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オメガねこ

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「目的」 と 「手段」

2020年11月03日 | 政治
 取り敢えず「大阪市」が存続する事になった事で、「憲法上の問題」は意識する必要は無いのですが、所謂「二重行政問題?」は継続するようです。

 憲法上で問題にならない手法での「大阪の二重行政問題」の解消案は、「大阪府を廃止し特別市を設置することについての住民投票」の実施です。この場合は、該当自治体である大阪府民全員を対象とするので、憲法95条の「その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意」を得る事になり、国は住民投票の結果を新法に反映する事が出来ます。

 それは兎も角、何故「二重行政」が生じるかと言えば、権力の過剰介入が問題なのであって、国・都道府県・市町村の構造に直接的な欠陥が有る訳では有りません。大阪を考えても、府と市が同じ政党党員の長を頂いているのなら「二重行政」は自ら解決できる筈ですし、例え違ったとしてもそれは住民の意志なので、これを「二重行政」と非難する事は住民をバカにする言動と言えます。勿論、実際にバカであるかどうかは別問題ですが。

 若しも、府と市が同じ目的の施設を隣接して建る事に問題が有るとしたら、理論上は「府」に責任が有ると言えます。何故なら、自治体は常に「国」の不当介入(行政)を非難します。この自治体の言い分が正しいとしたら、「市」は「府」に対して、不当介入を非難する事に正当性が有るからです。「自治権の独立」とは、小の大からの独立を意味し、大坂維新の会は「地方分権の拡大(市町村への権限委譲)」を主張しています。

 「大阪都構想」が成立したら「二重行政」が無くなると云うのが「大阪維新の会」の主張だったので、若し成立した場合は、本来は維新の会は不要になる筈です。逆に不成立の場合は「二重行政」の不安が残るので「府・市」共に維新が行政を担う必要性が残ります。ところが不成立を理由に「松井市長」は、今期限りで政界を引退すると言い出しました。松井氏は大阪の未来よりも自分の「主義」の方が重要と考えているように思えます。

 「大阪都構想」は、目的ではなく手段です。目的はあくまでも「二重行政の解消」の筈なので、有りがちな「目的と手段の取違い」と言えます。行政で、目的と手段を取り違えると、悲劇を見る事が有ります。

 「民主主義とは少数派を切り捨てる事ではない」を拡大解釈して、

最大多数の最大幸福(手段民主主義)⇒ 少数意見の尊重(目的民主主義)→ 少数意見を無視してはいけない(結果民主主義)→ 少数意見を正しいとする(共産主義)

が「革命思想」に繋がり、「ボルシェビキ(意味は多数派ですが、実態は少数派)」になり、ソ連の悲劇を招きました。これも、「共産主義は人民を守る事が目的」だったのが、逆転して「人民の目的は共産主義を守る事」と云う、「目的と手段」が逆転・本末転倒した結果の悲劇です。

 「都構想」の住民投票では、自民党と共産党の反対票が多かったのは、共産党や立憲民主党の場合は「異端は異教より憎し」、自民党の場合は「保守的では無い改革」なので当然の結果だったのではないでしょうか。
 
 どの政党とは言いませんが、国家感のない政党には、地方政党として力を発揮して貰いたいと思います。




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