朝、洗濯物を干したりして忙しいときに電話がなった。
受話器を取ると、引田の○○です、と言う。
この○○がはっきり聞き取れない。
おばさんは、「お宅さんは、新聞社に行っている人のとこやね?」と聞く。
「はぁ? 新聞社?」
最初ちんぷんかんぷんで…。
話の内容が分かったのはしばらくしてから。
さぬき市に住まわれているお孫ちゃんが田植えをして。
それをあとでは稲刈りとかして、おにぎりとか何かにして食べるのだろうけれど、要は、その取材をして欲しいと言うことらしい。
文脈ばらばらで、言うことがわかりにくいけれど、おそらく田植えはもう終わったから、収穫の時点での取材なのかもしれない。
「もう取材なんてしてないんです」と言うと、「あらぁ、名字探して、何件も電話して繋がったのに…」とのことで。
ご苦労さん!!
そう言えば…ちょっと前にも、園児の七夕笹飾りの取材依頼があったよなぁ。
施設利用者の自分史作製の取材もあったし。
相手は通信員を辞めたのを知らないのだから、しばらくは取材依頼も仕方ないか…と諦め。
でも、いい加減うんざり。
「引田なら通信員いますよ。取材頼んでみては?」と伝えたが、名前を聞いてから、「もう結構です」とのことだった。
誰でもいいじゃん、取材に来てもらえばいいのに…とは思ったが、好みがあるのね。
さぬき市の取材なら、さぬき市在住の人に頼めばいいのに。
あとは友人から電話。
今年も、さぬきの名物「しょうゆまめ」を送ったが、届いたということだった。
「冷蔵庫で冷やして食べたら美味しい。タンパク質も摂れるし」というので、ここ数年は「しょうゆまめ」が続いている。
30分くらい近況を話し合った。
「今度は香川に行くね」と言うことで。
楽しみだ。
昼にやってきたのは、調停に出すと以前、相談されていた彼女。
無事に離婚できたそう。
その報告だった。
それにしても、離婚決定が早かった。
調停に出し、調停員にいっぱい話したそうだ。
8年間の恋愛で、結婚する直前には、旦那さんに二股かけられていたことなどなど、全部話したとのこと。
驚いたのは、彼女の車のワイパーに挟んで帰った交際相手の女のメモを調停に持参したことだった。
「私は、結婚する直前、夫に二股かけられて、それをずっとずっとずっと精神的に引きずってきました。
女から、交際暴露の電話があったし、車のワイパーにメモまで挟まれたんだから。
二股かけられたことを冷静に考えたら、私は愛されてなかったんですよね。
愛されていたら浮気なんてしませんよね。
私が騒ぎにして結婚に進んだけれど、本当は女を愛していたのかもしれない。
だから慰謝料をいただきたい」
と、そんなふうに。
このメモは、〝もしも離婚するときには証拠になる〟と長い間、持っていたと言う。
裁判で争うことにでもなったら、メール文面や、自分で付けた日記やメモも効力を発するから、何でも残しておいたらいいのだ。
すると……そのあと、信じられないことが起こったそうだ。
旦那さん、時間に現れなかったのだ。
調停は、妻、夫と別々の部屋で待機して、そして別々に呼ばれて話すのだが、30分くらい待っても来ない。
そこで、痺れを切らした調停員が、キレて旦那さんの携帯に電話をかけた。
すると……旦那さん。
調停員の「約束の時間に来ないのなら、そく離婚ですよ」の言葉に、
「仕事が忙しいんやけん、行けるかぁ。
離婚? ああ、ええでー。離婚でも。
どうせバツイチやったし、そのあと何回も結婚の話までいったけど女に去られて、一回も二回も三回も、もう一緒やし」
と言ったそうな。
何じゃそれ?
立派な会社の管理職の人の言葉とも思えない、人生を捨てているような発言で…。
それから、電話でメモの話をすると、
「女のメモって、ああ、あれ?
〝別れて私に彼をください〟とか書いてあったとか言う、あのメモ?
確か、1回見せてもらったわなぁ。
物持ちがええんやなぁ。まだ奥さん、持っていたんか」
と、驚いたとか。
慰謝料の話になると、
「ああ、ええでー。
5,000万円の貯金は全部やるでー。
家も、もともとうちの親が住んでいたところを建て直して、新築なんやけん、そこが住みやすいやろ。
アパート借りるんはお金かかるやろ? そこにずっと住んどったらええわ。
俺が出て行くけん、名義変えたるわ。
俺、離婚したら再々婚したい人がおるけん、その女の家で住むわ」
と言ったそうな。
それを聞いた彼女。
「めっちゃ悔しかった。
やっぱり二股男は、いつまでたっても二股男。
二股かけるような男の女癖っていうのは、死んで焼かれるまで直らないんや、と思ったわ」
と言う。
「でも、なかなか正々堂々としてるやん。
だって、離婚騒動だよ。
女がいるなんて言ったら不利じゃん。
でも、はっきり口に出していうなんて、さっぱりしているというか、ある意味、立派というか。
私驚いたし、見直すわぁ。
こそこそ隠している男とは大違い。立派!!」
と言ってしまった。
不謹慎だった(反省)
〝いつまでたっても二股男の女癖は直らない〟のには幻滅したけれど。
「もう愛してない」とはっきり言い切る彼女。
「8年の恋愛期間が楽だった」とも。
そうかもしれない。
結局、旦那さんも彼女に、妻としての「子育て能力」「家事能力」を求めていたわけじゃなかったんだ。
そういうのを求めていたら、1年くらいで結婚したはず。
8年間も付き合ってこられたということは、愛していたのではなく、「お互いの愛することへの比重が似ていて楽」だっただけなんだ。
求めていたのは、外で会うだけの愛人的な要素だけだったのね。
そういう男としての責任がとれない人は結婚してはいけないのかもしれない。
友人は、外でスーツを身にまとった旦那さんが素敵に思えた、とはっきり認める。
男の人っていうのは、家では全然違う人がいて幻滅するときがあるもの。
私にもそういう恋愛経験はある。
外で見たら颯爽とした感じなのに、家ではゴロゴロと昼近くまで寝ていたり、変な格好していたり…と、うんざりしてダメ。
家にいるときにまで背筋を伸ばしていろ…とは言わないけれど、だらけた姿だったり、家ではやたら短気になったりすると、うんざりするものね。
渡辺淳一氏が話していたように思う。
結婚相手には、学歴、職業と自分で考えて選ぶ。
しかし、不倫相手にはそういう選択肢はない。人を見てから選ぶ。つまり、人を好きになるだけ…。だから、不倫の恋は本当の恋である…と。
そんな発言だったように思う。
ちょっとオーバーかもしれないが。
8年と長い恋愛期間から結婚となって、バランスが崩れたのね。
旦那さんの方も、本当に愛していたら、1回もめただけでは別れないはず。
話し合いに入るだろうし。
だいたい、別れるときに女が男に「もう顔も見たくない、会いたくない」と言っても、男の側が愛していたら、絶対に、仕事帰りとか休みとかに会いに来て、話をするはず。
会いに来ない男は、口で「愛しているよ」とか言っていても、本当は愛してないのだ。
その辺も別れるときに、よーく観察していたら分かってしまう。
まあ、何はともあれ、半年近くかかるかと思っていたら、一回で離婚になって…。
話をしていたとき、ちょうど別の友達K子から電話がかかってきて、「ああ、○ちゃんが今来てるのよ」と言って替わったら…。
それが、また、おそろしい会話になってしまった。
電話が終わってから、
「K子のとこも、うちと同じだったんだってさ。
旦那が仕事が忙しいと言って来なくてね。
調停員が本当に、ぶち切れ。
一回で『もう離婚じゃ!』って叫んでさぁ、本当に離婚になっちゃったんだってさぁ。
K子のところは、3年間離婚していて、そのあと旦那の側から電話があって、復縁したんだってさぁ」
と彼女が笑う。
えーーーーぇ、そんなーーーーぁ、来なくて一回で離婚なんて、そんな調停があるんだ。
友達二人とも、同じパターンで???
私と彼女は、K子が今の旦那さんと離婚して、復縁していたことも知らなかったし。
彼女は「私は絶対に復縁はない。あ、そうか、もう、二股癖のあるうちの元旦那には女がいるんだったね」と元気に笑う。
ふっ切れたのね。芯の強い女は立ち直るのも早いからね。
5,000万円と新居をもらったら、少しは楽に暮らせるね、よかった。
子供もいないのだし、また自分に合った新しいパートナーを見つけたらいいと思う。
もう、驚いたの、なんのって!!!
人生は小説よりも奇かも。
このあとは、仕事関係の電話にFAXにと、ひっきりなし。
電話の多い日っていうのはなぜか続く。
なんだか、とっても疲れたよなぁ。
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