みゆきな日々

チワワのチェリー女の子&私・年金暮らしのジッちゃんに絶賛親孝行活躍中

夫はヤクザ 【危ない経験】

2010年10月26日 | 2010年ブログ

水商売をしていると少なからずヤクザの方と知り合いになる

全ての飲み屋さんがそうとは言わないが、私が良い例だ

店をオープンしたての頃に偵察隊のチンピラが来店

当然、サラリーマンは早々に会計を済ませて逃げる

やっかいなヤクザ家業の嫌がらせ

その中にまさかの同級生がいた

『静かに飲むから嫌な顔をしないでくれ』

ヤクザの同級生が言う

嫌な顔をするな

笑って接待しろと?

無理!!

風評が怖い

あそこの店はヤクザが入る店

そんなレッテルを押されたら終わり

しかし怖くて『店にこないで』が言えない

私の同級生は数日後、若頭を連れてきた

『大事な兄貴だから、失礼の無いように』

何が失礼の無いようになのよ、腹が立つ

その若頭の兄貴と言われる男が正二

白のダブルのスーツ

一目でヤクザと分かるいでたち

その時『みゆきじゃないか?』

彼【 正二 】(仮名)は私の名前を呼んだ

『えっ?誰?』

『〇〇みゆきさんだよね?』

丁重に敬語を使うヤクザの正二

何故、私のフルネームを知っているの?

正二は笑顔で

『最近、オープンした流行の店のママが、みゆきさんだったか』

『失礼ですが、どなた?』

『俺だよ、俺』

私の実家の側に、たこ焼き屋さんがあった

そこの息子・・・・

その時代は正二もスレンダーで店に居るだけで女が集まってた

それはそれは有名なイケメンの正二

正二を一目見ようと女が集まる、商売繁盛たこ焼き屋さんの息子

その、たこ焼き屋さんは後にビルになったのだ

小さい、たこ焼き屋がビルに変身

1階がお洒落な喫茶店&スナック

イケメンの息子を持つ正二の母は儲けたんでしょうね~♪

しかし会話もした事のない正二が何故に私の名前を知っているのか?

そんな事はどうだっていい

兄貴分が私を知ってる事に驚く同級生は必死に仕事する

タバコを持てば素早く火を点け

私の水割りまで作る

同級生よ、2度と私に軽口をたたくなとほくそ笑み、親しげに正二に

『できたら、ヤクザの看板しょってる人に店には来て欲しくないの』

『まぁ~そんな固い事は言うなよ、若いのには入るなって言うから』

同級生は小さく頷いて『自分も自粛します』

同級生や下っ端のヤクザは私を一目置くようにはなったが

その日から、店にはヤクザの幹部が度々、来店

泣くに泣けない事態

親分だとかボスだとか上下関係の厳しい職業ヤクザ屋さん

私の店が偉く気に入ったらしい

このままだとオープンして間もないのに潰れる

『正二さんは、私の店を潰したいの?』

『そんなに客が入らないのか?』

『入る訳ないでしょ、店を開けた瞬間、派手な怖い兄さんが居たら』

『分かった今度から飲みにくる時は看板が消えたのを確認してからくるよ』

看板の明かりを落としてから?

と言う事は、看板の明かりを消したら逃げるように帰れば良い

この際だ『そうしてくれると助かるわ』

私の訴えを素直に聞いてくれてホッとした

正二は看板が消えるの待って飲みにくるようになった

看板が消えるのをドアの外で待っている

・・・・・Σ( ̄⊥ ̄lll)・・・・・逃げられない

『トラブルがあったら直ぐに俺に電話しろ、飛んでくるから』

トラブルがあったら警察を呼ぶわよ

心の中で呟く私

しかし、私の店は他の組のヤクザにも目をつけられ修羅場状態

め組、あ組、ら組

何で私の店に沢山の色んな組の怖いお兄さんが集まるのだ?

女の子達も怖がって辞める子が続出

当然だ

そして恐れた事件が起きた

組同士の闘争事件勃発

私の店は治まるまで休業するしかない

幸い、私が闘争事件に巻き込まれる事はなかったが苦い思いをした

所詮、ヤクザはヤクザ

笑顔の裏にどんな顔があるのか知りたい

いや知ってどうする?

その歳の暮れヤクザの忘年会に招待された私

絶対に行きたくないよーーーーーっ

夢なら覚めてーーーーーーーーっ

BUT

現実は厳しい

ビシッと着物姿で出席

某ビルの3階のドデカイ店が会場

ビルの前で出迎える若い衆

『ご苦労様です、足元に気をつけて下さい』

そう言いながら会場まで案内

黒服男だらけの異様なビル前から会場に入る

店内入り口の外に20人程の黒服男が整列して並び

『本日はご苦労様です』

練習したのか?

一斉に同じタイミングで挨拶する

怖い・・・・・

冷や汗が背中を伝う

こなければ良かったと後悔しても遅い

中に入った

入り口の中にも黒服男20人程が一斉に

『ご苦労様です、ご足労有り難う御座います』

丁寧に頭を下げて挨拶

怖いのを通り越して目眩がする

その中の1人が私を誘導して指定席へと案内

豪華な店だ

ふかふかの椅子に偉そうにふんずりかえって飲んでる親分が居た

『おぉ~みゆきママ、来てくれたか待ってたよ』

待ってなくて良いよ、顔が強張るのが分かる

隣に座らされた私

喉がカラカラ

良く見たら艶やかな美女が何人か居る

どうやら、何処かのママらしい

私と違って堂々としているのが凄い

目の前に正二は居た

美女ママと楽しげに飲んでいる

ここに座っているのは全部が幹部

金バッチだらけ

もう私に出来る事は居直って飲む食べる

話しかけられたら答える、それ以外は自分からは話さない

この際、徹底して強がってみよう

根性を決めたら気が楽になった

ここに来たのには理由もある

一目置いてもらい、チンピラの若いヤクザに顔を知らせる為でもある

親分の顔は緊張のあまり視線を合わせられなかったが、人生の初体験

これがローカルのヤクザの忘年会

貴重な体験

帰りにお土産を貰った

自宅に帰り中を開けたら、真珠のネックレス・イヤリングのセット

お金だったら嬉しかったのに

いやいや、そう言う問題じゃない

貰って良いのか迷ったが現在もタンスの肥やしだ

ヤクザの忘年会に出席した事で、私の店は平和を取り戻した

親分と正二の了解がなければ入れない店

そんなある日、何と正二が親子程に歳の離れた可愛い子とファミレス

で食事している所に遭遇してしまった!!

相変わらず派手なスーツを着てた

背中にヤクザと書いてるようなものだ

若い女の子と楽しげに食事しているのを私は見て見ぬふり

声を掛けてきたのは正二の方からだ

『暫くだね、店はまだやってるの?』

『お陰さまで、続いてるわ』

『今度、飲みに行くよ』

え~っこないでよ~

心で叫ぶ

数日後、正二はファミレスで一緒だった若い子を連れて飲みにきた

名前は奈美子

笑顔の可愛い女性

すっかり、その子と意気投合

個人的な事まで話す程に親しくなり

『正二と結婚を考えてるの』

と打ち明けられ、もしかしたら相談相手に抜擢された?

反対する理由は沢山あるけど身内じゃないし・・・

『親に紹介する前に名前を言ったら反対されたの』

そりゃあ~そうでしょうね、正二は有名人

親の世代なら知らない人は居ないかも?

正二は風俗店を経営していたが、奈美子の為に辞めた

無数の女と付き合った正二が大事にする奈美子

『俺、これでも結婚歴がないんだぜ』

刑務所を出たり入ったり忙しい正二

結婚する暇が無かったのね~

毒舌の嫌な女、本領発揮

『本気になれる女がいなかったし気づけば、いつも俺の周りには世話焼き

女が沢山いた・・惰性で付き合い捨てた女の数は数え切れない』

女の敵だわ正二君

『俺みたいな男でも結婚できるかな?』

『ヤクザだって普通に結婚しているじゃない、出来るよ』

『ヤクザの世界も不景気でさ、会社を立ち上げたんだ』

ヤクザ屋さんの会社

何の?

『土建会社だよ』

胸を張って答えた正二

愛はヤクザ家業を会社に変えたのか?

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         正二君、愛を知って何処まで変われるかな?