itfarmのイチオシコラム

itfarmとは『伊藤農園』の事。米と園芸の他、農業以外に映像と花火、日々の面白い事を長文で呟いていきます!

もち米『こがねもち』の籾摺り

2021-09-11 17:45:00 | 日記
もち米の稲刈りが終了し、籾摺りと選別作業が始まりました!


と、その前に。

こがねもちとは、どんな米か紹介します!



餅になります!
(超シンプル!)




いや、もち米は数あるんですけど、こがねもちは、純粋に餅に食べるのが美味いんです!
他にも我が家では『わたぼうし』というもち米も生産しておりますが、ほとんどが某有名製菓会社の原料に使われていますが、こがねもちは餅用に出荷します。

それでは、籾摺り、選別作業を見ていきましょう!


まず、刈り取られた米は、乾燥機にて適正な水分量まで乾燥させます。

それを調整機と呼ばれる、米を皮むいたり、ある程度ザックリ良いものと悪いものを分ける機械にかけていきます。



ガサガサと上下左右に振動をかけて、分けていきます。

それが今度は網目をかけて、未熟な米と大きさがしっかりした米にふるいをかけます。


網目から漏れた米は、それを専門に引き取る業者へ行きます。




そこを通り抜けた米は、さらに細かく、良いものと悪いものを分ける、色彩選別機、いわゆる『色選』にかけていきます。


異物や虫被害の米を一瞬で仕分けるこの機械。
200万位します。
それでも、綺麗な米だけをお客さんに届ける為に必要な設備であります。




そして、完全に仕分けられた綺麗な米が、袋に詰められていきます。
これも自動で30キロずつ袋に入ります!



そして、出来上がった30キロの米袋の口を縛り、パタンと倒すと…




機械が手元まで持ち上げてくれます。

これは地面から持ち上げる腰の負担を少なくする『楽だ君』という便利な機械になります。

ちなみに、我が家ではこれが2台目。
1台目は子どもたちが遊んで上に乗って持ち上げられてたところ、モーターから白煙を上げて壊れました。

35キロまで持ち上げる所、ウチの双子が同時に乗って壊しました。

子どもたちが大人になって給料もらうようになったら、請求しようと思います。

そんな、稲刈りから何工程も経て皆さんの所へお届けになります。


米という字を分解すると、八十八になりますが、米作りには88回の行程で作られる事からこうなったという説がありますが、現代農業では、昔に比べて機械化で便利になった分、88回以上の手間をかけてるかもしれませんね。

現在、全国的に米が余って、価格は暴落しておりますが、米農家はそれ以上に経費をかけて米作りをしています。

日本の全ての人が1日一食だけでも米食にしてくれるだけで、ずいぶん米農家の収入は安定してくるのですが、消費者任せではなく、我々農家も、毎日食べたくなる製品作りをしていかなければならないとも思っています。

新米の季節です。
どうか、感動的な新潟米の美味しさを全国の皆様に堪能していただきたいと思います!










さつまいもの葉っぱ

2021-09-10 18:34:00 | 日記
今年から初めてさつまいもを作ってます。

品種は、ひめあやか、紅あずま、パープルスイートロード、太白と、間違って補充したハロウィンスイートを育ててます。

ご存知、ツルがたくさん伸びて、この種類が入り混じってる所で、ある発見をしました!

イモ界では常識な事かもしれませんが、葉っぱの形が似てるけど違うって事に!

紅あずまは、


綺麗なハート型。

ひめあやかは、





ちょっとトゲを持ったような葉っぱ

パープルスイートロードは、





なんか、もっとツンツンな感じ。

太白は、

これまた紅あずまと同じく綺麗なハート型。


つるの色はみんな違うし、土の中のイモも形や色、味が違うけど、
葉っぱの違いは初めて知ったなぁ…
(さつまいも界では当たり前かもしれないし、間違っていたらすみません!)

てか、イモの事、初めて育ててみて、面白いなぁ…っと思いました!

さつまいも農カフェきららのYouTubeは、私が撮影、編集しておりますので、今までのイモ愛の無さをご覧頂けると励みになります!





農産物の値上げ、その裏で農家は…

2021-09-02 12:29:00 | 日記
今日、テレビ観てたら値上げの事を特集してました。
特に野菜が今高騰してるらしくて、家計を圧迫してるとか。

世界的な天候不順で高騰しているそうです。

毎年毎年、こんな事が続いて、どうなっちゃうんだろう…
誰も何も食えなくなるわ。

安定して、安心して農作物を作れる日はまた戻ってくるのか…?


私の方でも、米、野菜は作っていますが、今年の米!
逆に大幅に値下がりしました。

原因は米の大量在庫。

米の消費が落ち込んでいる事から、農協の買取価格が下がり、米メインのウチにとっては、収入にはさかなりの大打撃になります。

いいものがいっぱい取れれば、需要が無いと余って値下がり。
天候悪くて、あまり取れずに、しかも品質が悪いと値下がり。

大豆なんて、良品の豊作でも、業者は等級が良くて値段が高いのは買わないから、品質が悪くて安い、いわゆるB品を必要としているので、あまり良い大豆がたくさん取れると逆に困る、と聞いた事もあります。

なんなんでしょうね…

良いものを沢山作れば値を下げられ、悪いものしか出来ない時も値を下げられる。

農家は良いものを沢山作れるように努力してるのに、その反対の事が求められている事に違和感を感じます。

そして、私のような小さい農家は、野菜等の不作は不作で片付けられ、不作だからといっても値段が上がるような影響力は無い。

どっちにしろ、不利な状況が続いています。

ずっと、農地の規模を拡大しなきゃいけない、従業員を雇って大きくしていかなければならないと思ってたけど、こんな状況では、攻める事は出来ないし、もっと言えば、本気に進退を考えなきゃいけないと思いました。


…と思ってた毎日でしたが、昨日、最近交流のある、とある社長にこう言われました。



『勝ち組じゃなくて価値組』
『農業じゃなくて能業』



今ある農地を広げるのではなく、今ある農地を価値あるものにし、持ってる能力を活かして経営していく事だと教わりました。




最近、ドンドン周りの米農家が農地拡大を進めて大きくなっていって、正直焦っておりました。

早く個人農家の仲間で組んで法人を建てようかとか…

しかし、その社長との話をしているうちに、今ある農地を維持しつつ、中身のある、価値のある農業経営をしていくべきだと思うようになりました。

そして、ここだけの話、
その社長のやっているNPOに所属して、我が家の農業を現状維持で継続しつつ、地域の町おこしに協力して、新しい観光農園などのワンダーランド構想による、新しい農業経営に参画し、挑戦する事を検討しています。
利益無きものに町おこしはあり得ないという考え方も同意しました。

米価の下落の不安、総合的に見た農産物の価格への不満、収入…
さまざまな焦りを抱えていた私にとっては、色々と肩の荷がおりる提案をしていただき、これは大きなチャンスだと捉えています。

その進捗などは、このブログだけでひっそりと進めていければと思ってます。