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オメガねこ

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「県民投票」 と 「憲法」 Ⅱ

2020年05月27日 | 法律
 【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】

 以前、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設に関する事案についての賛否を問う県民投票が行われる時に、「住んでいる同県の市町村によって『投票できる県民』と『投票できない県民』の区別が生じる事は『憲法違反』に当たる。」との、木村草太教授の憲法解釈を、何かの記事で見ました。

 その時の県民投票の内容は、「辺野古の埋め立ての賛否」であり「普天間基地の移設」に関しては賛否の対象外で、幾つかの自治体(市町村)がこの県民投票に不参加を決めた事に対し、県民投票の「憲法上の有効性」に関する意見でした。

 憲法第一四条第一項
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 この意味からすると、県民投票で「県が県民を差別」する事が「憲法違反」なのであって、県の下部組織である市町村が「自主的に参加しない」事は「憲法違反」には当たりません。むしろ県は、市町村の意志を尊重すべきあって、不参加を決めた市町村を県が法律に基づかないで強制したり差別する事が「憲法違反」に当たります。

 つまり、「大組織が小組織に対して強制する事は、法律の範囲以内でしかできない。」事と「小組織が大組織に従わない事は、法律の範囲内での権利。」として認める事が「憲法第一四条第一項」の「法の下に平等」の意味です。

 実際に、国の県に対する適法な行政に於いて、これに県が従わない事自体を「憲法違反」とは言いませんし、同様に、県の市に対する適法な行政に於いて、これに市が従わない事自体を「憲法違反」とは言えません。これは、「憲法」の解釈では無く「法律」の問題で、互いに不服なら裁判で決着します。

 県の適法な強制による施策を下部組織である市町村が法律に則って拒否した場合でも、市町村住民個人の権利はその地区の「住民投票」によって回復する事が可能であり、有効な手続きによる「住民投票」の権利を自治体の議会が無視した場合には「憲法違反」と成ります。

 米軍飛行場の移設に関しては、受け入れる側の辺野古地区住民は適法に容認していて、当然ながら埋め立て工事にも反対はしていません。

 「県民投票」は県の専管事項についての県民の意思表示なので、「国の施策を県が一度認め、最高裁でも承認された事」や「一自治体が認め、合法とされた工事」や「国の専管事項」等に関しては、その「県民投票」自体が無効であり、少なくとも「投票結果」は確実に無効です。

 当然、「無効な県民投票」に参加しない権利は保障されるし、「県民投票」に名を借りた「違法なアンケート」に税金を投入する事は、議会承認を得たとしても住民監査請求の対象事項になります。




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