昨日、兵庫医科大学にて関西学生アメリカンフットボール連盟主催の
夏季安全講習会が開催されました。
トーナメントで全国へつながるシステムになって2年目、
同じ土俵で戦うのなら、フォーマットも揃えるべきだと、
現在中四国でも様々な動きがあるようです。
その一環として、関西リーグの安全対策について勉強してこいとの
お達しをうけまして、2・3回生MGR4人で参加してきました。
お話は大変興味深く、勉強になることばかりでした。
以下、メモ程度ですが、要点をまとめます。
プレイヤーだけでなく、今までアメフトをやってきた方々にも
関係のあるお話が出てきましたので、
軽くでも目を通していただければな、と思います。
<関西リーグでの傷害に対する措置>
関西アメフト連盟では、2007年度より傷害の統計をとり、傾向の分析を行ってきたそうです。
連盟から渡されるフォーマットに、
傷害の発生日、天候、発生場所、受傷者学年、ポジション、受傷時、事故原因、状況など
をかなり詳細に記録し、シーズン終わりに提出するというシステムをとっているようです。
記録・分析を継続することによって、以下のような傾向が見えてきたということです。
○学年別
・1年生の間に練習を重ね、試合に出るようになった2年生の怪我が多い。
・4年生も最後だからと無理をして、怪我をする傾向がある。
・3部あたりでは、人数の関係上1年生も出場せざるを得ないため怪我が多い。
○ポジション別
・概観として、Offenceの方が怪我が多い。
・とくにOL、DLの割合が大きい。
○発生時
・練習時の怪我が大半である。
・試合中は全体では第2Qでの怪我の発生率が高い。
・1部では第4Qがもっとも多い。
○傷害部位別
・下腿、大腿が多く、次いで頭部。
○発生月別
・全体としてはシーズン中の8~10月が多い。
・2部はシーズン終わりの10月が多く、3部はシーズン始まりの8月が多い。
○傷害発生原因
・タックルやブロックに関わるタイミングで怪我をすることが多い。
競技人口などの関係で、中四国もその限りとは一概には言えないかもしれませんが、
参考にして、気をつけるべきだと感じました。
また、関西リーグでは試合中の負傷者への措置に関してルール変更が行われました。
レフェリーが重症と判断してフリータイムアウトがとられた場合 (担架で運ばれた場合) 、
その選手はチームドクターの資格がある者の許可がでるまで試合に復帰することができなくなりました。
軽症の場合は、1ダウン以上アウトしている間にチーム責任者が再出場を許可してもよいかを判断するそうです。
中四国でも、来年度以降このルールが適用される可能性が高いようなので、日頃から負傷者への慎重な対応を心掛けるべきだと思いました。
<AED使用について>
心室細動が起こってしまった場合、救急車を待っている間にすごい勢いで生存率が下がるそうです。
いつ、どこでそのような事態になるか分からないので、今一度プレイヤーも含め、AEDの正しい使い方や、
設置場所などをきちんと確認しておくことが重要だと感じました。
<脳震盪について>
アメフトは、他スポーツと比べて外傷発生率が群を抜いているそうです。(ラグビーよりもはるかに多い)
競技中の死因は、頭部外傷が多いため、逆にいえば脳震盪の発生率が下がるほど死亡率も下がるということです。
実際に、安全面に関するルール改正に従って下がってきたとのこと。
同様に危険率の高い頸部の怪我は、スピアリングの禁止等によってほぼ0に近づいているそうですが、頭部の怪我は近年はほぼ横ばい状態です。
アメフトはどうしても脳に少なからず衝撃の加わってしまうスポーツのなので、ある程度はどうやっても起こりうる、ということです。
どのチームでも、誰でも起こる可能性があるので、リスクマネジメントをいかにチームで行うかということが課題となってきます。
急性硬膜下出血は、致死率こそ高いものの、迅速な措置を行えば助かることもあるそうなので、
脳震盪を起こした場合に早急に対処できるよう、チーム全体で危機管理を徹底していくべきだと思いました。
繰り返す脳震盪は、衝撃直後に限らず、慢性的に症状が出るそうです。
初老期認知症が早く発病したり、とくに衝撃の蓄積によるSecond Impact syndrome は死にいたるものだそうです。
1年間で、チーム全体で5万回以上のHitを受けると言われているアメフトで、こういった事故を防ぐために、
正しい装具の着用や、Hit Formの改善、正しい受身、無駄なHitをなくすと言ったことを徹底すべきだそうです。
まだまだ沢山のお話を聞きましたが、書ききれません!
後日関西連盟HP【
http://www.kansai-football.jp/】に、講習の資料がアップされるそうなので、ぜひチェックしてみてください!
プレイヤー全員が、安全に、楽しくフットボールができるような環境を整えるのが、
私たちMGRの責任であり、願いでもありますので、
できる限りのことを精一杯やっていきたいと思います。
長文失礼しました。
#116 福本