鍼灸師「おおしたさん」のブログです

東京都港区南青山で開業20年 / 6月から広島に帰る予定です

今日も一日良い日になりますように

2023年11月27日 | 考えていることとか思っていることとか
1週間の始まりの日、始発電車で待つ人をなんとはなしに眺めていたら、前に書いたこのブログのことを思い出しました。

【2023年9月のブログから】
早朝のこの時間に会う人は限られる。なので皆の動線は分かっている。私がプラットフォームに到着する時間、すでに缶コーヒーを飲みたたずむ男性は、必ず始発電車をやり過ごす。車内で必ず何某かの週刊誌を読んでいる女性も印象的だし、下車駅一つ前の駅の到着に合わせて毎回同じタイミングで席を立ち、到着駅で必ず一番に出る男性もそうだ、かれこれ1年以上ご一緒している人が何人もいる。もちろん話をしたことは無いがもはや同志、その動線を妨げないよう細心の注意を払うようにしている。

今日も一日良い日になりますように

今朝の始発電車もプラットホームにはいつものメンバー。もちろん話すどころかその素性を知る由もない。だが毎日会うものだからつい「今日も頑張ろうね!」といった気持ちになってしまう。

1年前のヴィパッサナー瞑想で得た教訓は、anicca(無常)present moment(今この瞬間)、そしてcompassion(慈悲)の三つ。以下のブログに書いたが、少し解説すれば、aniccaは諸行無常の事で「全てのものは生まれては必ず消えていく」という事。嬉しい事も悲しい全ては無常、終わりがあるといった意味だと解釈している。present moment は「今この一瞬」という意味。過去に囚われ未来に囚われるから不安になってしまう。とにかく今だけに集中すれば、不安が湧き起こる暇も無いといった感じか。最後のcompassion は慈悲の事。「生きとし生けるものが幸せでありますように」という他者への眼差しだが、これは自分も含まれる。だから人への励ましは自分を鼓舞する事にもつながるわけだ。

今朝、始発電車を待つあいだ、人への感謝や慈悲を意味する compassion が頭に浮かんだ。そしてアドラーの「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」「所属感」の四つで構成される「共同体感覚」も。この共同体感覚の中でも特に「他者貢献」への意識は自らを強くし慈悲へと導く。最近思うのがこの感覚を持つ「与える人」の強さについてだ。他者を生かす事で自分も生きるといった利他の意識、ここへの意識が強い人に、不安の入る余地はないのだろう。

そんな「利他」を実践する人が周りに多くいるのに実践できなこの私、そんな人を前に、人は人、自分は自分と思おうとしても、ふとした瞬間に妬ましく思っている自分に出くわす。うん、いまだに出くわしてしまうのだ、これだけブログに良さげな事を書いていてもだ、情けないったらありゃしない。でもそんな時、心の中から道ゆく人に「今日も一日良い日になりますように」と言えば、幾らか心が安らかになる。神社通いが続いていた時だなんて、神様に向かって「神様も今日も一日良い日になるようお祈りしますね!」とか、なんと上から目線だったのだろうと思ったりもするが、これがなかなかに自分を楽にしてくれるので、小心者のおおしたが顔を出した時は、すかさずこの言葉を唱えるようにしている。

生きていれば、気もちの落ちる時がある。そうでない輩がいるとすれば、それは特に何の心配も無いのに「じゃあ死ぬね、バイバイ!」って手首を掻っ切れる人だろう。不安があって当たり前、世に生きるとはそういう事だ。そんな自分だからこそ、不安の傷口できるだけ深くえぐらないようにしなければいけない。そのための「他者貢献」であり「利他」であり「慈悲」なのだと思う。他者と共に生きるしかない私たち、少しでも嫌いな人を減らし、嫌われる事を減らし、ずるい人から遠ざかるために、誰彼構わず「今日も一日良い日になりますように」はとても良いように思っている。

【2022年10月のブログから】
キーワードを3つに絞ることで普段でも思い出せます。
さすがになかなか上手くはいきませんが、それでも意識するのとしないのとでは大違いです。
そのあたりの学びをどう昇華するか、忘れない程度にぼちぼちやっていこうかと思っています。



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