となってるものが日本語で全部定型句かっつうと、そうじゃあないんですよねえ。
オチが「決まりきった定型句」なわけですが、日本語にしちゃうと微妙に決まりきってないから、ちょっと感覚がずれる。
例えば「しつれい、なんておっしゃいましたか?」
ってオチは、オチとしちゃあ弱いんですよねえ。
別に「すみませんが、もういちどおっしゃってください」でも
「しつれいですが、もういちどおねがいできますか?」でもいい(様々な表現を吟味しつくして「これしかない」と決めた訳者の存在を忘れたわけではありませんが、まあ日本語の言い回しの一般論として)。
特に「これ」と決まった特殊な言い回しはないですから、
どうしてもちょっと散漫になっちゃう。
で、「ああこれは英語なら I beg your pardon? だろうなあ」
と、元の言葉を推定して
「こりゃ面白えや、ケケケ」
と笑うから、なんかテンポが微妙。
まあ翻訳モノなんて本来全部そうなんでしょうが、これは元の言い回しが気になることにかけては天下一品。
さすが谷川先生、そういう訳をこころがけたというわけで・・・はないすよね、
これはどうやっても元が気になりますわ。
というわけで、オチは(日本人なので)大人な楽しみ方になるわけですが、
その分前振りは子どもがそのまんま面白がれるようになってます。
王女様やら公爵夫人やら海賊やら恐竜やら象やら、子どもが好きなものだけで構成されてますしね。
こういう前振りは
「どこまで突拍子も無いシチュエーションを考えられるか?」
という勝負なわけですが、設定も絵も品よくシャレてて楽しい。
やはり荒唐無稽にも品というものがございますねえ。さすが1950年代。
そしてやはりカラッとドライな感じで軽いですね。
それが素晴らしいです。
センダックに外れナシ・・・かな?