吹く風ネット

いろんなことに悩む暇があったら、さっさとネタにしてしまおう!

ためいき(再録)

2024年04月21日 | 言葉をつま弾く

ためいき

さりげないためいきやめて
今日から真面目にやっていくんだ
昨日吐いたあの言葉に
嘘や偽りはないんだから

そしていつか見返してやるんだ
あいつも、あいつも、みんなまとめて
あの日のぼくは正しかったんだと
それがぼくの人生だったと

 もう振り返らない 風は追い風だ
 尽きることはない
 もしもつまずくことがあったとしても
 明日のための布石なんだ

疲れたふりなんかやめて
今日から素直に生きていくんだ
ほら明日が笑っているよ
その日の自分が手招きしている

 もう振り返らない 風は追い風だ
 尽きることはない
 もしもつまずくことがあったとしても
 明日のための布石なんだ

さりげないためいきやめて
今日から真面目にやっていくんだ
昨日吐いたあの言葉に
嘘や偽りはないんだから

 

1,
 48歳の時、ぼくの所属していた部署が閉鎖になった。ぼくは専門職で雇われていたため、つぶしが効かないと判断され、リストラの対象となり、そのまま会社を退職することになった。
 それからおよそ一年間、表向きには失業保険をもらいながら、ハローワーク通いをやっていたのだが、その裏では充分に時間が取れるので、『こんなチャンスはない』と思って、エッセイを書いたり、詩を作ったり、歌を作ったりしていたのだった。仕事のない不安や焦りなど一切なく、前向きに生きていたのだった。

2,
 会社を辞める前に、会社側はぼくを自主退職させようとして、色々な工作を仕掛けてきました。この歌は、その時の憤りを詩にして曲を付けたものです。
 この歌を書いてから後は、「所詮その程度の会社だったんだ。辞めて正解だった」と思うようになり、不思議と気持ちも安定し、前述の通り前向きになることが出来たのでした。

3,
 詩の中の「布石」ですが、何も言葉が思い浮かばなかったので、『あしたのジョー』のセリフに出てくる言葉を使わせてもらいました。

4,
 この曲はSoundCloudにも投稿しているのですが、予想外に再生回数が多く、ちょっとビックリしています。聴いてくれている多くの人が海外の方で、この歌詞をどう捉えているのだろうと思っています。


暗闇の向こう

2024年04月03日 | 言葉をつま弾く
『春一番』を作ってから二ヶ月後、ぼくは生まれて初めて恋愛詩を書いたのだが、ギクシャクして何かまとまりがなかった。この『暗闇の向こう』は恋愛詩第二弾ということになる。
 
 夜になると、二階にあるぼくの部屋から、いつも遠くにある街の灯りを眺めていた。その街には、当時ぼくが好きだった人が住んでいたのだ。
 
 
暗闇の向こう
暗闇の向こうに君がいる
月も出てない夜だけど
君がいるのがわかる
暗闇の向こうに君がいる
 
夜はすべてを隠し
冷たい壁が君を包む
暗闇の向こうに君がいる
ふと気づくと後ろにぼくがいる
 
大きな影がぼくを惑わし
たしかに今が夜だ
暗闇の向こうに君がいる
何も見えないけど誰かが呼んでいる
 
暗闇の向こうに君がいる
月も出てない夜だけど
君がいるのがわかる
暗闇の向こうに君がいる
 
 
 
 実はこの詩はまだ長かったのだが、いろんな矛盾が見えていた。何度も書き直したが、うまくできない。ということで、その部分はカットした。ただ、そのカットした中に、
 暗闇の向こうに君がいる、
 いつか聴いた歌が流れてる
という部分があったのだが、そのいつか聴いた歌が、次に作る歌のヒントになったのだった。
 
 ちなみに、現在その「暗闇の君」が住んでいる街は、ぼくの住む街からだと、小高い丘の向こうに隠れていて、昼も夜も灯りすら見えません。つまり今も君は暗闇の向こうにいるのです。
 
 
 

追いかけて

2024年04月01日 | 言葉をつま弾く
 三十代半ばのこと。元同僚から、
「結婚するので、披露宴で歌を歌ってくれんか」
 という依頼がきた。仲のいい人だったので、心安く引き受けたが、なかなか歌う歌が決まらなかった。人の結婚式で歌ったことは何度もあったのだが、同じ歌を歌ったことはない。それが、その人に対する自分なりの誠意だったのだ。
「仕方ない。新しい曲を作るか」
 ということで出来たのが、この曲だった。


追いかけて


まっすぐに歩いてきたけど
いつもいつもぼくはつまずいているよ
起き上がる時にはいつも
いつも君のことを想っているよ

過ぎ去った数々の罪が
心奪う、そんな時にだって
いつも心のどこかでぼくは
君のことを想っているよ

 追いかけて 君の想いを
 追いかけて 君の言葉を
 追いかけて 君の心を
 追いかけて 君のすべてを

明日からの暮らしの糧に
ぼくは君のことを想っていくよ
君を想うぼくのために
いつも君をぼくは想っていくよ

 つかまえて 君の想いを
 つかまえて 君の言葉を
 つかまえて 君の心を
 つかまえて 君のすべてを


 後日、この歌を聴いた人から聞かれた。
「あのー、宗教か何かされているんでしょうか?」
「えっ?」
「あの歌、神や仏を追いかけてるっていうことでしょう?」
「いやいや、あの歌は恋の歌ですよ。好きな人のことを思って書いたものです」
「そうなんですか?とても深い内容なのに」
 とんでもない深読みをする人だった。



空を翔べ!

2024年03月31日 | 言葉をつま弾く
『空を翔べ!』という詩を書いたのは、三十代後半だった。テレビで鳥の巣立ちのドキュメントをやっていたのだが、それを見ている時に、湧いてきた言葉を書きとめたものだ。曲は19歳の頃に作ったものを充てた。
 この歌、過去に何度かブログに上げたことがあるのだが、いつもすぐに消してしまう。今回上げることにしたのは、その時にこの歌を聴いたある方から、
「あの歌を聴きたい。あれを聴くと元気が出るから上げてくれ」
 と頼まれ、それで上げることにしたのだ。


空を翔べ!


漠然と思い浮かべてた 大切な一日が
今日風に乗って おれのもとにやって来た
空には大きな雲が
雨はおれを叩きつける
悪いことを考えている 
「出来るんだ。空を翔べ!」

運命の一日だと 誰かが言った
おれの人生は今日に かかっているんだ
今までやってきたことは
すべて正しいと信じるんだ
決して逃げ出してはいけない
「前を向け。空を翔べ!」

今日がうまくいけば 何が始まるんだろう?
そんなことが頭の中を グルグルと回っている
時間は刻々と迫っている
おれの出番は間近だ
「大丈夫だ。空を翔べ!」

幼い頃から 今日という一日が
どんなに大切な日か わかっていたんだ
弱虫なんか吹き飛ばせ
過去のことは忘れてしまえ
将来(さき)のことは考えるな
「行けチャンスだ。空を翔べ!」


 元気を出して下さいね。



いま(2010年10月12日記事のリライト)

2024年03月27日 | 言葉をつま弾く
いま


いま、いやな時が続いています。
早くここから抜け出したいのです。

時の続く限り少しの夢が欲しいのですが、
時は冷たく過ぎ去っていきます。

 いま、いやな雨が降り続いています。
 もう傘には穴が開いているのです。

 ちょっとだけ傘を直す時が欲しいのですが、
 雨はいつまでも降り続いています。

いま、いやな時が続いています。
そして時は冷たく過ぎ去っていきます。


 音楽や詩をやっていた人の多くは、一度はビートルズにハマったことがあるようだ。ぼくの周りもそんな人ばかりだったし、ぼくもその一人だった。
 ぼくがビートルズにハマったのは、比較的遅く、高校3年の春だった。それまでビートルズで知っている曲は10曲に満たなかった。
 そんなぼくがビートルズに目覚めたきっかけは、こちらのFM局で、ビートルズ解散5周年的な放送を聴いた時だ。そこでかかった曲は、ほとんどが聞いたことのある曲で、「えっ、これもビートルズの曲だったのか」と、いちいち感動したものだった。それ以来、友だちからレコードを借りてはテープに録音して、受験勉強もせずにずっと聴いていた。
 その結果が、『いま』という歌だ。

 これを聴いた人は、決まって「ビートルズの歌に似ている」と言う。それでいい。曲も歌詞も、そういう意図で書いたからだ。
 書いたのは、高校3年の6月だった。さっそく当時作っていたバンドでこの歌を、2学期頭に開催する文化祭で歌おうと意気込んだのだが、バンドは夏休みに解散してしまい、文化祭には出なかった。




春一番

2024年03月23日 | 言葉をつま弾く
gooブログに引っ越した当初に上げていたものですが、リンクを貼り替えました。

春一番


顔を洗って、風が肌を潤すとき
誰かがささやく、変わったねあなたも
うん、もう春だもの
春一番、ほらもう冬を忘れてる

風の光に白い山が笑うとき
誰かがささやく、長くなったね髪も
うん、もう春だもの
春一番、ほらもう冬を忘れてる

温かい風に川の水も温むとき
誰かがささやく、変わったね声も
うん、もう春だもの
春一番、ほらもう冬を忘れてる

春風がまわりの冬を追い払うとき
誰かがささやく、どこに行くの冬は
あなたのいないところに
春一番、ほらもう冬を忘れてる




春のようなしぐさ

2022年03月02日 | 言葉をつま弾く
 嫁さんと付き合いだしたのは、ぼくが25歳の時だった。最初に会ったのが23歳の時だったから、出会ってから2年後に交際が始まったことになる。
 最初に会った時に、何か予感のようなものがあったものの、当時未成年だった彼女に恋愛感情を抱くことはなかった。ただ、住んでいる所が近くだったこともあり、時々は一緒に帰ったりしていた。
 それから徐々に二人の距離は縮まっていき、周りの人たちから『お似合いのカップル』と言われるようになる。そして出会いから二年後、ぼくたちは付き合うことになった。

春のようなしぐさ
春に舞う鳥になれたら
いつもぼくは君のそばにいて
二人で空を翔んでは
ありったけの愛を歌う

こんなひとときにも君は
苦労性に体を動かす
「それでもいいよ」という君を見ていると
ぼくはとてもやりきれなくて

笑いながら日々を過ごせたら
こんなにいいことはないのにね
それはこの上もない
幸せだけど

春のようなしぐさで
日々を過ごしたいもんだね
それは届かない夢だろうけど
こんな小さなひとときだけでも

 ⇒ ♫春のようなしぐさ


 嫁さんは、実に働き者なのです。おかげでぼくはラクさせてもらってます。が、それではいかんと思って作った歌が、上の歌でごさいます。

春の夜

2022年01月21日 | 言葉をつま弾く
 1978年、この年の4月にぼくは東京に出る。その少し前の話。
 その前の年、ぼくはデパートの配送部門でアルバイトをやっていた。お歳暮を地区ごとに振り分ける仕事だった。そんなに長くはなかったが、いろいろな友だちが出来、実に楽しい時間を過ごさせてもらった。

 そのバイトはお歳暮商戦が終わるまでの契約だったため、年が明けてさっそくバイト探しをすることなった。
 ところが、なかなかいいバイトが見つからない。よさそうなところは、年末で応募を締め切っていて、残っているのは漬物の訪問販売くらいなかった。それも短期だ。
 とはいえ何もしないわけにはいかない。ということで、訪問販売をやってみることにした。

 短期なんだし、闇雲にドアノックするような悠長なことはやってられない。そこで作戦を立て、友人知人の家に行ったり、卒業校に乗り込んだり、小中高の先生にアタックしたりと、片っ端から売り込みをかけた。
 最初はあまりいい顔をされなかったが、だんだん売るコツというのがわかるようになり、飛び込みでも売れるようになった。

 そのバイト中、他のお客さんを何人か紹介してくれた親切な方がいた。その人は高校時代に好きだった人のお母さんだった。実は本人に会いたさにその家に行ったのだが、お目当ての本人は不在。にも関わらず、そのお母さんは本当によくしてくれた。
 その夜、ぼくは本人にお礼の電話をかけた。2年ぶりに聞く声だった。その時味わった至福感、それをぼくは歌にした。

春の夜
夜が来て 星がともる
夢から覚めた 月も色づく
なぜか人は 急ぎ足で
行きすぎる

道ばたには 小さな花が
眠たげに 目を閉じる
夜を忘れた鳥が 家を探し
飛んで行く

 目の前が急に 明るくなって
 夜もまるで うそな公園に
 君と二人 これからずっと
 暮らしていこうよ

風が吹いて 君は舞う
春に浮かれた 蝶になって
ぼくもいっしょに 羽を広げ
飛んで行こう

 ⇒ ♫春の夜

 44年前のこの時期だった。あの晩、外では雪が舞っていたんだけど、心はほの暖かく、まるで春のような気分になったのを憶えている。
 この歌、ぼくの一番好きな歌なんです。
 
 

淡い望み

2022年01月08日 | 言葉をつま弾く
 何度も書いているが、ぼくは20歳から22歳にかけて東京に住んでいた。その間、いろいろな出会いがあったものの、付き合うまでには到らなかった。高校時代に好きだった人の影を、ぼくはまだ追っていたのだ。

 東京に出て二ヵ月目のある夜、
「いったい彼女のどこが好きなんだろうか」
 と考えていた。
 同級生とはいえ、さほど会話を交わしたこともなかったから、相手の性格もよく知らない。決して美人でもなかった。
 卒業アルバムなどを見ながら色々考えていくうちに、ハタと気がついた。
「そうだ、これだ!」

ショートホープ・ブルース
ねえ、ちょっと目を閉じると
君の姿が見えてくるんだよ
ねえ、ちょっと君が笑ってくれると
ぼくはまた眠れなくなるよ

ねえ、寝付かれない日々だけど
いつもぼくはショートホープを
ねえ、いつか君にあげたいんだけど
君にはとってもわからないだろうね

 ねえ、だからさ わからない君に
 ブルースを歌ってあげるよ
 ねえ、優しすぎる君の頬に
 ショートホープ・ブルースを

ねえ、いつか君と暮らすんだよ
だからぼくはショートホープ・ブルース
ねえ、いつか君と暮らすんだよ
だからぼくはショートホープ・ブルース

 つかの間の夢に うつむいたぼくの心を
 静かになだめてくれる
 ねえ、だからそんな君の頬に
 ショートホープ・ブルースを

ねえ、いつか君と暮らすんだよ
だからぼくはショートホープ・ブルース
ねえ、いつか君と暮らすんだよ
だからぼくはショートホープ・ブルース

 ⇒ ♫ショートホープ・ブルース


 面長で頬のこけていた高校時代のぼくには、丸顔の彼女のやや膨よかな頬が魅力的に映ったのだ。その頬に淡い望みを持ったわけだ。

 詞はその時に書いたもので、曲は他の歌詞に使っていたものを使った。
 この歌、えらく難しくて、長いこと歌いこなせずにいた。何とか人に聴かせられるようになるまで十年近くを要している。自作曲でそこまで時間のかかった歌はなかった。
 さらに難しかったのがギターだった。ピックが思っている弦に当たってくれないのだ。これは今でもそうで、なかなか思うようにいかない。

夢のいたずら

2022年01月06日 | 言葉をつま弾く
 昨日、『勘違い』という記事を書いていて思った。
「やっぱり好きというひと言を相手に伝えた方が良かったのではないか。そうすれば結果はどうであれ、その先に進めたはずだ」と。
 言わなかったから、いつまでも未練を引きずる結果になったのだ。
 今日紹介する歌を作った時も、そんなことを考えていた。

夢のいたずら
「君を愛してる」と言いかけた時
いつも同じように終わる君の夢
言い出せなかった大きな悔いが
いつまでも残る
あの若い日は先へと進まない
いつもいつも途切れた映画のように
後味悪い夢のいたずら

朝の目覚めは夢を引きずって
力の入らない一日の始まり
あの頃君はぼくのことを
どう思ってたのか
知りたくなって想い出を訪ねる
いつもいつも過去に縛られていく
もう戻れないことも忘れて

 言い出せなかった大きな悔いが
 いつまでも残る
 あの若い日は先へと進まない
 いつもいつも途切れた映画のように
 後味悪い夢のいたずら

 ⇒ ♫夢のいたずら


 当時こんな夢をよく見ていました。あまりに頻繁に見るので、
「やっぱり告白したほうがよかったのかなあ」
 と思ったものです。

 歌詞を書いたのは30代前半。曲の方はポール・マッカートニーの『Magneto and Titanium Man』を若干意識して作りました。
 この録音は40代中頃。演奏はお聴きのとおりギター一本、親指と人差し指の2フィンガーでお手軽に弾いております。お手軽な分、リズムが取りにくかったです。

                      

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