予選から波乱が続き、大阪桐蔭・智弁和歌山・明徳義塾の「高校野球のプロ」ともいえる超常連のいない大会が、慶應の優勝で幕を閉じた。
悲願校番付を更新した。大きな変動は無かったが、駿台甲府が一気に三役目前までランクアップし、富士学苑・帝京三に続き上位に山梨県勢が三校もいることになった。
出場校数が少なく、元々は公立優位の土壌に三、四十年ほど前から複数の私学勢が強豪化し、その中から二強が抜け出し絶対的強さを持つようになる、という特色がこの状況を生んでいるのかもしれない。
高知や福井も近い状態に思えるが、高知は今年高知中央が明徳義塾・高知の絶対的二強を破り甲子園出場を果たしたし、福井は敦賀気比・福井工大福井が強いが今年の北陸や啓新も数年前に選抜出場している。奈良もやや近いが奈良大付が甲子園に出ているし、他にあと一歩まで来ているチームがあまりない。
今大会の結果を見ると悲願校や無名校のチャンスも今後かなり広がるような気もするし、逆に来春以降はまた初出場校が0になるなど常連校が席巻しそうな気もする。
ただやはりあと一歩で逃し続けているチームは、やはり監督の采配もその要因として大きいと感じる。ある地方大会の決勝・延長タイブレークで、負けたチーム(※)が1点ビハインド、1死満塁で取った作戦はスクイズ。結果失敗。バントが得意なチームではあったようだが、決して打てないチームではなかった。ここはやはり、サヨナラのチャンス、一気に決めに行かないといけない場面だったと思う。負けていて攻撃しているチャレンジャーが守りに入っては勝てない、とそう感じた。
※…平成以降に甲子園出場しているので、ここで定める悲願校ではないが、近年常連校に何度も甲子園行きを阻まれている強豪校。