風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

野毛・野毛山・駅裏石段 index

2018-02-22 | 神奈川
[2018.2.11]
◆ 野毛-(1)
 横浜の日ノ出町駅の裏に、長い階段があると知りました。
 けっこうな歓楽街なので、緊張しながら向かいます。
 野毛山に上る前に、昼は静かな野毛界隈を散策しました。
  ● prologue ● 桜木町スタート ● 調査現場到着
  ● ピンクの外車 ● 未知の駅裏エリア ● 静かな野毛の散策
  ● 福音喫茶メリー ● 100円コインロッカー ● カフェ・カルディ



◆ 野毛山-(2)
 坂を上って、久しぶりに野毛山動物園へ。
 たくさんの動物たちを見て、心がなごみます。
 吊り橋を渡り、展望台からみなとみらいを眺めました。
  ● 王道ルートで野毛山へ ● キンタは女の子 ● しろくま代わりの動物
  ● ラージャーの誕生日 ● ソースとシマウマ ● キリン愛を語る
  ● クマのサンペイ ● ワラビーのヤジロー ● コンドルのショウ
  ● 市電のベンチ ● その他もろもろ ● 柳宗理の吊り橋 ● モダンな展望台



◆ 伊勢佐木町-(3)
 野毛山から続く長い石段を下りてみました。
 川沿いのディープゾーンは、アートエリアに変身中。
 町の移り変わりを肌で感じながら、近場を散策した一日でした。
  ● 横浜迎賓館 ● 石段の探索 ● 石段の検証
  ● 日ノ出町から黄金町へ ● アートで再生の町 ● ザキのへびや
  ● クロスストリート ● 気分は浦島太郎 ● ハマ楽器の探検
  ● 伊勢佐木町の老舗 ● epilogue




野毛・野毛山・駅裏石段-3

2018-02-22 | 神奈川
その2からの続きです。

● 横浜迎賓館

野毛山公園の展望台を下りて、すぐ近くにある横浜迎賓館前を通りました。
仕事仲間が披露宴で訪れる予定の場所です。竹のエントランスが、さわやか。



ちょうどシャトルバスが到着して、きれいに着飾った人たちが降りてきました。
この日も披露宴パーティが行われるようです。
ほとんどの人が、桜木町からバスに乗ってくるのでしょう。
野毛坂を歩いて上る人がいたとしても、裏道石段を通る人は、ほとんどいないと思うんですが・・・。

● 石段の探索

ではいよいよ、野毛山から階段を使って下りてみることにしましょう。
石段のありかを探しますが、山の上も家の立ち並ぶ住宅街なので、すぐには下に降りる道が見つけられません。
おおよその見当をつけて家と家の間の細い道をたどっていき、ようやく石段を見つけました。



「『君の名は。』みたいね」
上から見下ろすと、それほど坂がきついようには思えません。
でも、野毛山の坂をあなどってはいけません。

● 石段の検証

まっすぐ下まで伸びる直線道で、先ほど見た石段とは違う道のようです。
とんとんと降りていくと、途中に「急坂」と書いてありました。



坂の多い横浜には、あちこちにウルトラ急勾配の斜面があります。
毎日の通学も、友達の家に遊びに行くのも、ちょっとした登山だったりします。

私達が眺めている間も、石段を通る人が何人かいました。
斜面にも家は立ち並び、住民の生活ルートになっているようです。



一番下まで降りてから、石段の上を見上げました。
まっすぐなので、下りながらうっかりスピードをつけたら、止まらなくなりそう。
雨の日は、ちょっと歩きたくないですね。
雪が降ったら、さらに危ないでしょう。

それでも確かに近道の直線コース。今度野毛山に行く時に使ってみようっと。
ただ、坂とは無縁の人が、着飾ったパーティドレスとヒールでこの急斜面を上がるのは、相当大変でしょう。
グーグルさん、近道だからといって、地図検索でこの道を紹介するのは、ちょっと無謀だと思いますよ!

● 日ノ出町から黄金町へ

京急日ノ出町駅の隣は黄金町駅。
大岡川に沿って京急線が走るこの辺りもまた、かなりディープなエリアです。
紳士淑女、善男善女は踏み込まない場所のイメージでしたが、今ではずいぶん変わった様子。
最近ではアーティストが集まり、町の雰囲気が明るくなったと聞いています。

先ほど野毛散策をしたことですし、「日中だからここも大丈夫でしょう」と川沿いを散策しました。
無国籍バーやカフェ、英会話教室が軒を連ねています。
引き込まれたら戻れなさそうなデンジャラスゾーンではなくなっていました。

● アートで再生の町



京急の高架下沿いを歩いていると、木造のスペースがありました。
地域住民の協力のもと、NPOが企画し、建築家がデザインした「かいだん広場」。
子どもたちの格好の遊び場になっているそうです。



高架下がアートスタジオのようになっていました。
ネオ近代的な感じ。



ここは「黄金町アートブックバザール」という古本屋さん。
NYブルックリンに来たみたいにオシャレです。



書店の前には、日ノ出桟橋があります。
春になると、大岡川沿いの桜並木に大勢の人が集まり、ここからお花見の遊覧船が出ていきます。
ミライさんの友人が、お花見中にほろ酔い気分でこの川に落ちたという話を聞きながら、伊勢佐木町通り(ザキ)に到着。

● ザキのへびや

ここは伊勢佐木町4丁目で、繁華街からは少し離れた辺り。まっすぐ歩いていくと、どんどん賑やかな通りになっていきます。
「もうかなり店も変わったね」
久しぶりに来てみると、お店がすっかり変わって、通りの様子ががらりと変わっていました。



あまりに様変わりしているため、初めてこの通りを歩くような気になります。
「でも、でも、"へびや"はあるはず・・・!」
(あそこがなくなったら、もうザキに未練はないわ!)と悲愴感をつのらせていたら、ちゃんと開店していました。
変わっていなくて、ほっとしたわ。



店頭ウィンドウに蛇の剥製が飾られている、インパクト大のへびや。
コブラやマムシの粉末を売っています。
ショウウィンドウの剥製はさすがにこわいですが、ずっと前からここにいるので、無くなるなんて考えられません。

「さっきの動物園でも思ったけど、ヘビが好きなの?生きてても死んでても?」とミライさん。
ええ、まあ。なにか?
「まあ、いずれここにお世話になるかもしれないからね」
正式店名は「黒田救命堂」というこのお店の顧客になる日が、いずれ来るかもしれません。

● クロスストリート

へびやの向かいには、ピアノ型をした青江美奈「伊勢佐木町ブルース」の歌碑があります。



その後ろに、三角形のガラス張りの建物ができていました。



ザキの路上ライブで有名になった「ゆず」が「CROSS STREET」と名付けたライブスペースだそうです。
彼らのようなストリートミュージシャンのための場でしょうか。

● 気分は浦島太郎

伊勢佐木町3丁目までやってくると、人通りが増えてきました。
やはり両側のお店は、記憶とな違うものに変わっています。
かつてのザキのランドマーク、横浜オデヲン座は、ドンキホーテになってしまいました。
ユニーも、少女服のCABINもありません。

映画館も、入り口にあったウェンディーズもなくなっています。
その向かいにあった、マクドナルド横浜第一号店も、消えてしまいました。
もはや、竜宮城から戻ってきた浦島太郎気分です。

● ハマ楽器の探検

「あれもナイ、これもナイ」と言っているうちに、伊勢佐木町2丁目までやってきました。
「もうハマ楽器もなくなっちゃったよ」
まさかと思いましたが、本当でした。ケータイショップに変わっていました。
ここで楽譜を買ったこともあったのに。



でも、ビルの上には、まだハマ楽器のロゴがついていました。
「もしかして、上の階ではまだ音楽教室をやっているんじゃない?」
カーテンが閉じられており、中の様子はよくわかりません。
「ほかの店舗になっちゃってて、上への入り口はなさそう。裏に周ればあるかな?」

そこで裏側に周ってみました。
そこは完全な路地でした。
「うーん、子供が通るには裏道すぎる気がするから、ないのかな」
と言っているところに、こんなドアを発見。


!!!


驚きのあまり、そのまま静かに表側の通りに戻りましたが、はっと我に返り「もうちょっと確認してみよう」と、再び裏の路地に潜入しました。
関係者しか使わないような細い道。
勝手口感のするドアの奥に、教室があるのでしょうか。
アルミのドアを開けると、建物の上へと続く階段がありました。
やけに静かなので(上がっていいのかな)と思いますが、踊り場には「ハマ楽器音楽教室 生徒募集中」の紙が貼られていました。



募集してるんだー!
教室前まで行ってみましたが、電気がついておらず、この日はお休みのようでした。
レッスンしやすい休日なのに~。

置き傘もあるので、ちゃんと運営しているようです。
表のにぎやかさとはうってかわって静かすぎる裏階段。
ドキドキしながら下りていき、アルミ戸を開けて外に出て、表通りに戻ると、再び喧騒に包まれました。
村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の世界に入ったような気分になりました。

● 伊勢佐木町の老舗

大通りに戻り、さらに進んでいきます。
赤信号で止まっていると、右翼の車が列をなして車道を通っていきました。
建国記念日のこの日は、彼らにとって大切な日なんでしょう。
一番後ろを、ポリスカーがついていきました。

車道を渡ると、いよいよ伊勢佐木町1丁目です。
それでも栄枯盛衰の波は変わりません。
通り沿いにあったカフェ・珈琲館もなく、LAOXはお店自体つぶれちゃいました。
もはや、松坂屋もないし、丸井もありません。



今となっては、伊勢佐木町に残る老舗店舗は、有隣堂本店と不二家、文明堂、そしてへびや。
この一つでも欠けたら、かなり自分のアイデンティティが揺らぎそう。



「丸井は、ザキにヤング館、線路向こうに馬車道館があったね」
「そうだったね、2店舗あった!」
「カレーミュージアムになったけど」
「それももうないけど!」
「丸井の向かいに森永LOVEがあったの、覚えてる?」
「あったね・・・忘れてた。ちょっと泣きそう!」

お互いの記憶をすり合わせては、切なくなることの繰り返し。
ハマ楽器の探検はできましたが、がらりと変わった伊勢佐木町に驚くばかりでした。

イセザキモールの入り口にたどり着いたところで、散歩も終了。
心の動揺を鎮めるために、カフェでひと休み。
暗くなるまでお喋りして、関内駅で解散しました。
ぽかぽかと暖かい日中でしたが、日が落ちると一気に冷え込み、夜には冷たい風が吹いていました。

● epilogue



桜木町から野毛と野毛山に向かい、黄金町経由で伊勢佐木町を通って、関内までぐるり一周したこの日。
割と身近な界隈ですが、ディープエリアはほぼ未知の世界。
日ノ出町駅裏の石段やアート化した黄金町など、知らないものがいろいろとありました。
久しぶりに通った伊勢佐木町は、がらりと変化を遂げており、もはや知らない道のよう。
十年ひとむかし。少しご無沙汰していると、あっという間に見知らぬ場所になるものですね。
近場でも新鮮な発見がいろいろあった、刺激的でおもしろい散策デーでした。



野毛・野毛山・駅裏石段-2

2018-02-21 | 神奈川
その1からの続きです。

● 王道ルートで野毛山へ

野毛ランチを終えて、日ノ出町駅まで戻ってきました。
さきほどの駅裏石段を登ろうかなと思いましたが、山の上のどこに続いているのかわからず、ジグザグの道の途中で途方にくれそうな気がします。
野毛山のことを考えているうちに、山の上の動物園に早く行きたくなってきたので、迷わずに行ける車道沿いの定番ルートを通ることにしました。
「石段は、帰りに通ろう」



黄色のルートを通っていきます。赤丸部分が、今回気になっている石段があるエリアです。
野毛山の坂は、それなりの急こう配。途中に「急な坂スタジオ」なんてスタジオがあるくらいですから。

歩いて上る家族連れが大勢おり、ベビーカーに続いて、みんなと一緒に動物園に到着。
「わあ、懐かしい!」



当時日本最高齢だった、ラクダのツガルさんに会いにいった時以来。
それから5年ほどたっています。結構久しぶりです。



● キンタは女の子

私よりも訪れているミライさんに、園内を案内してもらいました。
入ってすぐのレッサーパンダコーナーは、いつも人気で人だかりができています。



ここのアイドルのキンタは、なんとメスだそうです。
名前を付けた後で、性別がわかったんだとか。先に気づいてあげてー!



じっとせずに動き回っており、それに合わせてみんなも一眼レフの向きを変えます。
でーんと座って笹を食べるジャイアントパンダと違って、歩き回るのが好きみたい。
冬は特に活動する時期だそうです。
見た目は似ていませんが、暑いのが苦手なところはどちらのパンダも一緒です。

● しろくま代わりの動物

8年前にできたズーラシアに移っていった動物もおり、園内は前よりも閑散としています。
ズーラシアは有料、こちらは無料なので、差をつけられても仕方がないのですが。
「ここ、見て」とミライさん。



シロクマの檻の中にいたのは・・・人間でした!
「どういうこと?」



シロクマがズーラシアに移っていなくなったあと、その檻を壊さずに一般開放しているそうです。
人間サマがシロクマ代わりに檻の中をのそのそ動いているなんて、シュールすぎー!



それでも、自分も入ってみたくて、うずうず。
普通、檻の中には飼育係しか入れませんからね。こうして裏側も見せてくれるのに興味津々です。



入ってみると、寝床は個室に分かれていました。
シロクマは群れずに単体で寝る習性があるんだなあとか、個室は身動きとりづらいほどの狭さなんだなあとか、実際に分かります。
扉は分厚く、あちこちに南京錠がかけられていました。
人間よりもはるかに大きく、時に獰猛な獣。
飼育係はジャラジャラと鍵束を持って、シロクマの世話をしていたようです。



シロクマの寝床だと思っていたところは、外から見ると「ヒト」の表示が出ていました。
私たちも、動物ですからね。



しろくまの部屋を出た辺りで「ここは前に象がいた場所」と教えられました。
そういえば子供の頃に見たなあと思い出しますが、今ではベンチの置かれた円形広場になっていました。
もう、野毛山に象はこないのね~。

● ラージャーの誕生日

大きな動物が減ったのは残念ですが、百獣の王ライオンはいます。
ちょうどこの日は、ラージャーの10歳の誕生日!



野毛山で生まれたラージャーは、仔ライオン時代をここで過ごした後、ズーラシアに移り、最近再びここに戻って来たそう。
かつての飼育係さんのことを、ちゃんと覚えていたそうです。感動の再会だったでしょうね。



今ではタテガミもフサフサで、ライオンキングの貫録十分。



このラージャーの紹介ポスター、「食いしん坊」のあとに「人間が大好き」と書いてありますね。
続けて読むと、ちょっとこわい~!
(これは少し前のもので、今ではこの二つの間に「おっちょこちょい」と入っています。きっとみんながこわがったからね!)



そんな(どんな?)肉食系男子のライオン君。
この日のヒーローなので、檻の前には黒山の人だかりができており、2時半の餌やりパフォーマンスはとても見られなさそうでした。

● ソースとシマウマ

ライオンの檻を離れて、園内の一番奥にいるキリンのところへ。
一心に餌を食べています。
奥にはグレービーシマウマがいます。



「グレービーっていったら、グレイビー(gravy)ソースじゃない?」
『トム・ソーヤーの冒険』や『大草原の小さな家』シリーズに出てきた料理です。
アメリカ留学をしたミライさんは「あれはおいしくなかった」と首をふります。
オートミールも、おいしくないって言いますね。
そう聞くので、どちらも敬遠していますが、どんな不味さなのかちょっと気になったりもします。

(なぜソースとシマウマが一緒の名前なんだろう?)と気になって調べてみました。
シマウマは、フランス元大統領のジュール・グレヴィー(Grevyi)にちなんで名つけられたそうです。
つまり、一緒ではありませんでした。

このシマウマ、いつも隣のキリンを見て(自分って小さい)と思っているのかしら?
でも飼育員さんを見て(自分より小さい)って思っているでしょうね。

● キリン愛を語る

キリンを見ていたら、突然飼育員の女性が現れて、私たちに語り出しました。



「今日はライオンのラージャーの誕生日ですが、7日にはキリンのそらが、6歳の誕生日を迎えました。
そらは最初は小さくて、人工哺育で育ちましたが、今では身長は4.5m、体重は875㎏の立派なキリンになりました。
メスのモミジは、そらのお嫁さんとして埼玉の動物園からやってきましたが、まだ餌にしか興味がありません。
そらもモミジも、一緒に成長しています」と、紹介してくれました。



こういう動物紹介をしてくれると、個体により親しみがわきます。
担当飼育員の愛情が伝わってくる、親切なサービスですね。
食事中のそらが、飼育員さんにすり寄って甘えてから、より高い場所にある餌を食べ始めました。
4.5mのそらが首を伸ばして食べる高さに餌の枝をセッティングするのは、大変そう!

● クマのサンペイ

ツキノワグマがいました。
おや、冬なのに冬眠していないの?



でも、今にも眠りこみそうです。
このサンペイは、隣の檻にいるコマチに片思い中なんだそう。
冬のあとには恋の季節がやってくる!

● ワラビーのヤジロー

ワラビー園には、ヤサブロー・ヤイチ・ヤジローの紹介がありました。
この分だと、ヤタローもいそう。

 

ところで、動物たちのネーミングがちょっと古いのでは・・・?
いえ、なんでもありません。ゴホンゴホン。



寒さが苦手なワラビー。「ヤ」兄弟はヒーターの近くに集まっていました。

● コンドルのショウ

この動物園には、大きなコンドルの檻があります。
その前で足を停めて、ミライさんを呼び止めました。
「これ見て、名前がショウ!」



(それで?)という顔のミライさんに、勢い込んで言います。
コンドルのジョーみたい!」
ガッチャマンがわかる年代って、もう限られるのかしら~ん。
狙ったネーミングかどうかわかりませんが、野毛山にはコンドルのショウがいると、一発で覚えました。



ショウは、その大きな羽を開いていました。
向こう側のコンドルと、どっちがショウなのかわかりませんが、野毛山のコンドルは、会いに行くたびに羽を広げてくれている気がします。
サービス心旺盛ね!単に日光浴が好きなのかな。

● 市電のベンチ

園内には市電も保存されています。中に入れるので、座席に座ってひと休み。
かつて横浜にも、市電が走っていたんですよね。



無くなってしまったのが残念ですが、混雑した今の道路を走らせるのはもう無理そう。
市電マニアは、日本中の市電を巡る旅とかしていそうですね。

● その他もろもろ

爬虫類館は、子供たちに大人気。
暗くて特殊なライトがついているイメージですが、ここは煌々と電気が灯る、明るい屋内でした。

モダンデザインのように等間隔に休む鳥たち。



ペンギンやフラミンゴも人気の鳥たちで、たくさんの人たちが見とれています。



いつもは放し飼いにされた白クジャクがフリーダムに動き回り、人のそばに来て餌をおねだりする園内。
でも今は鳥インフルエンザ発生中なので、鳥類はみんな檻の中でおとなしくしていました。



動物ふれあい広場は、子供たちに大人気。
子供の頃、ヘビを首に巻いて得意げにポーズをとり、顔面蒼白の父が後ずさりしながら撮ってくれたことを思い出します。
ヘビが嫌いだって知らなかったから~。
今回はヘビとはふれあえません。冬眠中なんでしょう。

小動物を撫でようとワクワク待ちわびる子供たちを眺めながら、出口に向かいます。
満喫しました~。やっぱり野毛山動物園って、いいわー。
昔も今も、変わらず市民のいこいの場です。

時計は、ちょうど2時半を指していました。
「あ、ラージャーの餌やりが始まったね」と言うと
「誰が餌になったのかな?」とミライさん。
・・・ヒエッ。

● 柳宗理の吊り橋

動物園から、吊り橋で道路の向こう側に渡れるようになっています。
以前は向こう岸も動物園の敷地でしたが、今では公園になっています。



吊り橋の説明版に目を走らせると、柳宗理がこの橋のプロダクトデザイナーだと書いてありました。
「なんと!」一人で興奮します。
一人暮らしを始めてから、彼がデザインしたキッチングッズを揃えたりしました。
それよりもずっと前の子供の頃から、すでにこの橋で柳宗理の作品に触れていたのねー。

● モダンな展望台



知らない間に、展望台が立派になっていました。
前は2階までだったのに、エレベーター付き3階建ての要塞のようなモダンデザイン。



上まで登ってみます。天気のいい日で、みなとみらいを越え、遠く海の方まで見渡せました。
その3に続きます。



野毛・野毛山・駅裏石段-1

2018-02-20 | 神奈川
● prologue

きっかけは、仕事仲間との会話からでした。
「週末に知人の結婚式に参列しに、横浜迎賓館まで行くけれど、道がよくわからない」とのこと。
「京急日ノ出町駅からどうやって行くんでしょう?」
「迎賓館のある野毛山は、結構な急坂ですよ。バス通り沿いに坂を上って、野毛坂の交差点を左に曲がり、更に坂を上ります」
黄色のルートを説明すると、その人は地図検索をして
「あれ、まっすぐ行ける道があるみたい」と言いました。
「どこに?」
画面をのぞくと、確かにグーグルマップは、もっと近いアクセスルートを表示しています。
駅の裏から、長い階段サインがギザギザに書かれていました。(点線部分)
「こんなところに階段があったなんて、知らなかった!」



日ノ出町駅の裏側に何があるのか、これまで一度たりとも考えたことがありませんでした。
駅の周辺は、昼は場外馬券場で夜はネオン街になる、横浜でも結構きわどい界隈。
野毛山に行く時には、いつも桜木町駅を使い、この辺りはあまり通らないようにしていました。
それでも、この駅裏から伸びる階段のことが、気になるわ~。

元町っ子のミライさんに聞いてみても「日ノ出町駅の裏…?知らない」とのこと。
浜っ子でも、知っている人は少なそう。
そこで次の週末、散歩がてら、2人で検証することにしました。

● 新幹線ロボ

朝、乗り換えにつかったJR菊名駅の駅員コーナーに、カラフルな3色のロボットが飾られていました。
えっ、これなにー?
プラレール『新幹線変形ロボ シンカリオン』だそうです。
えー、つまり、トランスフォーマーの新幹線版?おもしろい!



「正体不明の巨大な敵に立ち向かうため、日本の夢と技術が詰まった新幹線をベースに開発されたロボ」なんですって。
いいですね~。「正体不明の巨大な敵」は手ごわそうですが、このくらいの遊び心があったら楽しいですね。

● 桜木町スタート

桜木町駅でミライさんと集合して、現地に向かいます。
桜木町から日ノ出町までは、地下道の「野毛ちかみち」を通って大通り沿いに歩いて行けば、割とすぐ。
ただ、その間に場外馬券場があるため、新聞をにぎったおじさんたちで道は埋め尽くされ、よく歩行困難になります。



でも、この時は、以前ほどのおじさん大軍団はいませんでした。
というか、JRAの建物前も、人が少なく閑散としています。
「今日は競馬がない日なのかな?」
「最近はネットでできるようになったからじゃない?」

● 調査現場到着



ほっとしながら日ノ出町に到着しました。
駅の出口は大通りに面していますが、その後ろに回り込むような細道を発見。
「こっちかな?」
日の当たらない裏道に入ります。いかがわしいという意味ではなく、両側に高層マンションが立っているため、陽がさえぎられています。
「大地震の時に外に出て道にしゃがんでも、その上にビルが倒れてきそう。この道危険だわ」
そんな防災チェックをしながら、細道を奥へと入っていきます。



すると、線路沿いに石段を発見しました。
「これね!」
途中で方角が変わっているらしく、先まで見えません。

● ピンクの外車

後ろを振り返ると、ピンクなお店がありました。
「ピンク・・・!」
ピンクといっても場所が場所だけに、カワイイ方かイカガワシイ方か、わかりません。
(ところで、イカガワシイの中にカワイイって入っているんですね)
後者だったら、こわい人が中にいるかもしれません。
2人でおそるおそる、近寄ってみます。



Pink Holidayという店名で、壁にトランザムが埋め込まれていました。
横から見ると、埋もれているわけではなく、スパッと切られているのがわかります。
ああ、この車にはもう乗れないのね~。
お店の中はどうなっているんでしょうね。



こわごわ近寄ってみると、メニューが見えました。バービー人形のマークも見えます。
「わかった。これはカワイイ方だわ!」
前にTVで、バービー人形カフェを見たことがあります。
出す料理すべてがピンク色で、ピンクのカレーが紹介されていました。
(バービーファンが多いのは知っているけど、ピンクすぎ~。都会ってこわい~)と思って見ていましたが、このお店だったみたい!

レンタルスペースもやっているそう。今度ここで女子会をやってみようかな…(おそるおそる)
謎の石段と、謎のピンクのカフェというシュールな組み合わせは、のっけからパンチ力効きすぎです。

● 未知の駅裏エリア



すぐそばにある京急の高架をくぐってみました。
裏日ノ出町となるその先は、ちゃんとした家が立ち並ぶ、普通の町でした。
日ノ出町駅の徒歩5分圏内に民家があるとは思っていませんでしたが、見方を変えれば駅チカで便利ですね。

「石段、登ってみる?どうする?」と2人で考えましたが、そろそろお昼の時間。
野毛山の上はお店が少ないので、ひとまず下界でランチを取ることにします。



にぎやかな日ノ出町駅の表側に出ました。
駅前のオルガン広場の地図を見ると、先ほど見た石段は天神坂といい、もう一つ山へと続く急な階段があることがわかりました。



「日ノ出町のポチ公だって」
「なんちゃってハチ公かな」

● 静かな野毛の散策

ランチを取ろうと、野毛の洋食屋さんに行きますが、まだ開店準備中。



そこで、野毛界隈を散策しました。
のんべえのパラダイス野毛。ここも相当ディープなエリアで、ネオンの輝く夜に一人でここに入る勇気はありません。
昼でもためらうくらいですが、ミライさんは結構慣れている様子。
シャッターがおりて寝静まった町を案内してもらいました。



都橋のたもとにある、川に出っ張っている場所が、前から気になっていました。
ここは都橋商店街というそうです。



ミライさんのガイドで2階に上がり、川を眺めながら通路を歩いちゃいました。
うわあ、敷居が高い。
酔っぱらって、気持ちよーくここから川に落ちた人が何人もいるんだろうなあと考えます。



前に、野毛のジャズ喫茶「ちぐさ」に行ったことを思い出します。
小さな店内に入ると壁いっぱいに巨大なスピーカーがせり出しており、客のリクエストに応えて古いLPを回してくれます。
ジャズを聴くのが目的なので、私語厳禁で、かつメニューはコーヒーのみ。
コーヒーは飲めないのに、無言の店主がすぐそばにいるので残すこともできず、目をつぶって必死にゴクゴク流し込んだビターな記憶。
その場の空気に緊張しっぱなしで、ジャズの音色を楽しむどころではありませんでした。
そんな野毛は、私にとってディープすぎる町~。

(ところでジャズ喫茶ちぐさは2007年に閉店し、2012年に野毛の別の場所に復活しました。
最初の店舗とは異なり、今のお店はドリンクも充実しており、アルコールも出すそうです。)

そんな苦い思い出を語る私に「でも野毛って安いしおいしいよ」と控えめにフォローするミライさん。
それはわかりますが、まだきっかけがなくて~。ツウになれたらほんとに楽天地だろうなと思います。

● 福音喫茶メリー

「野毛で一番気になる場所がここ」と連れてきてもらったのが、「福音喫茶メリー」。
うーん、たしかに気になる!



「福音って、あの福音よね?」「ほかにないよね」
つまりは「神の声カフェ」ってこと?何をするんでしょう。
メリーという名前も気になります。
聖母マリアのことなのかなとは思いますが、横浜でメリーというと、どうしてもハマの伝説「白いメリーさん」を連想します。
野毛というアヤシサもあいまって、ちょっと腰が引けそう~。



でも、建物の上にちゃんと十字架があったので、ひと安心。
あやしくはなさそう。教会が経営するような、きちんとしたところなのでしょう。
以前行った早稲田の預言カフェよりも、本格的な気がします。



カフェメニューは、コーヒー、紅茶、ジュースなどがあり、以前のちぐさよりもテンパらずに済みそう。
とはいえこの日は日曜日。クリスチャンの安息日なので、カフェももちろん閉まっていました。

● 100円コインロッカー

ほっとして隣の空き地をのぞいたら、100円コインロッカーがありました。
「えっ?なぜここに?」唐突さに驚きます。
「安全なの?」ミライさんもあやしみます。
いろんな意味で、やっぱりなんかこわい~。



NHKの「72hours」で採り上げて、3日間カメラを固定してみてほしいですが、TVに映せないものばかりになったらアレですからね~。

● カフェ・カルディ

ミライさんから「夜更けになると忽然と姿を消す」という謎の焼き鳥屋さんの話を聞きながら、先程の洋食屋さんに行きましたが、まだ開店していません。
そこで、カフェ・カルディという別のお店に入りました。

入ってから、店内でタバコOKだと気づきました。わざわざサインまで出ています。
禁煙の輪が広がるこのご時世で、真逆のスタンスを貫いているんですね。
一瞬ためらいましたが、店内はそれほどモウモウとしておらず、座った席の横に空気清浄器があったので、大丈夫でした。

店内には、競馬新聞を開いて難しい顔で考え込んでいるおじさんたちがたくさん。
そういう人達のためにタバコOKなんでしょう。

今ではカルディコーヒーがあちこちにありますね。
カルディってどんな意味だろうと思ったら、コーヒーを発見したとされるエチオピアの羊飼いの名前だそうです。
お酒のバカルディとは関係ありませんでした!



ここで、イカ明太子チャーハンのランチセットを頼みました。
いくつかあったチョイスの中で一番謎のメニューでしたが、辛さはなくおいしく食べられました。
ガラス張りの店内から外を通る人たちを、紅茶を飲みながらしばらく眺めてから、お店を出ました。
では、野毛から野毛山に歩いていきましょう。

その2に続きます。


冬の鎌倉・江の島の海 index

2018-02-15 | 神奈川
[2018.2.4]
◆ 鎌倉-(1)
 立春の日、札幌の友人と真冬の鎌倉を訪れました。
 寒いですが、人は多く、空は抜けるような快晴。
 お詣りしてから、友のお待ちかねランチをとりました。
  ● prologue ● 快晴の鎌倉 ● いつも混んでる小町通り
  ● 立春の八幡宮 ● 凶でも前向き ● ランチのこだわり
  ● 鎌倉・勝烈庵 ● 江ノ電からの海 



◆ 江の島-(2)
 江の島の海岸に出て、浜辺をゆっくり歩きました。
 冷たい風が吹いていても、海にはいい波を待つサーファーがたくさん。
 友はお気に入りの補充を済ませ、再び北国へと帰っていきました。
  ● 駅前のスズメたち ● 江の島の海岸 ● 海沿いカフェ
  ● 竜宮城イルミネーション ● なんとかハーバー
  ● タカナシのソフト ● epilogue