この季節になるといつも思い出す風景がある。
君は少し緊張して疲れた顔で、小さな声で「さよなら」と言った。けれどそれはいつもと同じのいつものあいさつ…だったはずだった。
けれどもあれから一度も君に会ってはいない。賢い大人達の賢明な判断で、僕たちはふたたび会うことを許されない。
それでもはじめはお互いがどこにいて、今何をしているかをちゃんと把握していた。
解っていても会わない方がよかったに違いない。けれどもいつか僕らは近くに存在しないことが普通になり、いつのまにか消息を失った。
風のうわさは…風のうわさでしかない。風はそれを知ってはいても、ちゃんとした言葉で伝えてはくれないから。
僕は今このインターネットの海に向けてビンにつめたメッセージを送ろうと思う。いつか遠い日、君の元に届くように。いくつもいくつもメッセージを流そう。それが君の手に届けられるまで。
君を捜し出すために。自分を捜し出すために。
いつの日か普通の顔して会えるように。
君は少し緊張して疲れた顔で、小さな声で「さよなら」と言った。けれどそれはいつもと同じのいつものあいさつ…だったはずだった。
けれどもあれから一度も君に会ってはいない。賢い大人達の賢明な判断で、僕たちはふたたび会うことを許されない。
それでもはじめはお互いがどこにいて、今何をしているかをちゃんと把握していた。
解っていても会わない方がよかったに違いない。けれどもいつか僕らは近くに存在しないことが普通になり、いつのまにか消息を失った。
風のうわさは…風のうわさでしかない。風はそれを知ってはいても、ちゃんとした言葉で伝えてはくれないから。
僕は今このインターネットの海に向けてビンにつめたメッセージを送ろうと思う。いつか遠い日、君の元に届くように。いくつもいくつもメッセージを流そう。それが君の手に届けられるまで。
君を捜し出すために。自分を捜し出すために。
いつの日か普通の顔して会えるように。