鍼灸師「おおしたさん」のブログです

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母乳に服薬の影響はほとんどないそうです

2009年11月21日 | 安産・逆子

先週の続きです



母乳でお子さんを育てていると、お薬を使うのが心配になるもの…

お薬を飲むために母乳育児をやめるのなら、そっちの方が不利益が大きいとの事です。

もちろん母乳に影響が大きいお薬もあるので、体調を崩しやすいこれからの時期、よ~く調べてお薬を使ってみてくださいね。


 ◇授乳中止の不利益多く わずかに禁忌薬も

 

 静岡県に住み、2児を育てる主婦(29)は今年7月、風邪をひいて近所のかかりつけの内科医を受診した。生後5カ月の長女に授乳中であることを告げると、医師にこう言われた。「薬は飲んでもいいけど、おっぱいはやめてください」

 長女は完全母乳で育てていて、離乳食も始めていなかった。「38度の発熱があってつらく、早く治したいけれど、おっぱいは簡単にはやめたくない。困りました」。悩んだあげく、出産した産科医院に電話で相談。薬の名前を伝えて調べてもらうと、赤ちゃんに問題のない薬だと分かった。授乳しながら処方された4日分をすべて服用し順調に回復した。

 長男(3)の授乳中も、似たような経験が何度かあったという。主婦は「授乳中と言うと、医師に嫌な顔をされたり、やめるよう遠回しに促されることもあった」と振り返る。

   ◇  ◇

 授乳育児中の急な病気やけが、歯の治療や既往症で、一時的または長期の薬の服用が必要になったとき、悩む母親は多い。薬の添付文書で、授乳中は投与を避けるか、授乳を中止するよう書いてあることが多いうえ、医師に授乳をやめるよう勧められることもあるからだ。

 石井第一産科婦人科クリニック(浜松市)の石井広重院長は「確かに、母親が飲んだほとんどの薬は母乳に移行するが、微々たる量で赤ちゃんに影響しないことがほとんど。母乳を中止する不利益の方が大きいことが多い」と話す。

 母乳は、乳房にある乳腺で、母親の血液から作られる。母親が薬を飲むと、その成分が血液に乗って乳腺に届く。石井さんによると、原則的に、母乳に分泌される薬は母親が飲んだ量の1%以下だ。一般的には、母親が飲んだ量の10%以下なら、乳児には安全と考えられている。石井さんは「母親に処方されるほとんどの薬は、赤ちゃんが病気になったときにも使われる。赤ちゃんに処方される量より、母乳に分泌される量は格段に少ない」とも指摘する。

 抗がん剤や代謝拮抗(きっこう)薬、放射性医薬品など、蓄積性があったり、毒性が強いなどの理由で授乳中に服用してはいけない薬もわずかにある。ただし、半減期が短い診断用薬剤など、一時的に授乳を中断し、その後再開できるものもある。

   ◇  ◇

 近年の研究で、母乳は優れた免疫成分と個々の赤ちゃんに最適の栄養を含み、母子間の愛情をはぐくむうえでも重要な役割を果たすことが分かってきた。乳がん、子宮体がん、卵巣がんの罹患(りかん)率が低下するなど、母親にとっても多くのメリットがある。一方、授乳を急にやめると、母親の胸が張って乳腺炎につながることもある。

 石井さんは「医師は、薬をやめるデメリットを理解していても、授乳をやめるデメリットは理解していないことが多い」と指摘する。

 実際の症例では、個々の症状や体質によっても判断が異なってくる。医師に相談するときは、「母乳を続けたい」という希望をはっきりと伝えることや、母乳育児に理解のある医師を選ぶことも大切だ。世界保健機関(WHO)とユニセフは、母子同室など母乳育児の環境を整えた産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」として認定しており、「日本母乳の会」が、国内のBFH61施設をホームページ(http://www.bonyuweb.com/)で紹介している。

 石井さんは昨年12月、妊娠中と授乳中それぞれの薬の使い方について、国内外の文献やデータベースを調べた内容を小冊子にまとめた。クリニックで出産した母親に渡し、薬が必要なとき主治医に見せるよう勧めている。1冊200円。問い合わせは同クリニック(電話053・586・6166)。

 また、国立成育医療センター(東京都世田谷区)内の「妊娠と薬情報センター」でも、ホームページ(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/)に「授乳と薬について」のコーナーを設け、授乳中でも通常安心して服用できる薬と使用できない薬の代表例を一覧で紹介している。【須田桃子】

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 ■授乳中に使用してはいけない薬剤の代表例(抗がん剤を除く)

成分名       分類

(代表的な商品名)

アミオダロン    強心薬、抗不整脈薬、抗狭心症薬
(アンカロン)

エルゴタミン    片頭痛治療薬
(カフェルゴット)

ダナゾール     排卵誘発薬、子宮内膜症治療薬など
(ボンゾール)

ダントロレン    抗めまい薬、筋緊張緩和薬など
(ダントリウム)

ネビラピン     抗ウイルス薬
(ビラミューン)

バルガンシクロビル 抗ウイルス薬
(バリキサ)

ミコフェノール酸  抗リウマチ薬、免疫

モフェチル     抑制薬
(セルセプト)

メトロニダゾール  抗真菌薬、抗原虫薬、駆虫薬
(フラジール)

モルヒネ(同)   麻薬

ラミブジン     抗ウイルス薬
(エピビル)

※国立成育医療センター「妊娠と薬情報センター」ホームページより抜粋
  授乳と薬についてhttp://www.ncchd.go.jp/kusuri/junyuu2.html


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