大きな窯を過ぎたら視界が開けて、桜が見える。右に一本、左に一本。木のところまで来ると下に街が広がった。(あのへん、うちだ!)細長い石の台。座って景色にふう、とひと息ついたらさあ、と立ち上がり、連れは土を耕し花を植える。絵描きは、ここで絵を描く。時々鳥が鳴き、風が吹き、連れの声がして――花がしぼむころ描けた。ちょうどいもが焼けたと持ってきてくれた。今度はしっかりと腰下ろして、食べる。楽しかった。鍋の中、つまみに代わったいも半分ずつ