双極性障害の薬剤師です

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双極性障害との戦い 家出編③

2021-02-23 16:43:14 | 体験談
テープ起こしの仕事も波に乗ってきた頃、ある事件が起きた。

テープ起こしの仕事の仕組みは、仕事の募集があり、そこに応募をし、選ばれたら資料が送られてきてそれを文字にして、完成したら提出し、問題がなければ、報酬が支払われるという仕組みだ。

ある日いつものように出来上がったものを提出しても、なかなか依頼主さんから連絡が来ない。
数日待ってもなんの連絡もない。

やられた…

ランサーズのトラブルの1つとして、データだけもらい、報酬は払わないというトラブルがある。

今だったら冷静にランサーズ事務局に連絡して違反通告をして…とできるのだが、当時は双極性障害の鬱期真っ最中だった。

どうしたらいいか頭が回らず、徹夜で終わらせた仕事が盗まれてしまう!と思いパニックになった。

この話を唯一の親友に泣きながら話したらすぐに家まで来てくれて、違反通告をしてくれた。

お金は問題なく支払われた。

このとき親友に、今の仕事は顔が見えない仕事だからこうゆう悪質な人もいる。
本当に療養するならそうゆうストレスもなくしていったほうがいいと助言された。

確かにテープ起こしの仕事を始めてから鬱期になることが多かった。

いつも締切に追われ寝不足の日も続いた。

私は完璧に『無職』になる決意をした。

全ては病気を少しでも良くするため…

しかし、神様は私に甘い汁なんて吸わせてくれない。

その日から数日後、みぞおち辺りにしこりが出てきた。

痛くも痒くもなかったが、気になって病院へ行ったら『脂肪腫』ですね、と言われた。

脂肪腫とは良性の腫瘍である。

安心して数ヶ月過ごしていると、しこりがどんどん大きくなっていき、黒ずみ始めた、痛みもある。

これはおかしい。

今度は違う病院で生検をしてもらうことになった。

結果は…

『上皮皮膚癌』

つまり悪性腫瘍だ。

このとき私は27歳。

しかも上皮皮膚癌はとても珍しい癌で、肺転移をとてもしやすいと言われた。

すぐ肺の検査をされた。

幸いにも肺には転移していなかった。

しかしこのままにしておくわけにはいかない。

全摘手術をすることになった。

あまりにも珍しい癌だったため、手術できる病院が限られていた。

私は築地の国立がん研究センターへ入院することになった。

部屋は4人部屋で窓際だった。

さすが東京、病室からの夜景もものすごく綺麗だった。

手術に向けていろんな検査が始まった。

次回、術後の話を書きたいと思います。



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