どうかおねがいです・・・。あの時、私が箱にいれてしまった思いを
掘り出さないでください・・・。
どんな思いで箱にしまったか・・・。
どんな思いで怒りや悲しみや・・・そしてその自分をしまいこんだか・・・。
あなたにわかりますか?
もう土の中に埋めたのです。
あのときの私はもういないはずなのです・・・。
それ以上・・・わたしの気持ちにつめをたてないでください・・・。
あの時、静かにじっとうちに秘めてきた思い・・・。
あなたにわかるはずもないし、わかるような平坦な道のりではなかったのですから・・・。
あなたも、あなたのなかで耐えるべきでしょう・・・。
ただ一つ・・・だけなんです。
私の願いは・・・。
あの時のわたしの気持ちに
爪をたてないでほしいだけなんです。
それさえ・・・守っていただけるのなら・・・。
あなたの望みがかなわない事もないかもしれないですね・・・。
あの時の気持ちなんです・・・あの時の・・・。
矛盾・・・していると思うでしょう・・・。
あなたは正しいんですもん・・・。
でも、人として・・・はどうですか?
そんなに立派に全うな人生だったのですか?
だれも悲しませり、嫌なことをせずにいきてきたんですか?
一度は必ずあるでしょう・・・。
その一度があの時なのですから・・・。
全部は手にはいらないんですよ・・・。
得る事もあれば、失うこともあるときがあるんです・・・。
お願いです・・・。
土の中から、箱をださないでください・・・。
あの時の箱を・・・。