銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

寿恵弘湯(川崎・川崎大師)

2019-01-26 07:28:01 | 銭湯


寿恵弘湯と書いて「すえひろゆ」と読む。初詣で有名な川崎大師の最寄り駅から歩いて1分という近さにある便利な銭湯だ。
独自のホームページも運営しており、決して大きい銭湯ではないが経営者の意欲を感じさせる銭湯だった。






▲川崎大師駅


▲その周辺






▲訪れたのは2019年1月3日で、まだ川崎大師への参拝客が沢山いたときだった


▲川崎大師の方には「向かわない」商店街へと進む




▲イオンを横切り


▲ここを左折


▲すると、もうみえてくる






▲到着


▲お正月なのでしめ縄を飾ってある



目の前の下足箱に靴を預けると、左側に入り口。自動扉を開けると、ロビーはちょっとした休憩室で、左側に簡単なテーブルが3~4ほど並ぶ。
奥にはキッチン。ソフトクリームなど軽食などを出すところだろう。その奥右側にフロント。受付には、70代ぐらいの女性が座っていた。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、「ありますよ」との返答。お金を差し出すと、「自販機でお願いします」と冷静に返された。
自動扉には「自販機でお願いします」とちゃんと書いてあった。


入り口右側の自販機のところで入浴券と貸しタオル(小)30円を購入。
下足箱の鍵を受付の女性に渡して、ロッカーの鍵と貸しタオルを受け取る。貸しタオルは厚手で他の銭湯と比べるとちょっといい物である。このあたりに意識の高い銭湯という印象を受けた。


男湯は右側ののれんで、入ると通路に常連用のロッカーと、横に体重計、その奥にトイレがある。
脱衣場に出ると、やはり清潔感があって新しい感じである。最近リニューアルしたのかもしれない。
ロッカーは、左の壁に沿ってL字に配置してあるが、驚いたのは入って右側に単独の浴槽があることだ。脱衣場に浴槽がある形である。
全面ガラス張りで、外からも中が見える。お湯は微細泡を発生させて白濁になるシルク風呂。扉の案内には外気浴も楽しんでくださいとあった。
中は、カランらしき普通の蛇口が2つ。それと一段あがったところに湯船。しかし、外気浴をするには椅子などがない。
それと外気浴といっても、端っこの窓が半分空いているだけである。「調整中ですが入浴可」とも書いてあった。
入浴可なのに、なにが調整中なのだろうか? 色々と謎である。


浴室も全面ガラス張りになっていて、上の方はエッチングガラスで熱帯魚が描かれている。
扉を開けると、右手前にサウナ。そして左手前には立ちシャワーがある。
カランは横並びで、島が2つと奥の壁にも並ぶ。全部椅子と桶が用意されていた。
それと左側に浴槽。
浴槽はちょっと複雑な作りで、手前側に主浴槽となる浅浴槽(寝湯+ジェットが2つ)が右側にせり出していて、その左側に水風呂、深浴槽、薬湯が奥に向かって並ぶ。
水風呂は、16℃ほど。浅浴槽が40℃ほど。深浴槽と薬湯が41℃ほどか。そして脱衣場にあったシルク風呂も40℃ほどである。
全体を通して、温度はみんな低めだ。こうしたぬるい温度はリニューアルした銭湯にみられる傾向だろう。


浴室全体は白で統一されていて、天井はビル銭湯(たぶん自宅兼)のため二階ほどの高さしかない。
とても清潔感があって、心地よい空間である。
壁画はなくて、彫り込まれたタイルを使った幾何学模様を表現している。なんとも表現しにくい現代アートだ。


客層は、高齢者ももちろんいるが、どちらかというと若い人が多かった印象である。理由としては商店街に近いというのもあるだろう。
食事をしたり、遊んだり、初詣の帰りといったついでに寄る気軽さがこの銭湯にはある。
ほかの銭湯でも商店街に近くて清潔感ある銭湯というのは、大抵にぎわっているイメージである。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 川崎大師駅
経路 商店街に向かって歩く
周辺の環境 駅前

●空間演出
建物外観 ビル銭湯
壁画・眺望 現代アート
統一感 あり
置物 あり
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 普通の広さながらきれい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 寝湯、ジェットバス、ハイパージェット、薬湯、水風呂、シルク風呂
サウナ あり
温度 41℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 冷静沈着
清潔さ きれい
貸しタオル あり(30円)
備え付け なし

◆人
受付 70代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒210-0802 
川崎市川崎区大師駅前1-6-20

電話
044-266-6231

営業時間
15:00〜25:00

定休日
4日・14日・24日

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

はすぬま温泉(東京・蓮沼)(リニューアル)

2019-01-23 06:47:50 | 銭湯 温泉


東急池上線の蓮沼駅を下車して、徒歩2~3分のところにはすぬま温泉がある。
前回はちょうどリニューアル前に訪れたが、今回はそれから一年ぶり。
相変わらず人が多く、人気のある銭湯だった。






▲蓮沼駅


▲地図を見ると、目標とこの距離


▲目の前の横断歩道をわたる


▲通るのは、プロムナード蓮沼通り








▲ストップ


▲ここを右折


▲もうはすぬま温泉がみえてくる










▲到着



外観にはステンドグラスが囲み、大正ロマンといった感じである。内部もそうしたテーマが貫かれていた。


下足箱に靴を入れて、右の扉を開けると左手にフロント。右側はL字型に椅子が並び、テーブルが2つほど置かれてある。
床を見ると、なんと丸いガラスの下にデジタル画像の水槽があって鯉が泳いでいた。
奥にあるのはテレビではなく、富士山の絵。テレビの騒々しさとはここでは無縁だ。


フロントに座るのは、70後半から80代ぐらいの女性。話し方に品がある。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、「え?」と聞かれ、「貸しタオルありますか?」と再び聞くと、「え?」とまた聞き返され、この時点で(貸しタオルないな)と思ったが、念を押して「貸しタオルありますか?」と聞くと、「え?」とまた聞き返された。
「100円のならありますよ」と言われ、100円のタオルを購入。 
ほかだと基本的にタオル購入の際は小さなシャープ、ボディーシャンプー付きだが、ここはタオルのみだった。


右側にある男湯ののれんをくぐって、左通路を通ると脱衣場にでる。
リニューアル前の脱衣場はどんな感じだったか忘れてしまったが、広さはほとんど変わらないのではないかと思う。
ただ、ロッカーは木製になって、床も木材。窓はステンドグラスである。
浴室入り口横に洗面器がある。


中に入るとやっぱり薄暗い。やっぱりと思ったのは、設計が今井健太郎建築設計事務所だからだ。
ここが手掛けると大半は薄暗い(一緒にやってる照明デザイナーの志向なのだろうけど)。


まず最初に目につくのが浴槽。浴槽が浴室の奥まで続く。
あとは左右の壁にカラン。
左手前に立ちシャワー。そのさらに左奥にサウナである。300円と強気の値段設定だ。


浴槽は、手前が水風呂。冷鉱泉の掛け流しである。奥幅はなく、せいぜい2~3人が入れるといったところか。温度は22℃ほど。前のときはもっとぬるかった気がしたが、たぶん同じままだろう。
そして、その奥が炭酸泉。最近リニューアルする銭湯の定番である。そして一番奥が、温泉。
色は浴室内が薄暗いので実際の色合いは分からないけど、薄茶で蒲田の銭湯にありがちな黒ではない。


▲これは外に飾ってあった写真を撮ったもの。写真は女湯なので男湯はこの左右対象であるが、こんな感じである


ここの銭湯で面白いのは、壁画だ。
絵はタイル絵で、屹立した山の合間に木々が生い茂っており、その谷筋のところに滝が流れている。
その滝の下には、壺がある。この壺は絵ではなく、本物の鉄壺だ。鯉と水流の彫り物がされていて、それを遠目で見ると人の顔にも見える。
その口の部分から温泉が流れている。つまり、絵の滝が実物の壺に飛び込み、温泉を出しているという構図である。
それと浴室の間仕切りのところには、木のパネル一つひとつに丸い枠内で花鳥風月が描かれている。このあたりも大正ロマンらしさを感じさせる粋な演出だろう。


天井はやはりビル型なので、そんなに高くはない。
客層は、高齢者を中心としながら、若い人や3、40代ぐらいの中年男性も多く見られた。


テーマが決まってて統一感があって、温泉もあり、リニューアルしたばかりなので全体的に美しくとても快適である。ただ少し不満を言えばなんとなくワクワク感がないというか、ちょっと物足りない気もした。
そのあたりは自分でもよく分からないのだが、旧来もっていたアナログ感を失ったせいなのかもしれない。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 蓮沼
経路 北に歩く
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 古い建物
壁画・眺望 現代アート
統一感 あり
置物 あり
照明 薄暗い

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 普通の広さで綺麗
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 水風呂、炭酸泉、温泉
サウナ あり
温度 42℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル なし(購入すれば100円)
備え付け あり

◆人
受付 70代後半ぐらいの女性
客層 高齢者中心ながら中年、若者と広い年齢層


【案内】

住所
〒144-0051
大田区西蒲田6−16−11

電話番号
03-3734-0081

アクセス
東急池上線「蓮沼」駅下車、徒歩2分

休日
火曜

営業時間
15:00−25:00


※東京銭湯ホームページ転載

改良湯(東京・渋谷)(リニューアル)

2019-01-19 07:37:09 | 銭湯


過去を振り返らず変わり続ける街・渋谷を象徴するように建物を刷新したのが2018年12月21日にリニューアルオープンした改良湯だ。
外観や設備を現代風に衣替えして、洗練された銭湯へと変貌を遂げていた。













▲渋谷駅入り口。工事中は仮の姿ではない。いつも工事をしてるので、これが「変わらない」渋谷の姿だ


▲前がバスターミナル


▲その右側方向に進む




















▲渋谷ストリーム


▲いつの間にか階段が閉鎖されていた。年末には壊して無くなるようである


▲なのでエスカレートで降りるのだが


▲せっかくなのでグルッとまわってみることに




▲右側の広い通路。この先が渋谷駅に戻る方面


▲左側。こちらが進む方向。ここは飲食店が並ぶが、上階はいつもお世話になってるGoogle日本法人本社が入っているビルでもある




▲クリスマス直前ということで、ベルが設置してあった


▲階段を降りたところ


▲振り返ったところ




▲そして川。有名な童謡「春の小川」のモデルとなった川の成れの果てである


▲最初の写真を撮った場所を見返す


▲改良湯に向かって再び出発


▲あとは、ほぼ真っ直ぐ進むだけ












▲すると、さわやか信用金庫がみえてくる


▲その裏側にある




▲もう、みえてくる




▲外壁いっぱいに描かれたモダンアートの鯨


▲右下には解説




▲リニューアルオープンを祝う花






▲到着


入り口に入ると、いかにも今風の下足箱。デザイナー銭湯に生まれ変わったので、シックな装いだ。それとリニューアルしたばかりなので、新築のような建材の匂いがする。


▲こんな感じ

左にある外壁の裏側に販売機があって、そこで各種チケットを購入する。
奥に進むと左手側にフロント。立つのは、20代ぐらいの男性で、アルバイトだろう。いかにもこの年代らしい対応である。
それと飴をもらった。


▲金太郎飴で、ありがとうの文字が書いてある


入り口は右側にあって、奥の方が女湯で、手前側が男湯。
通路の先に行くと、小さな休憩所がある。休憩スペース入り口上にテレビが掛けてあって、その奥に椅子が並ぶ。自販機もあるがささやかなスペースで、猫の額ほどの広さだ。


男湯ののれんをくぐると、脱衣場は極めてシンプルで、磨き上げられたデザイナー空間である。
細部まで統一感があり、一方でシンプル過ぎて無機質な印象も受ける。今の時代を象徴する「最適化」を目指した空間だろう。
真ん中に2つの細長い白い丸みを帯びた椅子。
そして手前と左手壁際にロッカーが並ぶ。トイレは右端。照明は自動点灯する最新式だ。
あとリニューアルした特徴として脱衣場にドレッサーがあることである。
これは主に女性客を意識した改変なのだろうが、男湯にも立派な縦長の鏡台が3つ設置してあった。左端のみテーブル部分が洗面台である。あとはドライヤーがかなりデカい。プロの美容師さんが使いそうなドライヤーだ。


浴室に入るとまず感じたのは、暗い、である。薄暗いというよりもハッキリ暗い。間接照明を駆使した浴室内のため、明るい脱衣場から入るとその暗さが余計感じる。


そして最初に目につくのが、目の前の真ん中に連なる島カラン。イスや桶は全部はじめから置かれてあり、みんな透明のプラスチック製。
カランの作りもスーパー銭湯と同じで固定シャワーなのだが、プッシュ式で自動で止まるものである。
ところでリニューアルして間もなくだからだろうが、隣に座った年配客がそういう仕組みであることを知らなかったらしく、何度も押しながら「これどうやって止めるんだ?!」と聞いてきたので「…自然と止まりますよ」と助言したところ、止まるまでずっと凝視していた。
スーパー銭湯と縁がない層には改良湯の変化は大きな戸惑いだろう。


それと右手前にはサウナ。そのサウナの奥には隣接して広めの水風呂がある。低い天井に覆われ、間接照明で照らされている。シンプルで薄暗く静謐な空気感がある。
さらにその奥にもカランがある。ただ3つほどの短いものだ。


入り口に戻ると、左手前に立ちシャワー。この立ちシャワーがなかなかユニークである。
2つのハンドルがあって、お湯と水に分かれているのだが、最初にお湯のハンドルを回すと、ヘッドの縁と真ん中がLEDで赤く光りだす。
おや?と思い、そうすると水に変えたら青く光るのだろうかと、今度は水のハンドルをひねると、やはり予想通り徐々に青く変わった。
こうした温度を視覚化する仕組みは肌に触れなくても温度が確認できるので、とても便利である。
それとなにが凄いかというと、ハンドルをひねると色が変わるのではなく、今流れている水の温度をリアルタイムで示している点だ。
そのため水からお湯のハンドルをひねると最初は冷たい水が流れている間はちゃんと青く表示される。それから温度が変わると色が薄くなっていき紫っぽくなって赤に変わる。
ここまで凝った作りには感心してしまった。


その立ちシャワーの前には荷物置き場がある。カランに私物を置かないでくださいと書いてあった。
ちゃんと置き場があればカランに私物を置く必要はないので、荷物置き場は最低限の設備だろう(と思うが、実際はない銭湯の方が多い)。


そして肝心の浴槽が左側を占めている。浴槽は前後2つに分かれていて、手前側が軟水。そして奥が炭酸泉である。


軟水は41℃ほどでややぬるめ。中温と表示されてある。
そして向かって左側の奥にボディジェットとハイパージェットが一つずつあった。


奥の浴槽は炭酸泉で、なぜか浴槽内で仕切りがある。全体的に8人ほどが入れるスペース。ほかの銭湯と比べると広めだろう。
この2つの浴槽に隣接する間仕切り壁にはLEDが組み込まれていて、天井に青い光が投射されている。そのため薄暗い空間が幻想的になる。
また直接照明も浴槽の真上にあって、炭酸泉の泡が光の玉として浮かんで見える。浴槽のお湯の波間も天井にもうっすらと反射されている。
こういう演出は、最近のリニューアルした銭湯ならではだ。


しかし、新しくリニューアルした改良湯であるが、一方でどこかで見たことがあるような既視感にとらわれる。
おそらく一因は、銭湯の設計で引っ張りダコの今井健太郎建築設計事務所が手掛けたからではないだろうか?
個々の銭湯は歴史も場所も異なるはずであるが、こうした共通の設計事務所が介在すると、リニューアルしたにも関わらず他の銭湯と同質化されてしまう。


もちろん今流行りの新しい銭湯は清潔感があって落ち着きがあり、随所に芸術性が取り込まれている。間違いなく進化した形の銭湯だろう。
一方で、その代わりに銭湯ならではの「らしさ」が見失われている気がする。ファッションでいうところの、「ハズし」がないスタイルだ。
このあたりで今井健太郎建築設計事務所によりフランチャイズ化された最近の銭湯には少し寂しさみたいなものを感じてしまった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 渋谷
経路 恵比寿方面へと真っ直ぐ
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 現代風へと変貌
壁画・眺望 外壁には躍動する鯨の絵。浴室内は現代風にアレンジされた日本の風景を描いている
統一感 あり
置物 あり
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 シンプルかつシック
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ぬる湯、水風呂、炭酸泉、軟水風呂
サウナ あり
温度 39℃、41℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 若者らしい感じ
清潔さ 当然、キレイ
貸しタオル あり(円)
備え付け なし

◆人
受付 20代ぐらいの男性、30代後輩ぐらいの女性、50代ぐらいの女性
客層 老若男女


【案内】

住所〒150-0011
渋谷区東2−19−9

電話番号
03-3400-5782

アクセス
山手線「渋谷」駅下車、徒歩12分
山手線「恵比寿」駅下車、徒歩12分

休日
土曜

営業時間
月~金曜15:00−24:30、
日曜・祝日13:00−23:00
(最終入場は閉店30分前まで)

※東京銭湯ホームページ転載

鷲の湯(横浜・京急子安)(リニューアル)

2019-01-16 07:44:48 | 銭湯 温泉



かつては横浜三大商店街のひとつに数えられた大口商店街を抜けると、大通り沿いを歩けば鷲の湯がある。
2018年の7月頃に一度リニューアルされたため、改めて紹介することに。
JR大口駅から来ることもできるが、今回は公式ホームページに記載された京急子安駅から向かうことにした。
ここからだと歩いて7~8分の間に到着することができる。祝日に訪れたが、いつも人気のある賑やかな銭湯だった。



▲京急子安駅





▲改札口を出て右側に向かうと、お正月の風物詩である箱根駅伝のコースにでる(しかし鷲の湯はこっちではない)


▲左側をむけばJRの線路が隣接している。交錯してるのは、横浜線と京浜東北線


▲そのJRの線路下をくぐる必要がある






▲真上に電車が通るとかなり響く






▲地上にでたところ


▲商店街にむかう




▲昭和の雰囲気を残したパン屋さんやカメラ屋さんなどが軒を連ねる。時計の針がここでは止まってるみたいだ












▲大通りにでたところ。この写真で見える奥のマンション前が通り魔事件のあった現場だ


▲左を向くと、もう鷲の湯がみえる


▲とりあえず横断歩道を渡る


▲渡って左を向いたところ


▲あとは、この先を進むだけ










▲駐車場も確保されている




▲到着

下足箱はL字型で扉はプラスチック製。鍵はなぜか2種類に分かれてて、100円投入のリターン式と鍵を引き抜くものとある。 


▲下足箱はこんな感じ

右手にある階段を上ると、


▲階段

中二階に常連用のロッカーがあり、その上をスロープであがる。


▲のぼった先のスロープ


スロープの右側は休憩所兼食堂になっている。
奥にあるのが食事の受け渡しをするカウンターで、左のところは写真だと隠れているが、自販機と受付のフロントがある。
メニューをみると入浴料は470円で、サウナ込みだと570円と良心的だ。


フロントに立つのは、50代ぐらいの女性。ここは何回も来ているが、初めてみる女性だった。対応するときは終始笑顔。理想的な対応だ。ほかのスタッフさんたちもみんな感じが良い人たちばかりである。


この日は森林乃湯だったので、男湯は左側。のれんをくぐるとここの規模にしてはそんなに広くないが、ほかと比べればやや広めの脱衣場。
左壁にロッカーが並び、真ん中にもロッカーがある。右側にトイレ。奥には体脂肪率も計れる体重計とその右に自販機、洗面台と続く。
ここのロッカーも鍵が2種類あって、コインのリターン式は面倒なので鍵のみのところを使用。


扉をあけて浴室に入ると、縦長で奥行きのある空間が広がる。
ここは真ん中に浴槽があって、右側にカランが並ぶ。


浴槽は、目の前が円形のラジウム温泉+炭酸泉。リニューアル前は温度の高い黒湯だったが、今は炭酸泉をミックスしてぬるめに変わった。
段差があって深浴槽でもある。
通常だと炭酸泉だけでも目玉になるが、黒湯と組み合わせたことでスーパー銭湯をしのぐ贅沢な設備といえるだろう。


その隣接した奥が主浴槽で、奥に向かってやや広がる。手前側に電気風呂。
その奥に広いスペースがあり、真ん中には球体の噴水がある。
左奥には深浴槽の中にジェットバスが3つ連なり、その対面にジェットバスのないミニバイブラ座湯。ともに水枕付きだ。
水枕は、ほかの銭湯だと機能してないところが少なくないが、ここではちゃんと生きている。些細なことかもしれないが、こうしたところに経営者の真面目さを感じる。


入り口に戻ると、入って手前左側にサウナ。その隣に水風呂がある。水風呂も黒湯(冷鉱泉=ラジウム泉)を使っている。
その水風呂の裏側に3人ほど使えるカラン。メインが埋まっていてもここは空いてることがある。
その奥に、鷲の湯一番の看板設備である北投石(微量の放射線を放つ特別天然記念物)の湯。
階段状になった段差を降りると、若干熱めのお湯になっていて、その横から北投石を通して流れるお湯が注がれる。くわえて勢いあるミストサウナが頭上を覆う。


この日ではなかったが、以前来たときはここのお湯に浸かっていると突然従業員の女性が扉をガラッと開けて、
「体調は大丈夫ですか?」
と聞きに来たのは驚いた。
ここまで気を使う銭湯はほかにないだろう。逆にそれだけ長湯してしまって体調を崩す客が多いということか…。


そして、この北投石の湯のガラス越し裏側に露天風呂がある。露天風呂は、主浴槽のはじっこにある二重扉を開けて入った先だ。
ここは露天風呂にもカランがあるのだが、ほとんどの人はその上に腰を下ろして外気浴をするためカランとして使ってる人は見たことがない。


露天風呂もリニューアルした後は変化が起きており、かつての熱湯が露天風呂に移行している。
以前の露天風呂は若干ぬるめだったので内心ちょっと不満だったのだが(ファミリー層向けを意識してたのかもしれない)、ここが熱くなると寒い時期はちょうどいい感じである。


客層は、年齢別にみるとやはり高齢者が多いが、若い人や子どもも少なくない。
年齢に偏りがないのが鷲の湯の特徴だろう。


全体的にみると、よくできた銭湯で点数をつけるとなると、すべてが80点以上という優等生(あくまでも個人的な採点です)。
そして、全体のバランス感覚が優れている。


いろんな銭湯をみてきて感じるのは、特別な設備をもって人気のある銭湯だと人に揉まれながら入浴を余儀なくされたり、歴史があって由緒ある建物だと老朽化で不便を強いられたりと、強い個性を持つ銭湯というのは、どこかで問題を起こしたりすることが多いが、鷲の湯はそうした偏重した部分がない分、全面的な安心感がある。そしてそうした安心感ある銭湯こそ、また来たいと思える銭湯ではないかという気がする。それが鷲の湯の良さであり、つい通ってしまう魅力かもしれない。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急子安
経路 商店街を抜けた先
周辺の環境 商店

●空間演出
建物外観 マンション銭湯
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 フロント横と食堂
脱衣所 ふつう
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 炭酸泉、ジェットバス、電気風呂、北投石、露天風呂、水風呂
サウナ あり
温度 38℃、43℃、44℃
棚 あり
男女入れ替え あり

■サービス
接客 笑顔
清潔さ きれい
貸しタオル あり(40円)
備え付け あり(2種類)

◆人
受付 50代ぐらいの女性
客層 高齢者中心ながら若い人も多い


【案内】

住所
〒221-0061
横浜市神奈川区七島町151

電話
045-421-2323

営業時間
11:00〜25:00

定休日
不定休

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

井川湯(横浜・京急子安)

2019-01-12 07:02:24 | 銭湯


京急子安駅を降りると第一京浜を渡って住宅街に入れば、ひっそりと佇む井川湯がある。
明治に生まれたこの銭湯は横浜の中でももっとも小さい銭湯であるが、それゆえに昔の雰囲気を色濃く残す懐かしい銭湯だった。



▲京急子安駅


▲そこから左に向くと…

 


▲踏み切りがみえる



▲この踏み切りを渡り






▲その先の第一京浜(=国道15号線。大学駅伝のコースでもある)の歩道を渡る


▲横切ってる最中の写真。こちらが横浜駅方面。ちょうど日暮れ時のマジックアワーだった


▲そのまま真っ直ぐ進んで住宅街の中へと入る


▲ゆるやかな下りになっている




▲ここを左折


▲左に曲がったところ


▲あとは真っ直ぐ進むだけ


▲途中で井戸が見える。これは「浦島太郎の足洗井戸」と呼ばれてるものらしい。
浦島太郎伝説は全国津々浦々にあるが、ここもその一つ


▲かなり狭い路地






▲こんなところに銭湯があるのかと思うのだが…


▲もちろん、ある


▲煙突が隙間から覗いてみえる




▲車の後ろには薪が積まれていた




▲到着


▲ちなみに建物の隣にも井戸。所々に井戸がある下町は珍しい



▲その奥の先を歩くと










▲海である。海の近くに井戸を掘って塩分が混じらないのか不思議だ


さて、開店直後、正確には5分前に到着したのだが、のれんが下りていたため入ることに。




▲下足箱のスペースはこんなに狭い。別の人とぶつかったら、どこかに退避しないとすれ違えないだろう


そして中に入るのだが、入ると左側に番台がある。しかし無人。
「すいませーん。お願いします」と声を掛けるも無反応。
奥の浴室を見ると誰も入っていない。開店してないのに入ってしまったのか?と焦ったが、実はその前に桶をもった年配女性客が入っていくのを見てるのでおそらく開店してないことはないのだろう。
こういう下町にあるところだからユルい感じで(良い意味で)営業してるのかもしれない。
脱衣場はもとより浴室にも誰もいなかったので、ちょっと写真を撮らせてもらうことに。


▲浴室に向かって正面


▲左の間仕切り壁(透視できたら、女湯もこんな感じだろう)


▲そして右側


▲入り口上に飾られた印象的な古い写真のパネル。ご家族の写真だろうか?


しばらく待っていると女性の声が聞こえてきて、女性客に「いらっしゃいませ」と声を掛けながら入ってきた。
番台に座るとようやく自分の存在に気がついてくれたらしく「ごめんなさい、お待たせしちゃって」と言いながら対応をしてくれた。
座ったのは、50代半ばか後半ぐらいの女性。見た目はふつうのおばちゃんであるが、品があって自然な笑顔がとても好感がもてる。Googleのレビューでも好意的なコメントがみられるが、同感だ。


脱衣場は写真のとおり、左の間仕切り壁には大きな鏡。そして、その奥には洗面台がある。写真には写ってないが、床下には体重計。銭湯にあるような大掛かりなものではなく、家庭用のもの。そしていかにも昭和チックな不揃いの椅子が3つ並ぶ。
右側に目を転じると、浴室側にロッカーがあって、その前にはカゴ。カゴの方が手っ取り早くて楽だろうけど、自分は心配性なのでロッカーを使わせてもらった。
手前側の棚は常連客用の荷物置き場で、その下が忘れ物置き場。手前側にテレビ。
そのさらに入り口近くにトイレがあって、もちろん和式だ。


浴室に入ると、まず驚かされるのがその狭さだ。ここより狭くて小さい銭湯は経験したことがない。
そして開店したばかりのせいか、浴室がかなり寒い。また湯気が充満して霧の中にいるような感覚だ。
左壁のカランのみシャワーがついていて、一番手前がハンドシャワー。あとはすべて固定シャワー。といっても合わせて6つしかないが。
右側のカランには蛇口はあっても、シャワーは取り付けられていない。


最初にシャワーを使うと、けっこう熱かった。それからしばらくすると適温に変わるのだが、入浴してあがって再び使うと、今度は最初よりめちゃくちゃ熱い。
どうなってんだと思ったが、時間の経過とともに温度はコロコロ変わるようだ。
それと右側のカランは、お湯のレバーを押すと、辛うじてぬるいお湯が出る程度。冬場で使うには実用的じゃないだろう。


そして奥に浴槽。この浴槽は2つに分かれているが、実際は下の所で通じているので、同じお湯。もちろん白湯である。
左がなんら手を加えられていない深浴槽のお湯。右がかなり勢いのある浅浴槽のバイブラ。
バイブラはお湯が沸き立っているようにみえるが、足を入れると43℃ほどの温度だ。


浴槽の広さはもちろん小さくて、どうにか足が伸ばせる程度。自分の短い足でも懸命に伸ばせばついてしまう。
腕は片腕を広げると届く。なので標準的な家風呂の1.5倍程度か。


それと目の前に見えるのがタイル絵とペンキ絵。タイル絵は伝統の鯉と金魚の絵で、上のペンキ絵は自然の風景であるが、珍しく絵が折り返してる(奥の壁から右の壁まで続いている)。
それと、間仕切り壁のカランにもタイル絵があって、そちらは日本の寓話や伝記をモチーフにしたものである。知識のない自分でも唯一わかったのが、真ん中にある二宮金次郎。
いまは歩きスマホが批判されてるので、歩きながら本を読む二宮金次郎の姿は消えつつあるらしいが、ここでは健在である。
こうした絵を選んだところにも昔は子どもたちで賑わっていたのだろうなと想像される。


入浴客はこんなに狭いところなので、だいたい常時2~3人程度。それ以上いると、混雑感がでてくるかもしれない。
お客さんはみんな地元の人たちだろうが、静かでおしとやかな感じだ。干渉するようにこちらを見てくるお客さんもいない。


開店してしばらく経つと、従業員用の出入り口から60代ぐらいの男性店主がデッキブラシを片手に現れて、「ちょっとすいませんね」みたいなことを口にしながら浴槽のお湯をかき混ぜ始めた。
デッキブラシでお湯を混ぜるのは正直どうなんだろうと思ったが、こんなところにも昭和らしさを感じた。


設備の不備から色々と不満がないわけではないのだが、女性店主の対応の良さや独特の空気感、静かな時間を過ごせるなども相まって、不思議と居心地のいい空間だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急子安
経路 国道15号を渡る
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 コンクリート製の古い建物
壁画・眺望 鯉や金魚のタイル絵や古典的なペンキ絵
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場兼
脱衣所 狭くて古い
シャワーの出 場所によってまちまち。オススメは浴槽側のシャワー
浴槽の種類 白湯、バイブラ
サウナ なし
温度 43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 感じが良い
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 50代半ばぐらいの女性
客層 高齢者のみ


【案内】

住所
〒221-0021 
横浜市神奈川区子安通1-165

電話
045-461-5750

営業時間
16:00〜22:00

定休日
不定休

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載