本年度最初のゆりのきセミナーが、9月7日(日)、第6回全体役員会に引き続いて開催されました。
今回のテーマは、「八王子市教育支援ボランティアセンターの活動」。3月まで緑が丘小学校長であった加藤敏夫さん(3A区26班)から、この4月に正式オープンした同センターの活動、学校とボランティア活動などについてお話しいただきました。
以下、加藤さんのお話を要約します。
◆時代の要請が教育ボランティアに結びつく
時代が変わり学校の運営も(親の世代のそれとは)大きく違ってきました。特に学校は、学力をつけることはもとより“生きる力” を子どもたちにつけることが市の要請として学校の課題となり、さらに学校ごとの特色ある教育が求められています。これを実現するには学校の力だけでは大きな困難が伴います。
一方で安全面の問題が全国的にいくつも発生して、学校のスタッフが危機意識をより強く持つことに加え、地域・学校が手を携えていく必要が生じています。こうした「時代の要請」が“教育ボランティア”に結びついて、市では数年前から始めていましたが、全市的に組織立って運営するために作られたのが「教育支援ボランティアセンター」です。
センターの活動としては、大きく分けて、ボランティアの募集・登録などの「人材の確保」、ボランティアの活動の場である学校への「人材情報の提供」、学校からの派遣要請とボランティアの「マッチング」とそれに基づく「派遣」、学校へのボランティア活用の「助言・指導」、ボランティア研修会など、多岐にわたります。
◆ボランティアは、「してあげる」ではなく「させていただく」
ボランティア研修会で講師をして頂いた伊藤涼子さんの強い印象を残した言葉に、「“してあげる”というボランティアの気持ちが相手に見透かされた」がありました。伊藤さんは高齢者のお宅に食事を届けるボランティアから始まりました。ある老人ホームの訪問で「してあげる」気持ちの間はパジャマ姿だった対象者が、「させて頂いている」と気付いたあとは着替えて待っていてくれた、というのです。気持ちが伝わるとはこういうことなのでしょう。
自然な気持ちで「自分でできることをする」のが大事なのです。またそうすることで「元気をもらった」とも言われました。
◆「係だからする」のではなく「自分から、自分にできること」を
昔からあったボランティア活動が日本で本格的に行われるようになったのは、1995年の阪神淡路大震災です。大勢のボランティアが被災地に集結したが、何をすれば約に立つか、何が求められているかが必ずしも伝わらない。コーディネーションがいかに大事かが分かったのです。また、義務的要素を持つ場合がある従来からの奉仕活動との違いも出てきます。
日本とアメリカの違いについてこのように書かれていました。学校ではクラスの中でいろいろな係を作って児童に役割を持たせています。「○○係さんお願いします」などと伝えるのですが、アメリカの場合は違うのだそうです。「○○をしてくれる人!」と声をかけて、まさにボイランティアを募るのです。係すなわち役なのですが、係以外の人は「それは係の仕事」と思うから自分ですることはない。PTAの役員の人が「募集しても来てくれない」とぼやくので、「役員でなかった時にあなたはどうしたか?」と尋ねたら、「係でないから来なかった」との答えでした。
多くの人が支援に集まったグラウンド・ゼロで、そうした活動をしているボランティアや消防士、警察官に料理を無償で提供していたレストランの経営者は、これが自分にできるボランティア活動だと言ったそうです。係としての役割があるから(仕方なく)するのと、役であろうとなかろうと自分から自分のできることを進んでするのとの違いを感じます。
◆「どこでもできる」ボランティアを募集中
現在、人材登録には特定の学校での活動を目的とする場合と、全市「どこでも」という登録との二つがありますが、登録が多い学校とそうでない学校との地域による人材の集まり方に格差があります。ボランティアセンターとしては「どこでも」できる人を増やして登録の少ない学校をより支援したいのです。
4月以来29件のボランティア派遣要請がありました。小学校では特別支援の必要な児童への補助やPTA活動や文化祭などイベントの手伝いがあり、中学校では英数を中心とした学習支援、外国語の通訳、文化庁の行事での舞台設営や営繕
など専門的なものが求められています。
登録は、音楽、昔遊び、パソコン、ギター、剪定、外国語、国際理解など広い分野にわたっています。
ボランティア募集のチラシを13,000枚作って学校経由などで配布していますが、もっと多くの方に参加して頂きたいと思います。ゆりのき台からもぜひ登録をお願いします。
今回のテーマは、「八王子市教育支援ボランティアセンターの活動」。3月まで緑が丘小学校長であった加藤敏夫さん(3A区26班)から、この4月に正式オープンした同センターの活動、学校とボランティア活動などについてお話しいただきました。
以下、加藤さんのお話を要約します。
◆時代の要請が教育ボランティアに結びつく
時代が変わり学校の運営も(親の世代のそれとは)大きく違ってきました。特に学校は、学力をつけることはもとより“生きる力” を子どもたちにつけることが市の要請として学校の課題となり、さらに学校ごとの特色ある教育が求められています。これを実現するには学校の力だけでは大きな困難が伴います。
一方で安全面の問題が全国的にいくつも発生して、学校のスタッフが危機意識をより強く持つことに加え、地域・学校が手を携えていく必要が生じています。こうした「時代の要請」が“教育ボランティア”に結びついて、市では数年前から始めていましたが、全市的に組織立って運営するために作られたのが「教育支援ボランティアセンター」です。
センターの活動としては、大きく分けて、ボランティアの募集・登録などの「人材の確保」、ボランティアの活動の場である学校への「人材情報の提供」、学校からの派遣要請とボランティアの「マッチング」とそれに基づく「派遣」、学校へのボランティア活用の「助言・指導」、ボランティア研修会など、多岐にわたります。
◆ボランティアは、「してあげる」ではなく「させていただく」
ボランティア研修会で講師をして頂いた伊藤涼子さんの強い印象を残した言葉に、「“してあげる”というボランティアの気持ちが相手に見透かされた」がありました。伊藤さんは高齢者のお宅に食事を届けるボランティアから始まりました。ある老人ホームの訪問で「してあげる」気持ちの間はパジャマ姿だった対象者が、「させて頂いている」と気付いたあとは着替えて待っていてくれた、というのです。気持ちが伝わるとはこういうことなのでしょう。
自然な気持ちで「自分でできることをする」のが大事なのです。またそうすることで「元気をもらった」とも言われました。
◆「係だからする」のではなく「自分から、自分にできること」を
昔からあったボランティア活動が日本で本格的に行われるようになったのは、1995年の阪神淡路大震災です。大勢のボランティアが被災地に集結したが、何をすれば約に立つか、何が求められているかが必ずしも伝わらない。コーディネーションがいかに大事かが分かったのです。また、義務的要素を持つ場合がある従来からの奉仕活動との違いも出てきます。
日本とアメリカの違いについてこのように書かれていました。学校ではクラスの中でいろいろな係を作って児童に役割を持たせています。「○○係さんお願いします」などと伝えるのですが、アメリカの場合は違うのだそうです。「○○をしてくれる人!」と声をかけて、まさにボイランティアを募るのです。係すなわち役なのですが、係以外の人は「それは係の仕事」と思うから自分ですることはない。PTAの役員の人が「募集しても来てくれない」とぼやくので、「役員でなかった時にあなたはどうしたか?」と尋ねたら、「係でないから来なかった」との答えでした。
多くの人が支援に集まったグラウンド・ゼロで、そうした活動をしているボランティアや消防士、警察官に料理を無償で提供していたレストランの経営者は、これが自分にできるボランティア活動だと言ったそうです。係としての役割があるから(仕方なく)するのと、役であろうとなかろうと自分から自分のできることを進んでするのとの違いを感じます。
◆「どこでもできる」ボランティアを募集中
現在、人材登録には特定の学校での活動を目的とする場合と、全市「どこでも」という登録との二つがありますが、登録が多い学校とそうでない学校との地域による人材の集まり方に格差があります。ボランティアセンターとしては「どこでも」できる人を増やして登録の少ない学校をより支援したいのです。
4月以来29件のボランティア派遣要請がありました。小学校では特別支援の必要な児童への補助やPTA活動や文化祭などイベントの手伝いがあり、中学校では英数を中心とした学習支援、外国語の通訳、文化庁の行事での舞台設営や営繕
など専門的なものが求められています。
登録は、音楽、昔遊び、パソコン、ギター、剪定、外国語、国際理解など広い分野にわたっています。
ボランティア募集のチラシを13,000枚作って学校経由などで配布していますが、もっと多くの方に参加して頂きたいと思います。ゆりのき台からもぜひ登録をお願いします。
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