元々は、そんなに鏡を見る方ではなかった。
どちらかと言えば、アウトドアやスポーツなど、アクティブに動くのが好きで、メイクもそんなにこだわりなく、ナチュラルに、身だしなみとしてしている感じだった。
受傷後入院中は、怖くて鏡が見れなかった。ガーゼで覆われていたし、折れている時の記録は病院のレントゲンしかない。
手術後は、傷の手当てをしなくてはいけなくて、縫い傷に、綿棒で薬を塗るなどした。顔も、恐る恐る洗っていた。(目が閉じなかったし)
怖くて嫌なのに手鏡を見るのがやめられなくて、黒い糸が走り、腫れと、ひきつれで変わってしまった顔を何度も何度も眺めた。
1度目の手術後は、どうなるのか全くわからなかったから、絶望的な気持ちだった。治るの?治るの?なんなの?どうして?毎日そう思っていた。
2度目の手術後は、1度目の経験から時間が経つと良くなることがわかっていたので、気持ちがずっと楽だった。
先生も、1度目の経過から、意識して、引っ張られ過ぎないようにぬってくださった。
それでも、鏡は見ずにはいられなかった。
やっと鏡を見るのが落ち着いたのは、傷の赤みが消えてから。気づくと、鏡を見なくなっていた。
傷跡は残っている。でも、何かの区切りがついたようだ。
私の場合は、
2回目の手術から、5ヶ月過ぎた頃だった。