銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

天神湯(東京・中野)(リニューアル)

2024-05-11 06:42:00 | 銭湯
#天神湯
2023年12月8日
リニューアル




JR中央線・総武線
#中野駅
▲JRの中野駅

▲下車すると、音鉄さんを発見。スピーカーにマイクを当てて録音していた

▲北口の改札口をめざし

▲北口を出て振り返ったところ

▲改札口を出たら右に進む。ちょうど桜が散る時期に訪れたので、左の桜の木が葉桜に移行する最中だった



▲線路沿いを歩く



▲一度、突き当たりにきて

▲右の道なりに歩く

▲ひたすら線路沿い


▲ここでストップ

▲パイナップルが目印

▲左の路地にすすみ

▲すぐに十字路があるのでそれを右

▲右にむいたところ


▲あとはまっすぐ進むだけ

▲ここらへんで煙突がみえてくる

▲立派な煙突である

▲住宅を兼ねた建物のようだ

▲左から来て右に入り口がある


▲到着


のれんをくぐって中に入ると、コの字の通路になっており、時計まわりにグルッと進む。左手にある下足箱にサンダルをあずけてフロントの前に立つと、座るのは70後半から80代ぐらいかな?の男性。渋い顔立ちで、対応も毅然としていた。
「こんにちは」と挨拶したあとに、「貸しタオルありますか?」とたずねると、「はい」と後ろに向いて手にとってもらい、「バスタオルですか?」と聞かれてので、「フェイスタオルで」と答えたが「え?」と聞き返されたので「小さいタオルでお願いします」と言い換えた。
男湯は左側で、女湯は右側。


のれんを抜けると、その先は引き戸になっており、開けたら閉めてくださいとの文字がある。
脱衣場はリニューアルしたとあって、テーマが一貫し、洗練された空間に生まれ変わっていた。
真ん中には島ロッカーが据え付けられ、右の間仕切りにもロッカーがある。
こちらはコインリターン式ではなく鍵のみなので、面倒がなくていい。
ただ、鍵は持ち帰らないでくださいとの注意書き。鍵の持ち帰り問題は21世紀の4分の1が過ぎても決定的な解決策がないままだ。客がみんな顔見知りならカゴが一番の正解だろう。脱ぐ場所も選ばないし。それか下駄箱の鍵とロッカーの鍵を連動させるか。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲右にある伊藤園の自販機は電子マネーが使える。老舗の銭湯にも徐々に時代の変化が浸透している



脱衣場に入って左側のほうには坪庭がある。この日は気温が高かったため扉は開けっ放しで外から風が入ってきて気持ちよかった。庭は綺麗に剪定されており、趣のある風景。天井からは低いところまで電飾が下げられ、お洒落ポイントになっている。

出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲池では鯉がおよいでいた


浴室の扉をあけると、メインとなる浴室は部分的な中普請にとどめているようだ。奥にある富士山の壁絵と浴槽自体はほぼ変わってない。変えたのは、シャワーとタイル張りぐらいか。

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲男湯


▲女湯


洗い場のカランは3つ並び、右側は壁沿いで、真ん中に島カランがある。
左にも島カランがあるが、そのカランの左裏に小さな浴槽があった。
こちらは高温湯で、45℃ぐらい。久しぶりの熱湯だったので最初は刺激が強く感じたが、慣れると気持ちいい。

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こういう配置の浴槽は珍しい。人目を気にする人はいいかも。夏は低温湯に代わるそうだ


カランのシャワーは新調したと思われるのだが、一部で拡散してしまってるヘッドがすでにあって、半年もたたずに不具合が出るものなのか。
立ちシャワーは入ってすぐ右手にあるが、こちらは最新式の大きく平べったい四角のヘッド。勢いは微妙だったが、体全体を洗うのにちょうどいい。


浴槽は先ほどの高温とは別の奥に、主浴槽がある。水風呂と中温湯が並ぶ。
水風呂は右側で、手を突っ込んでみたところ思ったよりもぬるい。おそらくチラー(循環冷却器)を使わず水をそのまま入れているだけだろう。それだと季節に応じて温度は変動する。スペースは詰めれば3人ぐらいが入れる広さだった。


左側の中温湯は正方形になっており、そのうち右半分が浅浴槽で、左半分が深浴槽かつジェット関連の設備である。
手前にあるのがハイパージェットで、真ん中が横から噴出する通常のジェット、そして一番奥にあるのが電気風呂。電気の強さは微弱であった。
中温湯はおそらく42℃ぐらいかなという温度で、最初の足に入れたときに少し熱く感じた程度なので長湯に最適。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲この温度でも熱がってる人がいた


壁絵は古典的な富士山の絵で、みんなが銭湯でイメージする姿そのものだ。
壁絵の下には昔ながらの金魚のタイル絵が描かれている。寓話的な優しさが滲みでたノスタルジックな絵柄。
天井は高く、新しく塗り直したためか光を反射して気持ちいい清潔感がある。



リニューアルしたということで、設備を一新したのかと思っていたが、実際は使えるものはそのまま残していて大きな目新しさはなく、新調した銭湯にありがちなラグジュアリー体験もなし。
ただ、レトロな雰囲気は残しつつ装いを変えたリニューアルなので、歴史の継承という点では良かったと思う。
最近はリニューアルすると流行りのサウナを取り込むところが多いけれども、銭湯はやはり風呂屋としての矜持を貫いてほしいと思っているので、ここは自分好みの新装開店だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 中野
経路 東の住宅街へ
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 富士山の壁絵
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 統一感がありキレイ
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 高温湯、ハイパージェット、ジェット、電気風呂、水風呂
サウナ なし
温度 42~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 渋い
清潔さ キレイ
貸しタオル あり(たしか無料だった気がしたけど間違ってたらごめんなさい)
備え付け あり

◆人
受付 70代後半ぐらいの男性
客層 高齢者がメイン


【案内】

住所
〒164-0001
中野区中野5−10−10

電話番号
03-3387-2657

アクセス中央線「中野」駅下車、徒歩7分

休日
木曜

営業時間
15:00−23:30
(最終受付23:00)

※東京銭湯ホームページ転載

変容する渋谷のランドマーク

2024-05-05 06:46:00 | 日記

100年に一度の再開発中と言われているヤーシブこと渋谷。昭和を代表する作家の遠藤周作は、この街はいつ来ても工事をしていると呆れたように随筆に書いていたが、活発な新陳代謝は令和になっても止まらず。100年に一度の開発も少し加速しただけで、一段落しても止まることはないだろう。

海外メディアが東京を話題にする時に必ず映し出される渋谷スクランブル交差点は、外国人にとって刷り込まれた東京の象徴であり、土産話のために必ず立ち寄らなければならない義務と使命感にかられた場所だ。
スクランブル交差点を正面から見下ろせる絶好の撮影スポットSHIBUYA TSUTAYAは、海外旅行者にとって約束の地。日本でもっとも外国人密度の高い場所である。
この渋谷TSUTAYAは長いあいだ中普請をしていたが、2024年4月25日にリニューアルオープンし、ふたたび外国人の溜まり場と化している。



▲工事をしてた頃

▲そしてリニューアルオープンした


▲外国人たちの多くは笑いながら撮影している。何千人も同時に交錯する状況は笑ってしまうほど非日常的な風景なのだろう

▲こちらは中に入った1F。アニメの推し活の空間となっていた

▲2Fがくだんのスターバックスである。ちなみに渋谷駅周辺にはスタバが18店舗もあるそうだ。大杉だろ


スタバに来て思い出したことが2つあった。ずいぶん前になるが、スタバの中から外を撮影したら、「撮影しないでください!」と眉をつり上げた若い女性店員に強い口調で制止されたこと。べつの若い女の子たちは店内で自撮りしてたのに…。
もうひとつは、東京の中心地にあるスタバほど店員さんがみんな若くて美人であることだ。失礼を承知でいうと、軒並み同じ顔にみえる。おそらく外見に関する男目線の採用基準があるのかも。地方のスタバはどうか知らないけど、東京はヒエラルキーの高い場所に行くほど露骨になる。最近ではルッキズム(外見重視主義)批判の風潮があるが、ここでは無縁だ。
さらに、付け加えるならみんな英語が堪能である。外国人ばかりが相手ならたしかに英語は必須だけど、一体どういうルートを使えばこうした人たちを集められるのか。

▲ほとんど外国人ばかりなので、異国に来た気分。天井付近のデジタルサイネージでは豆の生産からコーヒーに至るまでの物語が展開されている。緑のテーマカラーも珈琲豆に基づいたものだろう

▲エスカレーターの反対側には

▲スクランブル交差点を一望できる

▲下からはこんな感じ

▲こちらは2019年の写真。リニューアル前はガラス面に席が並べられてあった。この席に座ってたときに隣の知らないお兄さんから、三井住友銀行はどこですか?と尋ねられたことがある

▲2020年の写真。今は解体している東急から撮影

▲コロナ渦の時。誰もいない

▲空席を映し出す防犯カメラの映像。
そんな時代も遠いむかしのように、渋谷は再び活気を取り戻した

▲3F、4Fは、シェアラウンジ(半個室の貸しスペース)。いま蔦屋が各地で広げてる業態だ。ここだと1時間1650円で、延長は30分825円。
本質的にやってることは漫画喫茶と変わらないので相場としてかなり強気の価格設定だが、ソフトドリンク飲み放題にパンやスナック食品も食べ放題。アルコール飲み放題だと2200円になる


▲このように漫画本が並んでいる

▲5Fがポケモンカードゲームの出来る場所となっている




既視感が強く、ここでしかできないものはほとんどないかなという印象。
リニューアル前の方が文化的な遺産をきちんと継承しており、ここでしか出会えないものが多かった気がする


▲リニューアル前のTSUTAYA

▲最近までVHSのレンタルをしていた





▲エロ系も健在。VHSやインターネットの普及はアダルトコンテンツが大きな原動力となったと言われているが、こういう清濁あわせ呑む文化こそ持続可能な文化ではないかと思う


ちなみにであるが、このTSUTAYAに行った帰りに横浜線に乗っていたところ、突如としてにぎやかな関西弁の女性の声が聞こえてきた。ゴールデンウイーク中だから関西から来た観光客なのかなと思っていたら、小柄な白人女性がレプリカユニフォームを着た日本人の親子に話しかけていた。コテコテの関西弁で。おそらく大阪に拠点を置くスポーツチームのユニフォームだったので、懐かしくなって関西弁で話しかけていたのかもしれない。
それに対してお父さんは英語で答えており、日本のグローバル化の一端を垣間見た思いだった。
食べ物(博多の天ぷら美味しい!)やポケモンのこと、阪神ファン(優勝してうれしかった)であること、家族のこともあけすけに語っていた。聞き耳立ててたわけじゃないけど、自然に聞こえてきたことを弁解させてもらう。
こうした人たちをみると、日本文化が引き寄せる影響力の強さを感じると同時に、日本文化はますます様々な国の人々を呼び寄せて電車で遭遇したアメリカ系関西人のように、出自文化と日本文化を掛け合わせたユニークな人たちを生み出していくのかもしれない。
いままさにインバウンド向けに日本文化の発信へと舵を切った渋谷TSUTAYAであるが、このような施設がますます日本の多様性を加速させるだろう。

富の湯(東京・柴崎)

2024-05-04 08:47:00 | 銭湯
#富の湯






京王線
#柴崎駅

▲京王線の柴崎駅

▲改札口の前に木が植えてある

▲北口をでたら、南口方面にむかうので踏切をわたり

▲そのまま真っ直ぐ




▲左に青木屋がみえてきたら立ち止まり右折する

▲右折したところ

▲再び直進する


▲今では珍しい公衆電話


▲川の橋をわたる




▲まだ直進して

▲セブンイレブンの駐車場のところで止まり、左折する

▲左折したところ

▲あとは真っ直ぐいくだけ

▲大きな煙突がみえてくる



▲入り口はどこだろ?と思ったら

▲壁に挟まれた通路があった

▲細長い通路を歩くと

▲右に向けば入り口が見える




▲到着


富の湯は日曜日限定で8~12時の朝風呂をやっており、訪れたのはその朝風呂をやっている時だった。
下足箱に靴を預けて自動扉の奥へと進むと、目の前にフロントがある。
座るのは、30代半ばぐらいのおしゃれな佇まいをみせる男性。対応も落ち着いており、しっかりした人という印象をもつ。
貸しタオルをお願いすると、「100円です。フェイスタオルで大丈夫ですか?」と聞かれた。フェイスタオルのレンタルが100円はちょいと高いかもと思ったが、サウナは入浴料込みで720円だから良心的な値段でやってるところだ。
タオルをレンタルしたときは下足箱の鍵(木札)をお店の人に預ける。一般的には交換用のタグが渡されるが、ここではなにも無し。大丈夫かなと思ったが、帰りの時はちゃんと覚えてくれていた。


フロントにむかって左に目を転じると、はす向かいが休憩所になっていて、テレビやソファーが並ぶ。入り口付近にはなぜかキウイが販売されていた。
その休憩スペースの椅子に座っていた年輩女性が、受付の男性に夫が予定時刻になっても戻ってこないので探してほしいと相談していた。
脱衣場に入ると、ちょうど受付の男性も追いかけるように入ってきて、先ほどの旦那さんの名前を連呼していた。運良く浴室からあがったタイミングで遭遇していたが、そこまで面倒を見てあげなきゃいけないのかと同情した。


脱衣場は古い建物で昔ながらの脱衣場という感じなのだが、よくよく見るとちょっとセンスが変わっている。振り子時計の背景はピンク色のストライプ模様で壁一面を覆っていた。
照明はシャンデリア風で、和なのか洋なのか古いのか新しいのかコンセプトの軸がみえてこない。
奥のくぼみには小さな部屋がひとつあって、下にはゴザが敷かれている。そこにマッサージチェアと古いテーブルがポツンと置かれてあった。
体重計は2つあり、ひとつはデジタル体重計で、もうひとつは古いアナログ体重計なのだが、アナログの方は乗るたびに全然違う体重を示していた。




▲手前にある部屋。まるで昭和の一般家庭にあるような雰囲気


浴室の扉をあけると、まず目に飛び込んでくるのは入浴客の多さだ。朝風呂でもこれだけ賑やかとなると、夕方も相当混んでるのだろう。
洗い場の配置は真ん中が島カランで、左壁沿いにもカランが並ぶ。
左の手前は立ちシャワーがふたつ。
カランにしても立ちシャワーにしても勢いがあって使いやすかった。
右側に目を転じると、手前にあるのがサウナで、その隣奥に水風呂がある。
水風呂は詰めて2~3人。余裕をもたせると2人ぐらいかなという広さだ。水温は冷たすぎず20℃前後だろう。


▲サウナの中


主浴槽は浴室の奥にあって、大まかにふたつに分かれている。
左側が深浴槽の座湯になっており、温度は41℃ぐらい。右隣は浅浴槽で電気風呂とバイブラが併設されてある。
奥壁にあるお湯の湧出口には石が転がっていたが、なにも解説はなかったのでふつうの石コロだろう。
こちらも温度は41℃ほどで快適。日差しこそ直接は入ってこないものの明るい時間帯のお風呂は少しばかりの背徳感と贅沢な気分にさせてくれる。


▲男湯


▲女湯


外にはささやかながら、露天風呂も用意されていた。
水風呂と浴槽のあいだに挟まれた右側に扉があり、そちらを開けると横の空間に外気浴の椅子がふたつ並ぶ。奥には日替わり薬湯の露天風呂があった。
露天風呂は2人しか入れないような小さなスペースだけれども、ちょうど三本のシュロの木が真っ青な空の中を風に吹かれて小刻みに揺れていた。
こちらの温度は気持ち高めで43℃ぐらいだっただろうか。しかし外の空気が冷たいときに訪れたので快適だった。

▲見上げれば煙突がみえる


▲外から撮影した写真。この左壁の内側に露天風呂がある


富の湯の壁絵は題材が少し変わっていて、満月の夜の湖畔が描かれている。水面に浮かぶ満月の姿が印象的だ。
客層はほぼ高齢者であったが、30~40代ぐらいの人もちらほら。帰りの時には家族らしき人たちも見られて、地域に根ざした銭湯だと感じた。


富の湯のホームページには狛江にある銭湯と紹介されているが、狛江駅から歩くとなると30分もかかる。
なので最寄り駅は京王線の柴崎になるが、それでも歩いて15分。柴崎の裏手には歩いて1分で到着する神代湯があるので、銭湯巡りを趣味としている人間じゃないとなかなかあえて富の湯を選ぶ人はいないかもしれない。
しかしそうした不遇の立地ながら入浴客が多かったということは、地元民から愛されている銭湯の証だろう。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 柴崎
経路 南下する
周辺の環境 集合住宅、公園、給食センター

●空間演出
建物外観 コンクリート造り
壁画・眺望 月明かりの風景
統一感 なし
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 和洋折衷?
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 座湯、電気風呂、バイブラ
サウナ あり
温度 41~43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 30代の男性
客層 高齢者がメインで、夫婦や親子


【案内】

住所
〒201-0001
狛江市西野川4−5−14

電話番号
03-3488-2272

アクセス
京王線「国領」駅下車、徒歩10分

休日
月曜

営業時間
14:00−24:00
日曜は8:00−12:00も営業

※東京銭湯ホームページ転載

お休みのお知らせ

2024-02-07 09:56:00 | お知らせ

いつも読んでいただきありがとうございます。

ここ何年かは定期的に銭湯を通っていたのですが、最近はすこしマンネリ化してきた部分があって、気持ちをリフレッシュさせようと思い、しばらくお休みする予定です。
ブログはやめるつもりがないので春先には再開するつもりです。
もしもその時に読んでいただけたら幸いです。


深川温泉 常盤湯(東京・森下)

2024-02-03 06:52:00 | 銭湯 温泉
#深川温泉
常盤湯




都営大江戸線
#森下駅
▲森下駅


▲改札口をでたら


▲A7出口をめざす


▲端折ってるが、構内をかなり歩く

▲地上にでたところ


▲近くにある地図をみると、左上にA7出口があり、右下に湯の文字がみえるが、それが常盤湯だ


A7を出たら右に進む

▲ちょっと歩いて



▲ここでストップ。向こうに川が見えるが、その少し手前あたりになる

▲右折して




▲左側に常盤湯がみえてくる




▲到着

▲小さなタトゥーはいいが、大きなタトゥーは駄目だそうだ。暴力団関係者も入場禁止とある


▲目の前には、有料パーキング。奥には自転車置き場があった


開店前に訪れると10人以上の人がすでに並んでいた。近くを通った外国人が、なにここ?と不思議そうな顔つきで通り過ぎていた。
開店時刻の12時をすこし過ぎたあたりに玄関から扉を開く音が鳴り、40代ぐらいの男性がのれんを手に出てくる。
並んでいた先頭の人は掲示物などを出し終わったタイミングで入っていく。
入り口は小さいのですぐに混雑したが、ここは客のマナーが良いのか押し合いへし合いにはならなかった。
靴を預けて左の入り口へと進むと、左側にフロントがあり、対応してくれたのは20代と30代ぐらいの2人の女性。
金髪に近い色に髪の毛を染めていて、マニキュアも派手目でヤンママ風と言ったらいいのだろうか?(語彙力が乏しくてごめんなさい) ちょっと今までの銭湯の受付とはだいぶ雰囲気が異なる。ただし、対応はすごく落ち着いていて丁寧だった。
現金の人はフロントの前にある券売機で購入できるし、電子マネーの人は受付で対応してくれる。
入浴料は520円で、フェイスタオルのレンタル料が100円だった。フェイスタオルのレンタルだと過去最高の値段だったので、一瞬、え?と思ってしまった。
下駄箱の鍵を渡して、ロッカーの鍵と交換する。なので帰りのときはロッカーの鍵を返し忘れないようにしよう。
男湯は左側で、女湯が右側。
ちなみに女湯の入り口付近には小さな休憩所がもうけてあり、そこでおじいちゃんたちがビールを飲みながらくつろいでいた。


のれんをくぐると、入ってすぐ左手のところにトイレがある。こちらは使用する際に裸だとのれんの下から例のブツが見えてしまうので、裸での使用は禁止になっていた。
そこを右に曲がれば脱衣場になる。
脱衣場に入ると、さっそく露天風呂に通じる扉があった。昔あった庭を露天風呂に改造したもので、見た瞬間からワクワクさせてくれる。


右手前のところにはロッカーが並び、受付で鍵が渡されるので自分で選ぶことができない。
洗面台にはティッシュや綿棒のアメニティが置いてあった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉をあけると、さっそく目の前には壁に囲まれた立ちシャワーがあった。最近のリニューアルする銭湯でよく見かける作りだ。
浴室の右側には、島カランと右壁にもカランが並ぶ。カランの作りはスーパー銭湯とまったく同じで温度調節もできて、プッシュ式。しかも軟水である。シャンプーするといつまでもヌルヌルした感覚がつきまとう。
室内では落ち着くBGMが流れていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯


浴槽は左端から奥の真ん中付近まで壁に沿って並んでいた。
手前にあるのはシルク風呂で温度は42℃ほど。微細泡で真っ白になり、さらさらした感触だった。その隣にあるのは薬湯のジェットバス。この日は緑茶だった。もちろん本物ではない。
ジェットバスと言っても、最新式は泡がたたないものなので、見る限りだとジェットバスとはすぐに分からなかった。
水まくららしきものがあったが、全く冷たくなかった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


一番奥にあるのは高濃度炭酸泉で、こちらはかなり広い。余裕で5人は入れる大きさで、炭酸の濃度もしっかりある。温度は39℃ぐらいだろうか。思う存分足を伸ばして長湯することができた。


浴室の左手前にある二重扉をあけて外にでると、ここはかつて池だったところを潰した露天風呂だ。
右側に天然温泉(塩化物泉)の浴槽があり、温度はかなり高めの45℃ぐらいだった。冬だからこの気温なのか分からないが、かなり熱い。
おそらくこの熱湯は、むかしの常盤湯の伝統を引き継いだものと思われる。常盤湯といえば熱湯が代名詞だったからだ。
しかし、リニューアルするからといって、よく天然温泉まで掘り当てたものだと驚いた。やるなら徹底してやる方針だったのだろう。
右隅には電気風呂が併設されているが、手を入れてもまったく刺激を感じなかった。本当に稼働してたのかと思うほど。


出典:東京銭湯ホームページ引用


扉から左側に目を転じると、サウナの入り口と水風呂がある。水風呂は外にあるせいなのか、手を突っ込んでみたところめちゃくちゃ冷たい。
シングル(10℃以下)まではいかないけど、それに近いのではないかという感覚だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


天然温泉と水風呂の間には椅子が並んでいる。ただ整然と並んでいるので、まるで病室の待合室みたいな風景にもみえた。壁際にある溶岩や灯籠はそのまま残っていた。一方で頭上には天井が設置してあるので空を見ることができない。これは雨天でも入れる配慮と同時に、近くのマンションやビルから覗かれるのを防止するためだろう。
左隅にも椅子が並び、近くにはエアコンの室外機が置いてある。そこから風が吹き付けるのでめちゃくちゃ寒い。座っていたらすぐに凍えるかと思われたが、逆に血管が収縮したのか体がポカポカしてきて不思議な気分だった。
さらに珍しいのが露天風呂のところに自販機があることだ。
ふつうは裸でお金は持ち歩かないので、なぜ露天風呂に自販機が置いてあるのか?!といぶかしがったが、脱衣場から露天風呂に出られるのと、サウナの横に設置されてあるからサウナ利用客を意識したものなのかもしれない。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲椅子は写真とちょっと違う並びだった。お風呂で黄昏時はいい気分だ


壁絵は男湯と女湯をまたいだ真ん中に真っ白の富士山と宝船が浮かぶ縁起物の絵だった。こうした伝統にとらわれない遊び心ある絵だと田中みずきさんかなと思ったが、やはり田中さんの絵であった。


客層は非常に幅広く、若者もいれば高齢者もいて、実力ある銭湯の証だ。
ここはもともと古い銭湯で、当時は番台に座るのが100歳を過ぎた店主だった。2020年に伺ったが、年齢を感じさせないかくしゃくとした姿に驚いた記憶がある。
それからどういう経緯でリニューアルする形になったのか分からないが、お孫さんが銭湯を引き継がれたのは喜ばしい限りである。一方でもう番台に立たれていない店主のことを思い出すと、すこし寂しくも感じた。


▲リニューアル以前の常盤湯


▲入り口は左側だった

出典:ことみせホームページ引用
▲受付は番台

出典:ことみせホームページ引用
▲浴室は昔ながらの作りだった


出典:ことみせホームページ引用
▲当時はお相撲さんも入浴に来ていて、この縁側で煙草をふかしていた


リニューアルによってそのままではなくミニスーパー銭湯のような形へと生まれ変わったけれども、常磐湯の歴史は不易流行として未来へと引き継がれている。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 森下
経路 
周辺の環境 芭蕉通り、小名木川近く

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 富士山と宝船
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 シルク風呂、薬湯、座湯、高濃度炭酸泉、天然温泉
サウナ あり
温度 39~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 20~30代女性
客層 あらゆる年齢


【案内】

住所
〒135-0006
江東区常盤2−3−8

電話番号
03-3631-9649

アクセス
都営大江戸線「森下」駅下車、徒歩3分

休日
木曜
※祝日でも営業

営業時間
12:00−24:30
最終受付閉店30分前


※東京銭湯ホームページ転載