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札幌・円山生活日記

歴史薫る古き佳き町「増毛」散策~北竜町ひまわりの里&増毛散策バスツアー(後編)~

歴史あふれるかつての終着駅の町「増毛」。国の重要文化財に指定される豪商・丸一本間家の建物群などニシンの豊漁に沸いた明治・大正・昭和の建物が残ります。また高倉健さん主演映画駅 STATIONの舞台の一つとなり旅情漂う街並みの景観も散策に人気です。国内最北の造り酒屋・国稀酒造では試飲も楽しめます。歴史が薫る古き佳き町です。

本日は阪急交通社のバスツアーで「増毛散策」です。【札幌駅発】〔留萌〕ウニ・甘エビ・ホタテの三色丼のご昼食と北竜町ひまわりの里・増毛散策(日帰り)という長い名前のツアーの後編です。前編での「北竜町ひまわりの里」訪問の後に昼食を挟んで「増毛」に到着です。

バスツアーは「札幌駅北口バス駐車場」→「北竜町ひまわりの里」→「留萌・丸喜」(昼食)→「増毛町」(自由散策/60分)→オロロンライン→「佐藤水産サーモンファクトリー」(40分)→「札幌駅北口バス駐車場」という予定です。



「北竜町ひまわりの里」では約23haの広大な敷地に咲く日本最大級という約200万本の満開のヒマワリを楽しみました。


「増毛」ではバスは「国稀酒造」の駐車場に停車。

市街地では国内最北の造り酒屋でもあるという「国稀酒造」の歴史を感じる看板。再集合の際に戻ってくるので増毛の街を先に散策します。

「旧商家丸一本間家」。明治10〜30年代に建てられた国指定の重要文化財。

本間家は「丸一本間」の屋号で、呉服商に始まりニシン漁の網元、海運業、酒造業など時代とともに多岐にわたり事業を展開。「天塩国随一の豪商」と呼ばれたそうです。現存する店鋪や居宅部を含む広大な建物の内部を見学できるようになっています(入館料:一般400円)。

呉服商の店舗部分。
居宅部分の仏間。
奥帳場の明かり採り。電灯のなかった時代に遅くまで帳場の仕事ができるよう設けられた天井窓です。
上勝手。家人などが食事をした囲炉裏端です。
豪華な客間。
夏用のすだれと欄間。
居宅部分の中庭です。贅を尽くした豪商を偲ばせる建物です。滞在時間の制限がなければもっと時間を費やしたいと思える見応えのある場所でした。

「千石蔵」。大正以前は旧増毛港の漁具保管蔵、大正以降はニシン粕保管倉庫。現在は「国稀酒造」の所有で内部は無料公開されています。
大きなニシン船やニシン漁の資料などが展示されています。
大漁のニシン船の写真。
「志満川(しまかわ)食堂」。明治25年に建てられた和洋折衷の建物。


かつては「旧小林廻船問屋店舗兼住宅」で表通りに面した店舗裏に住宅があります。この玄関は家族の出入りに使っているところで立派な飾りがあります。
その敷地脇の「津軽藩増毛勤番越年陣屋跡」の表示。

「旧増毛館」。大正年間創業の老舗旅館で建物は昭和7年に建てられた洋風建築。
「旧増毛駅」。大正10年(1921年)に開通した深川と増毛を結ぶJR留萌本線の終着駅。鰊場で栄えた最盛期には人や貨物の輸送の拠点として大いに賑わったそうです。
「増毛駅」は平成28年(2016年)12月4日に廃線。現在は開通当時の駅舎に復元整備され売店や公衆トイレ、駐車場なども整備されています。

「旧増毛駅」前の「旧富田屋旅館」と「旧多田商店(観光案内所)」。

「旧富田屋旅館」は昭和8年(1933年)に建築された木造三階建ての駅前旅館。昭和50年代前半に営業を終了した後も所有者が一般住宅として平成30年(2018年)5月まで居住していたそうです。管理が大変だったでしょう。

「旧多田商店(観光案内所)」は同じく昭和8年(1933年)に建てられた駅前の食料・雑貨店。現在は観光案内所となっています。
映画『駅 STATION』で掲げられた看板「風待食堂」の看板がそのままです。映画では高倉健さん扮する刑事・三上英次の実家という設定だったそうです。
内部には映画『駅 STATION』で倍賞千恵子さん扮する柳田桐子が女手一つで切り盛りする居酒屋「桐子」のセットが残されています。
映画『駅 STATION』のスチール写真と健さん。
「増毛駅記念入場券(硬券)」も販売していました。

「増毛厳島神社」。宝永年間(1704年-1711年)松前氏より采地とし増毛地域を賜った家臣・下国兵太夫に代わって運上所を設けた松前の商人・村山伝兵衛が守護神として厳島神社を祀ったのがはじまりとか。
1901年(明治34年)に落成したという総ケヤキ造りの拝殿(本殿)。見事な朱塗です。
拝殿正面の入念に創られた彫刻。
拝殿天井には雲龍の天井絵ほか装飾も鮮やかです。


増毛の歴史を見守ってきた狛犬。

「増毛厳島神社」のある高台から増毛港をのぞみます。

増毛灯台も見えます。

最後に「國稀酒造」です。「天塩国随一の豪商」本間家の初代・本間泰蔵氏が明治15年(1882年)に創業した造り酒屋で創業から20年間は旧本店(現「旧商家丸一本間家」)敷地内で醸造、需要拡大に伴い明治35年(1902年)に現在の酒蔵を建設したそうです。
主力商品「清酒国稀」は現在も伝統の味を守り造り続けられています。
酒蔵では酒造りの道具や酒器などを展示している資料館や全16銘柄が試飲できるというコーナーなどがあります。
「増毛駅」を模したユーモア駅名板がありました。
店内の一角には近くの農園のサクランボ(紅てまり)が置かれていました(無人販売)。「訳あり」ということで約500gで500円!多少の凹み・スレ等はありましが大変美味しくいただきました。

「増毛」から「佐藤水産サーモンファクトリー」へ向かう途中に休憩で立ち寄った道の駅石狩「あいろーど厚田」。

国道231号線(通称:オロロンライン)沿いに立つ道の駅石狩「あいろーど厚田」の最上階の展望フロアは日本海を一望する絶景スポットと宣伝しているほか1階~2階の物販店や資料展示などがあり、もっと時間が欲しい場所でした。
「佐藤水産サーモンファクトリー」。40分も費やす必要は無く皆さん20分~30分ほどでバスに戻ってこられました。その分「あいろーど厚田」で時間を使った方が有意義だったと思われます。
予定の17時30分よりかなり早めに「札幌駅北口バス駐車場」に戻ってきました。お疲れ様でした。今回のバスツアーの総括ですが訪問地の「北竜町ひまわりの里」も「増毛散策」も見応えがあり大変結構でした。ただ前編でも書いたように昼食が致命的!仮に【HOKKAIDO LOVE!割】が適用になっていたとしてもCPバランスの悪さは否めません。阪急交通社のバスツアーは今後良く吟味することにします。勉強になりました。繰り返しになりますが「北竜町ひまわりの里」も「増毛散策」も大変良いところでした。ありがとうございます。

【増毛観光情報局】
運営増毛町観光協会
事務局〒077-0292 北海道増毛郡増毛町弁天町3丁目61番地 増毛町役場商工観光課内
電話番号0164-53-3332
FAX0164-53-2348
mailkanko@town.mashike.hokkaido.jp
(2023.8.6)




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