注目の新鋭監督による意欲作
日本画家として知られる四宮義俊監督が、8年の歳月をかけて練り上げた渾身の長編アニメーション作品が、2025年に公開されることが決定した。新海誠監督作品への参加経験を持つ四宮監督が、自身初となる長編アニメーション監督作品に挑戦する。
物語の核心：消えゆく伝統との対峙
創業330年の老舗花火工場・帯刀煙火店を舞台に、立ち退きという現代社会の荒波に揉まれながらも、伝統を守ろうとする若者たちの姿を描く。幻の花火"シュハリ"の完成を目指す次男・敬太郎（萩原利久）と、東京で新たな人生を模索する幼なじみのカオル（古川琴音）の物語は、現代日本が直面する伝統と革新の狭間での葛藤を象徴的に表現している。
注目の声優起用と国際的な評価
実力派若手俳優の萩原利久と古川琴音が声優初挑戦という新たな試みも話題を呼んでいる。また、第77回カンヌ国際映画祭のマルシェ・ドゥ・フィルムで注目作として選出され、フランスの「Miyu Productions」との国際共同製作という形で、すでに世界的な注目を集めている。
映像美への期待
特報映像からは、日本画家としての四宮監督の美意識が随所に感じられる。伝統的な日本家屋を改築した花火工場の佇まいや、月光に照らされた海中のシーンなど、日本画の伝統と現代アニメーションの技術が融合した独特の映像美が展開される。
現代に問いかける「伝統」の意味
本作は単なる青春ドラマを超えて、急速に変化する現代社会における伝統の価値、そして新しい表現方法での文化継承の可能性を問いかける意欲作となっている。2025年の公開に向けて、今後さらなる注目が集まることは間違いないだろう。
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