横山専務の闘う営業日誌

福島県の不動産屋です、42歳で大腸癌を患って健康と日常の「当たり前」に感謝。闘う不動産屋として情報発信していきます。

福島県借上げ住宅の特例措置について

2011年05月03日 13時21分27秒 | 日記
ここ数日、ブログの閲覧数が上がってきていますが、どうやら『被災者向け住宅』のキーワードから閲覧してくださる方が多いようです。。。。

先日、お部屋のご案内や諸雑務の合間を縫って被災者向け借り上げ住宅の提供に協力してくださる家主宅へ伺って契約手続きをしてきました。

やはり家主の方も不安を感じております、まだまだこの制度は問題山積みと言わざるを得ません。

そんな中、5月1日より借上げ住宅について特例措置が実施されましたので特例措置の内容と不動産業者から見たこの特例措置の問題点について説明させていただきます。

●福島県借上げ住宅の特例措置について
『趣旨』
既に民間賃貸住宅に入居して避難住民への対策として、要件を満たす世帯を対象に、条件に一致する入居済み賃貸住宅を県の借上げ住宅として市町村が決定し、県の借上げ住宅とする。
『特例措置の内容』
震災以後、自ら賃貸住宅を賃借し、家賃等の負担をしている避難住民の家賃を5月1日を境に県が借上げて家賃の保証をする。また同時に避難住民自らが賃貸物件を探し県に申請することができるようにする。
『該当者』
住宅が全焼・全壊・流失した方、原子力災害による避難者、長期に渡り自ら居住する住家が確保できない方など
『借上げ住宅の基準』
家賃6万円以下の物件で耐震性を備えたもの

以上が借上げ住宅の特例措置の概要となっております。

この特例措置を実施した理由は・・・まず自ら住宅を確保した避難者と避難所に避難している方の住まいに関する補償内容の是正を図ること、そして郡山の場合が顕著なのですが、借上げ住宅の手配が行政だけでは手に負えないため避難者自らに動いてもらおうと考えているのがもうひとつの理由です。

郡山の場合は、特に被災者向けの住宅として要請を受けた数の半分程度しか住宅の準備ができていないのが実情なのです・・・被災者自ら動いてもらうことで幾らか解消できるものと行政は考えているようです。

毎日被災者の方からご連絡を頂いています。いろんな方とお話をさせていただいたのですが、残念ながら「県が家賃を払ってくれるから好きな賃貸物件に入居できる」という感覚の方や借上げ住宅について認識が間違っている方もいらっしゃいました。

どうやら窓口となった行政の担当の方が、制度の内容や段取りを把握せずに借上げ住宅の制度について説明を行っているようです。

特例措置を適用するまでの手続きについては、行政から被災者の方へ良く説明していただかないとさらに混乱することは間違いありません。

まずこの制度は基本的に借上げ住宅を被災者自らが選ぶことはできません、あくまで希望を聞き取った上で行政が判断するようになっています。また特例措置についても、被災者が申込んだ物件をそのまま適用することはできません。貸主から承諾をもらい県と各行政機関の審査と承諾を得てはじめて実行されます。

ですが現状の仕組みでは貸主の承諾を得ることが現実的には難しいのです。この制度が貸主の事情を考慮していないことが大きな原因です。我々不動産業者にさえFAX一枚流れてきただけで手続きや段取りの説明が全くなされていない状況です。

迅速に被災者の生活再建を進めていくには行政の方が我々不動産業者や不動産の協会の意見にもっと耳を傾けてくれることが必要だと思います。




























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