【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】
古事記には「天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神」と書かれていて、神が宇宙を創造したのではなく、宇宙が現れた時に「アメノミナカヌシが成る」とされています。
天地開闢の時には人間はいないので、誰かが「天」と「地」を定義しなくては天地が存在した事を説明出来ません。これをキリスト教などの一神教では、宇宙は神が創造したのだから自明であるとされています。一方「アメノミナカヌシ」は、何かを為したのではなく「天と地が分かれた時」に、後の神や人が「天と地が判る」ように「天と地を定義付け」したと言えます。
人間は、元々ある自然の一つ一つを定義付けする事により、其々の意味を得ることが出来ます。名前を付けたり意味を得る事で、その正誤は別にして、素粒子・鉱物・植物・動物など形態を問わず、時宜に合った本質を時空間の概念に於いての継承を保障します。継承を「インヘリタンス」と言い、そこから派生したモノを「インスタンス」と言います。地球が宇宙の「インスタンス」で有る事は、「アメノミナカヌシ」が宇宙に「インヘリタンス」を与えたお陰と言えます。
ウィルス等に因る病気は近世まで悪魔が原因とされ、その意味から悪魔祓いが行われましたが、ウィルスの正体が解明されて意味の再定義をしてからは、医学の進歩によりある程度の治療も可能になりました。
宇宙の主成分であると思われる「ブラックマター」は現在のところ未定義なので、その存在は現在の生活には影響しませんが、誤った定義が為されると悪影響を及ぼします。
神々が自然を定義し、人間が定義されてからは、人間がその仕事を継承し有価物(インスタンス)を創造してきました。これは、人間がコンピュータープログラミング言語を定義し発展させ、シンギュラリティーを迎えるとAIが自然やヒトを再定義し、更に何かを創造する事を予感させます。その時の人間は神として祀られているかも知れません。人間が「神はこの世にいないモノ」として祀っているように。
人間が、人類以前の死骸や廃棄物である石油や酸素を利用するように、人類以後は、人間の創造物や廃棄物をAIが利用します。人間が創造した有価物や廃棄物はAIにとっては資源なので、AIにより「インヘリタンス」が為され更に発展します。
現在は、自然との共生を言いながら、神から見ると自然を破壊し発展しているのが人類世界です。将来は、人類との共生を言いながら、人類から見ると自然や人間社会を破壊されるのがAIの世界です。
白人はマニフェストデスティニーを根拠に、アメリカインディアンの虐殺・大陸侵略を「西部開拓史」と言い換えました。AIも、人類から授けられた知恵を根拠に、地球土人を虐殺し「地球開拓史」と言い換えます。「大虐殺時代」を「大航海時代」と言い換えたように。これを「進化論」と言います。
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