yuzuの記

優しい風に誘われて

湖東の夕景

2019-09-02 16:15:34 | つれづれ

 

 

 夏が行こうとしています。

琵琶湖の湖東の夕景は今日も穏やかですよ。

私の母は琵琶湖の景色がとても好きでした。

琵琶湖を愛し、

三井寺を愛し、

ミシガンを愛し

何度もこの湖畔に立ったものでしたね。

 

夕暮れ時は人をセンチにするもののようで

北原白秋の他と我という詩が思い出されます。

 

ふたりで居たれどまだ淋し

ひとりになったらなお淋し

しんじつ二人はやるせなし

しんじつ一人は堪えがたし

 

カナ使いの詩ですが読みやすくひらかな使いにしました。

 

 

 

この湖畔沿いには大きめの蓮が

たくさん咲いていますよ。

黄泉の国に続いて行くでしょうか。

 

 

 もうあまり残された時間は少ないと

母と暮らすべく仕事を辞めて実家に帰ると

もう耐久年数を越えてしまった築100年以上の実家を

解体する仕事が待っていました。

お兄さん なんでこんな事を残して逝ったの・・・

なにやら笑顔も戻り楽しそうな母も

長年住んだ実家の解体を目にするときは寂しそうでしたね。

兄に先立たれて気力を無くした日々が

接触の悪い電気のように

消えたり戻ったりしているようで

母が寝入った後に不安と寂しさが襲ってきたものでした。

上の白秋の詩は勝手な私の解釈では

おそらくは隣の人妻と恋仲になって

世間や文壇から人望を失墜させながら

それでもその女性と結婚し

やがて生活苦から翌年には別れてしまった白秋の

男女の情愛がベースにあったのでは・・・と思ったりします。

 

30年ぶりに実家に帰り母との生活が始まると

母がオペだらけの体を負けん気で支えながら

待っていたのだな・・・頑張ったんだな・・・と

その寝顔に切なくなったものです。

母とふたりになったけれど

そう遠くないうちにまた一人になる日がやってくる。

1日1日を両手でくるむように

大事に過ごそう・・・

毎日 痛いところを全部聞いてあげよう・・・

大丈夫 私がいるよと安心させよう。

白秋の想いとは角度が違うけれど

ふたりで居ても隙間から襲ってくる寂しさは

ひとりになってからの凍てついた寂しさよりは

まだ体温があるようでましだったなあ・・・

 

そんな事を思っていましたね。

 

 

湖東の湖にさざ波が立って

無事、今年の夏も乗り越えましたよ。

あなたの娘は元気に過ごしていますよ・・・と

 

 


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2 コメント

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Unknown (グライセン)
2019-09-02 18:59:30
しんみり・・・
素敵な記事でした・・・
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こんばんは~ ^-^ (yuzu)
2019-09-02 20:18:28
グライセンさん こんばんは~ ^-^

読んでいただいてありがとうございますm(__)m

越えてきたようでも何かの折には
ふと 母の永き不在が実感されて
不詳の娘はごめんなさいばかりです 苦笑
返信する

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