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ポジティブな私 ポジ人

100歳を生きるヒント本

長寿国日本。100歳を超えるご老人の数は、近年9万人を超えたらしい。1世紀を生きると言うのは想像もできない事だ。 
100年を生きている事自体、ミラクルな事だが、「102歳、一人暮らし」と言う本がある事を知った。100歳を超えての一人暮らしとは!奇跡の中の奇跡を生きている人はどんな方なのかと興味を持って読んでみた。

石井哲代(いしい・てつよ)おばあちゃん。
プロフィールによると

1920年、広島県の府中市上下町(じょうげちょう)生まれ。
20歳で小学校教員になり、56歳で退職してからは畑仕事に勤しむ。
近所の人からは、今も「先生」と呼ばれている。
26歳で同じく教員の良英さんと結婚。子供はおらず、2003年に夫が亡くなってからは、親戚や近所の人に支えられながら一人暮らしをしている。
100歳を超えても元気な姿が「中国新聞」やテレビなどで紹介されて話題に。

老いてからの生き方ももちろん興味のある事だが、老いる前の経歴にも興味があった。小学校の先生だった。

哲代おばあちゃんには八つの習慣があるそうだ。気楽な一人暮らしだと思うのだが、さすが小学校の先生だっただけに、自分を律する生活をされている事に、見習うべき所がたくさんある。

1 朝起きたら布団の上げ下ろし
起床は6時半ごろ。起床後の朝イチの仕事として捉えて「ちゃんと目が覚めて布団を上げられるのは幸せなことじゃと思うんです」と言う。朝から体を動かし、ささやかな事にも喜びを感じる事は、重要な事だ。

2 いりこの味噌汁を飲む
いりこで出汁をとり、毎回いりこも捨てずに食べるそうだ。動物性タンパク質、カルシウム等これで摂取できる。
私は味噌汁にいりこの出汁を使わないのだが、これを読んでから「使ってみようかな」と思った。

3 何でもおいしくいただく
好き嫌いせず、一日3食。自分の畑の新鮮な野菜で野菜炒めをよく食べる。ご飯は、二膳。100歳というお年でも食欲旺盛だ。やはり食べる事が基本。
哲代おばあちゃんの身長は150センチ、体重は45キロ。BMI(肥満度)を計算すると、指数は20。標準体重の中でも、細めな方だ。体を良く動かすから毎度のご飯二膳もエネルギーとして消費されている結果なのだろう。

4 お天気の日にはせっせと草取り
畑の大敵雑草。戸外の草取りは大変だと思うけれど、適度にお日様を浴びるのも大事。
 
5 生ごみは土に還す
おしゅうとめさんから「石と金物以外は田畑に入れて肥えにせえよ」と言われて以来ずっと守っているそうだ。これぞSDGs。

6 こつこつ脳トレに励む
新聞に折り込まれている脳トレちらしで、漢字の書き取りをしているそうだ。
毎晩日記もつけていらっしゃるようで、3年日記をご使用。次の日記が終わる頃には103歳なので、「紙を粗末にできんから長生きせんといけませんのう」と。

7 良英さんと会話する
既に故人となっているご主人だが、毎日声に出して朝の挨拶やお話する。お布団のそばにご主人の写真を置いている。恋愛結婚なんだって。

8 柔軟体操をする
思いついた時に柔軟体操をするという。
本書の最後の方のページに、中国新聞社の編集委員室長と報道センターくらしデスクと哲代さんの3人で写した写真が載っている。ポーズはお辞儀をするような形で前屈をした三人の姿なのだが、誰よりも体が柔らかく地面にべったりと手のひらがついているのが、哲代おばあちゃんなのが笑える。

畑仕事には、半世紀近く使って先がちびて丸くなった「三つまた鍬(くわ)」を今も使っているそうだ。若い頃からずっと「さびない鍬でありたい」と思ってきたそうだ。
「何かしていないと人間も錆びるでしょ。体も頭も気持ちも使い続けているとさびないの。鍬は私の一生の宝物でございます。」

怠惰に生きていてはダメだということだ。私には耳が痛い。けれどもそのように生きなければと教えられる。さすが先生だけに、読んでいるとなるほどなあと教わることが多い。

哲代さんは若い頃から実に行動的であったようで、教員であった頃から地域の女性と「仲よしクラブ」を作り、定期的に集まっては合唱したり、様々な活動をして親睦を深め、楽しんで現在に至っている。
さすがに50年以上経つと、お亡くなりになった方も増えてしまったようだが、集まっては亡くなった方を偲びお経をあげるのだと言う。
集って、多くの方とコミュニケーションをとるのも良い刺激だ。

その他にも、毎晩大きな声でお経をあげる、オルガンを弾いて歌を歌う等など、長い老後を生き生きと生活するヒントが詰まっている。

どこまでも明るく陽気な哲代さんだが、農家の嫁として嫁ぎお子様ができなかった事は、1950年代という時代を考えるとかなり辛い思いをされたのではないかと思う。そんな思いを負いながら、頑張ってきたのだなあと思う。

「自分を励ます名人になって、心をご機嫌にしておくんです」
自己を肯定する事。大切だ。

一生懸命生きる事の大切さ、楽しく日々を生きること、色んな事を教えてくれる一冊だ。
本書の後ろの方に数ページだが哲代さんのよく作るお料理の簡単なレシピが載っている。酢をよく取り入れるらしい。これも体が柔らかく、健康な秘訣かも知れないなと思った。

自分が100歳になるまで、あと35年もある。人の人生の事とて、いつ何時終わりを迎えるか知れないけれど、年を取るとどうしてもネガティブな方向に思考が傾いてしまう。そんな時、またこの本を読んで元気をもらおうと思う。



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