itfarmのイチオシコラム

itfarmとは『伊藤農園』の事。米と園芸の他、農業以外に映像と花火、日々の面白い事を長文で呟いていきます!

ポップコーンはポップコーン

2021-08-26 10:25:00 | 日記
その昔、地元のあるイベントで、

「何か匂いの出るモノを出して欲しい」

との依頼があり、


匂い…

ニンニク?

って、初年度、近所の農家さんから大量に新ニンニクを仕入れて、ニンニクの素揚げ(与板越の塩付き)を出品したら、

『食べたいけど、明日仕事だから無理』って人が多くて、ほとんど売れなかったあの日…

なぜ日曜にそれをやろうと思った?

そして、子どもたちは寄り付かない店舗として有名になったあの日…

なぜ子どもの多いイベントに酒のツマミのようなものを出した?


悩む日々、
他に何かあるのか?

匂いの出るもの…
子どもたちが喜ぶもの…


お!


そうか!
俺はトウモロコシを作るんだから、ポップコーンを作ってみようではないか!

ふと思い付いた春、
Amazonで取り寄せたポップコーンの種『イエローポップ』がその始まりでした。





ところで、ポップコーンって、トウモロコシから出来ているのはみんな知ってると思いますが、原料のトウモロコシは何を使ってるかわかります?

これ、知らない人、意外と多いんです。

トウモロコシを乾燥させたモノを油で揚げてると思ってる人が多いんです。


実際のポップコーンは、
これ↓


見るからに違うと思いません?

そう、見るからに硬い。
ガッチガチなんです。

つまり、ポップコーンは、ポップコーンという品種なんです。

普段皆さんが食べてるのは、
スイートコーン↓

普段食べてるトウモロコシ。
色が白くても、スイートコーンと言って、日本語だと『甘味種』と言います。


ポップコーンは、


硬くてそのまま食べられない、日本語で『爆裂種』と言います。

この他にデントコーンやフリントコーンという、いわゆる『飼料用種』があります。


今回、紹介するのは、
『ポップコーン』

地元の子供達に美味しくて為になる食育と、会場を良い匂いにする為に狙った、ポップコーンを作る事になりました。

当然、花粉飛散の関係から、ホワイトレディの近くでは作れないので、遠く離れた圃場で栽培しました。


スイートコーンに比べ、はるかに大きい植物体で、背丈は2メートルを軽く超えます。
そのくせ、付ける実は細くて小さい。

スイートコーンの時は間引いて、一本一本のトウモロコシにして、間引いたのは、ヤングコーンとして出しますが、ポップコーンは間引いても食べる事が難しいくらい不味いので、一本の木から大体2本収穫します。

やはり、トウモロコシの天敵、アワノメイガはポップコーンにも健在で、防除はそれなりに必要となります。

作り始めた初年度は、誰も周りに作ってる人が居ないので、収穫時期だとか、栽培中、収穫後の管理なんて全く分からない状態でした。




やべ!枯れてきた!って、急いで取ったら、中途半端にみずみずしい半生のポップコーンが取れ、試しに炒めてみたら、

プツッ、プツッって、見た事ない超小さいポップコーンが出来上がって、明らかに失敗でした。

すぐに乾燥が足らないと理解して、皮を剥いて天日干し。



よく乾燥させて、粒を剥いて



再度、フライパンで炒めると!

ポンっ!ポンっ!って大きく弾け飛び、急いでフタを閉じたら、ズバババ…!って一気に増えて、


無事、立派なポップコーンが完成しました!

あ、ちなみに、
ポップコーンにも2種類あって、
エヴァの使徒みたいになるのが、
バタフライ型



エヴァの丸い使徒みたいになるのが、
マッシュルーム型と言います。


俺の作ってるイエローポップは、

エヴァの使徒みたいになる(もういいよ!)バタフライ型になります。

これも好みはあると思いますので、どちらが美味いとかは無いです。

つぶあん、こしあんみたいなもんです。

で、2年位、試験栽培をして、作り方を独学で学んで完成したのが、





与板産ポップコーン!

スーパーとかでたまに売ってるアメリカ産のやっすいポップコーンとは味の濃さと香りが違うのがハッキリわかります!

で、いよいよイベントデビューしたんですが、当初はカセットコンロでフライパンを使って一個一個作ってたら、お客さんを待たせすぎて、非常に効率が悪くて金になりませんでした。

そんな時、地元与板の農家仲間から、仲間でポップコーンマシーンを買おうと話があり、若手農家グループで購入しました!



これがまた、ガンガン製造出来て、面白い位の量が作れました!

塩味でシンプルに、しかも格安一袋100円で売ったらガンガン売れて、子どもたちも喜んで、これはいい!となりました!

が、

いっくら売っても、あんまりお金にならない。100円だから。

うーん…もっと高く売れる、しかも美味しい何かいい方法は無いかと、映画を観に行って、何気に頼んだキャラメルポップコーン。

ん?
これで良いんじゃない?

何気に行ったディズニーランドで、そこらじゅうから香ってくるキャラメルの匂い。

これでいいんじゃない?

で、
業務用キャラメルフレーバーを使ったら、


与板名物、キャラメルポップコーンが出来あがりました!

苦節5年。
ようやくポップコーンで売り上げが経費を上回り、商売として成り立ちました。

いまや、イベントでは欠かせない1つとして愛されるようになりました。

そんな時、

『ウチでもポップコーン作りたいなぁ…』
という声から、




ポップコーン種として販売も開始!

これも好評で、キャラメルポップコーンとセットで買って下さるお客様の多い事。

家で子どもが喜ぶと嬉しい報告も!

農業で、子どもたちが楽しく学んで、美味しく食べられるモノとして、ふと思い付いたポップコーン。
そして、イベントには欠かせない一つとなりました。

しかし…


定番となりつつあったけど、コロナの影響でイベント皆無の影響が出て、出どころを失って大量の在庫が。

悲しいけど、それが現実。

そんなタイミングでこのブログを始めて、しかもマルシェルという販売ツールもあるという神がかりな展開!

その評判のポップコーン種を今後、マルシェルでも販売しようと思います!
気になる方はショップをチェックしてみて下さい(^^)



「オイシイヨ」ってポップコーンを文字で残してみました!

が、「オイシイコ」という風に読まれてる事も!

どうでもいい締めとなりました。




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