モテモテ

あまりの（貧相な）椿にがっかりしていたら、ひとりの女性が声をかけてきた。

「まだつぼみが固いから月末くらいかなぁ・・・」
「ほんとがっかりですよね～」
などとしばし雑談。

相棒がひとり梅園の方にいたので歩いていくと

「あ、こっち来て～」

と手招きする。
（招き女？）

『え、ええ・・』

「ここで写真撮ってくれる？」
（すでに友人になってるユカチ。）

パシャ

「あ、そうじゃなくって真ん中でもう一枚。真ん中のほうがええわ」
「今度はフラッシュ焚いてみよ～か」（フラッシュ焚くとかわらの備前焼はきれいですが、顔は色白真っ白で梅もこんな感じになります）



「あ、花まで真っ白じゃ、おえんな～もう一枚」
「う～ん、もう少し明るくいかんかなぁ」
（無理じゃて曇りじゃし）
とまぁこんな具合にこき使われて


どう？こんなので。
まるでモデル張りのポーズをする見知らぬ彼女。

きっと廻りは友人だと思っているに違いない。
だってどうみても同年代。


ぶつぶつ写したての写真をみて言うくせに、いざカメラを向けるやにこっと満面の笑顔。
ひょっとして元モデル？？


こんな調子で１０枚は撮らされたかな。


「あ、ちょっと待ってね」
傍らで待機していたカップルに愛想も忘れませんー彼女



で、ええかげん呆れた（飽きた）私は最後にトドメ

『あらあーステキ　　良い写真になったがぁ　』

これでノックアウト

「ありがと、じゃね」

とそそくさと立ち去る女Ａ。




そこへ最前からいるカップルの男性の方が

「あの～写してもらって良いですか？」




『・・・え、ええいいですとも～』