時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

少子化対策に一家言

2024年03月05日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の38)」
少子化対策に一家言

先月末に人気メジャーリーガーの結婚発表があり、「春だね。」なんて盛り上がってるというのに、
先週末だったと思うが・・・ Z世代(18~25歳)を対象にしたアンケート調査で、
将来、子どもが欲しくないと応えた意見が50%を超えたという回答が、
あまりにもショックで、残念で堪らなかった。

ちょっと前だったと思うが、少子化対策の支援金制度の財源に、
国民一人あたり月額500円程度を、医療保険料に上乗せするという政策に触れたことがあったが、
ない袖は振れないので、それはそれとして大事な事であり、実行すれば良いと思うが、
個人的な思いを吐露すれば・・・ 少子化が加速する原因は別のところにあるような気がしている。

私がその年代だった半世紀前と比べて、なにがどう変わったのだろうか?
単純に思ったことは、変わらないものは、1日が24時間ということであり、
変わったものは、娯楽と情報などの楽しいことや、興味があることが、
金銭的に無理をしなくても、すぐ手の届くところに溢れていることではなかろうか?

わざわざ一人で楽しめる時間を割いてまで、異性と付き合うことに思いが至らないのが現状で、
異性との付き合いが減れば、婚姻数が減るし、婚姻数が減れば、出生率が下がるといった、
風が吹けば桶屋が儲かる的な論法により、少子化スパイラルに陥っているんだと思った。

半世紀前よりも著しく増えてしまった楽しいことを、半世紀前の生活に持ってきたら、
1日は30時間ぐらい必要になってしまうんじゃなかろうか?
然は然り乍ら(さはさりながら)、1日は24時間なんだから、なにかを削らなきゃならなくて、
なにを削るかという選択に、Z世代は結婚と子どもを選択したということなんだと思う。

よって、諸悪の根源という言い回しは、適切ではないと思うものの、
少子化の主たる原因は、生活リズムが社会の24時間体制に対応してしまったことに対して、
個人の生活レベルでは・・・ 1日に与えられた24時間では消化できないぐらいの、
楽しいことが溢れかえったことではなかろうか?

そんなこんなで、半世紀前(私が二十歳の頃)を振り返り、気づいたことを記してみると、
0時を過ぎても点いてた町の灯りは、繁華街や駅前界隈の街灯と、スナックのネオンサインぐらいで、
24時間営業しているコンビニは、私の生活圏には見当たらなかった。

私がラジオの深夜放送を卒業して、社会人として歩み始めた昭和50年代の初めには、
ドラマだって、録画できるビデオデッキがなかったので、見逃したら翌日の会話について行けないし、
ゲームなんて、繁華街の喫茶店にインベーダーゲームのゲーム機が入ったばかりで、
ファミコンの登場は・・・ まだ7~8年も先のことだった。

たまに、仕事帰りにパチンコに行っても、
22時になったら蛍の光が流れて、これからってタイミングで追い出されるし、
スマートフォンも、インターネットもなかった時代で、
ニュースを見逃すと、朝刊が配達されるまでは、情報の取得ができなかったものの、
朝のニュースでアナウンサーが喋ってる情報を、半日程度遅れて活字で読んでるんだから、
当時の情報なんて・・・ その程度の扱いだった。

そんな時代のアフター5(当時は仕事が終ってからの時間をそう言っていた。)の楽しみといえば、
仕事が終ると自動車学校に通って運転免許を取り、安月給を切り詰めてローンで車を買うと、
助手席に彼女を乗せてドライブに行くことが・・・ 数少ない楽しみの一つだった。

よく行った深夜営業の飲食店といえば、町中を避けた国道沿いのドライブインだったが、
忙しなく晩メシをかき込む、やんちゃそうなトラックドライバーを横目でチラ見しながら、
彼女の前ではちょっと格好つけて、砂糖もミルクも入れず、ブラックコーヒーを飲んでたのも、
いまとなっては、懐かし過ぎる思い出の一コマである。

その後は、なり行き任せで、お互いを求めあうようになってくると、
なんとなく結婚に至り・・・ 気がつけば、子育てと仕事に精を出す人生が始まっていた。

横道に逸れてしまったが、話しを少子化対策に戻すと、
半世紀前の生活環境に戻ることが出来れば、少しは出生率も上がると思うが、
もはや、それは無理というものであり・・・ 考えられる対応策があるとすれば、
少子化によって起こるであろう、さまざまな不自由を、あらゆる問いとして投げかけ、
これから先を生きる者たちに・・・ その解を委ねることではなかろうか?

名前を忘れたが、ある教育者がこんなことを云ってたことを思いだした。
いまの教育は、ジグゾーパズルのように、すでにある正解に辿りつくストーリーの逆算だが、
これからの教育は、ジグゾーパズルにロゴブロックを加えることが肝要で、
それぞれの状況に応じた、さまざまな解へと導くストーリー作りだと云っていた。

今後、社会に起こるであろう、さまざまな不自由に、先々の当事者たちはどう対処するのか、
想像力をかき立て、知恵を絞って・・・ 新たな解を委ねてみたらどうだろうか?

我々世代からしたら、いささかじれったいし、きっと少子化に行き着くんだと思うが、
ひょっとしたらAIが解決してくれるかもしれないし、
まずはこれから先を生きる者たちが学び、そして悩んでもらうことから始めるしかないだろう。

いささか悠長だが、直ぐに答えが出るものでもないし、
少子化対策そのものが長期戦なんだから、それぐらいの時間は必要なんじゃなかろうか?

あくまでも個人的な思いだが、人材を人財へと育む教育こそが、
時間はかかるが、特効薬になると可能性を秘めていると思うが・・・ 如何なものだろうか?

なお、「結婚するしない。子どもを作る作らない。」は個人の自由であって、
そのことに物申すことは全くもってないので、
気に触るような内容や、誤解を招くような内容があったとすれば、何卒ご容赦願いたい。

また、本文はあくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、そこんとこにもご容赦を願えればありがたい。


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4 コメント

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仰る通り! (song1234)
2024-03-05 15:11:59
後記高齢者の年金爺さんです。
少子化対策、、仰る通りだと思います。
児童手当とか、税金優遇等は全く対策には、なってないと思います。
オイラが結婚するきっかけは、今の嫁さんには、申し訳ないけど、、「食事」です。
チョンガー時代、コンビニ等なかったし、勿論、メール、ライン、ネットなどもなかった。。
我慢していて、限界にきて結婚した!
、、が,本音です。
日本は、およそ、100年で、12000万人MAXになり、100年で。半分になる、、とか??
本当か分かりませんが、少子化対策は、難題ですね。
不便にすればいい??、、そんなこと、できません。
逆にこれからは、更に便利になるんでしょうから。。
Unknown (多摩爺)
2024-03-05 15:44:28
song1234さん、こんにちは

技術の進化により、仕事の手順がカットされて、多くのマンパワーが不要になりましたが、
マンパワーが欠かせない仕事の技術革新が、これからというときに、人手不足の方が少し先にきてしまったようです。
私たちの時代に、どこまで対処できるのかわかりませんが、
人手不足と技術の進化の交点が、少しでも早く来るように期待したいと思っています。
少子化について (おもいつくままに)
2024-03-05 16:13:21
考えてみたら、私達昭和族は良い時代に子供を産めたと思います。
今のように何の手当もなく、少子化対策なんて何もなかった時代でしたが、主人の給料で何とかやりくりしたら専業主婦だからといって肩身の狭い思いをすることもなかったです。

今はとにかく「老いも若きも働け、働け、」の時代ですから、お母さんたちは時間に追われて大変だと思います。子供とゆったり過ごせる時間があるのかなあと思います。
私はこの年で、今まだ5~6時間程度半ボランティアしてますが、帰ってきたら本当に時間がないです。
今たとえ子供を産める年齢でも、色々なことを考えると躊躇しますね。
Unknown (多摩爺)
2024-03-05 17:35:06
おもいつくままにさん、こんにちは

うちの女房も同じようなことを言ってました。
転勤族だったし、下の子に知的障害があって、子育てには苦労しましたが、
いまのように、国や自治体からの支援金はありませんでしたが、
5年先、10年先の事を考えて、文句も言わず、時々パートに出て頑張ってくれてました。
いまの子育てと、比べる必要はありませんが、なんだかなぁ・・・ と、思うこともあります。

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