今朝、母が入所している老健の介護の方より電話。
家電だったので何事かと思いきや「携帯に電話したけど繋がらないので」と。
母に何かあった?
聞けば
母の困り事として
食事を持ち帰って手荷物の袋の中の入れてしまう・・・
はあ、それはもう、家でも。はい。
ごめんなさい🙇♂️🙇🙇♀️
荷物の中に隠されるとわからなくなってしまう。
これからの季節、虫が湧いたり、におったり、カビたりしても困る。
袋の中身をタンスに移して、空の袋をお預かりしているので、持ち帰ってもらいたい。
わかりました。
と答えると
いつ、来れますか?
なんとなく、イライラが伝わってくるような電話。
本当に申し訳ないと思うけれど、母の食べ残し隠しは今に始まったことではなくて。
2年前に退院してまもなくの自宅にいる期間(3週間ほど)、私は実家に泊まり込んでお世話したのだけれども、食事をことごとく残され、隠され、本当に傷ついた。
お母さんはお寿司が好きだから
食は細いけれどお寿司なら食べるかな?
と思って買ってきたのに、翌日、ティッシュに何重にも包まれ、ぐいっと握られてゴミ箱の中にあった握り寿司。(まさに、握り寿司か!) あれはアジのたたきが載ったお寿司だった。今でもあの画像が甦るよ。可哀想なお寿司。
それが、食べ残し隠しの一番最初。衝撃だった。
父も言っていた。私は、仕事帰りに毎日実家に寄って夕食を作っていて、テーブルに並べてから「じゃあね」って自宅に帰っていたのだけれど
「○○ちゃん(私の名前)が折角作ったご飯を、○〇〇(母の名前)は捨てているんだよ。〇〇ちゃんが帰った後に僕はそれを見つけるんだ。それが本当に辛いんだ」
残されるのがわかっていたから、それを見ないで「じゃあね」って帰ってしまうのは私にとっては都合が良かった。見なければ、傷つかない。
だけど、お父さんは心を痛めていたんだよね。ごめん。
だんだん捨てられることにも慣れてきて、私はあんまり傷つかなくなったのだけれど、極端に食が細い母なので看過することもできず。とにかく食べてほしい。
私がちょっと食後にお茶を入れに行くと、その隙にお皿の上のものがきれいサッパリなくなっている。
「美味しかったけど、おなかパンクです」だって。白々しいなあと思ってしまう。
お茶を入れるのはやめてみたが、ちょっとスマホをいじっていたら、またまた、サッとお皿の上のものが消えている。えっっ? マジックか? すごい早業。
手に握りしめているその包みは何ですか?
「ゴミはちょうだい。こっちで捨てるから。」
「ゴミじゃありません」
そんな力がどこに?ってくらい握りしめた手を開きません。
母がショートステイなどに出かけた後に見てみると
ベッドの下、テーブルの下、ソファーの裏から、出てきます。干からびた残菜が。
ハムスターか? リスか?
そう言うわけだから今に始まった事ではなく
老健の人にも、以前から伝えているし、
そもそも2月に入所しているわけだから
老健でも、今に始まった事ではないはずなのだが。
ああ、でもきっと、言いたくなるよね。
すみません。
「それでですね。手提げ袋に隠されてしまうので、袋類を一切引き上げさせていただきたいのですが、そうはいっても食堂に行かれたりする時に携帯などお持ちになるので、手提げが何もないのも不便で。
携帯しか入らないような本当に小さなポーチか、あるいは中身が見えるような透明の手提げを用意してくださいませんか?」
「わかりました。」
急に見慣れないバッグを渡されて、母が戸惑うのではとも思ったけれども、仕方ないよね。
「それと、携帯ですが、ご本人、あちこちに置いてきてしまって。もう使わないとおっしゃってもいますが、ご家族にお渡ししますか?」
「いやー、使ってると思いますけど。父に毎日、電話をかけていましたけど?」
「そうですか。では、持っていただいてもいいのですが、なくなっても責任が持てませんが、ご了承くださいますか?」
あ、そういうことね。
ご家族様がいいと言えば、施設の責任ではないってやつ。
このフレーズは何度も聞いてちょっとうんざりだけど、仕方ないよね。
「わかりました。」
夕方、母から電話がありました。(携帯、使ってるじゃん!)
「私のカバン、あなたが持っているの?」
そう言えば、「こちらでお預かりしようとすると不審がられるので、娘さんが預かりたいとおっしゃっていますと言って渡していただきました」と言ってたな。
結局、私が悪者かい。
「介護の人が、預かってほしいと言って私に持ってきたよ」(こういうことだよね、つまり。まだ預かってはいないけどね)
「ああ、そうなのね。あなたが持っているならいいのよ」
なんだかちょっと可哀想になりました。
髪の毛切らないラプンツェルで、食べ物隠すハムスターで、何なんだ!!と思う時もあるけど、
身ぐるみ剥がれて手荷物もなくて、人権あるのかね?
ならば、在宅でご家族が介護すれば?
いや、それは・・・
自宅の引き出しの中に、小さな小さな手提げがあるのを思い出した。
母の手作り。シルクスクリーンの絵柄も入っている。
とても丁寧に作ってある。
母は手仕事が好きだったし上手だった。
さまざまな小物をたくさん作ってたくさんプレゼントしてくれた。たくさん貰いすぎて困ってもいたけど。
情が厚い人で、人にプレゼントするの、好きなんだよね。母は、そういう人。
この袋なら母が自分で作ったものだし、渡されても困らないよね?
見たこともないものだと「私の物ではないわ」と思って、しまいこむんじゃないかな。多分使わない。
袋を洗濯した。使い込んでちょっとくたびれているけど、いいよね。
アイロンあてて、今度、持って行こう。