時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

漫画を読んでもバカにならない。

2024年03月11日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の41)」
漫画を読んでもバカにならない。

先週末、とっても悲しくて、とっても残念過ぎる訃報が列島を駆け巡った。
漫画という隅っこにあったカテゴリーを、文化にし、輸出品にし、グローバル化することに貢献した、
世界が認めた天才クリエーター「とりやまあきら」さんが・・・ 亡くなっていたのだ。

世界の漫画のシェアでは、この国から輸出された漫画が60%を占め、
ヨーロッパに至っては80%に近いというから驚くが、
それぐらい、この国の漫画の描写レベルや、ストーリー性が高く、
万人が共感するような作品が多いということなんだと思うが・・・ 改めて凄いと驚愕する。

いまさら、こんなことを言っても・・・ 「それがどうした。」であって、
どうでも良いことなんだが、漫画はいつから、勉強をしないおバカさんたちの読み物じゃなくなり、
この国の文化になり、この国を代表する輸出品になり、グローバル化されたのだろうか?

遡ること60数年前、小学生だったころ、
私たちの世代だったら・・・ だれもが、みんなそうだったと思うが、
親から、なんどもなんども口煩く云われた小言の一つに、
「漫画を読んだらバカになる。」という常套句があり、問答無用に一喝されていたと思う。

親が数多く持ってる、小言のパターンの一つとして、
「勉強しなさい。」から始まって、トリを務める決め台詞といえば、
私の場合は、だいたい決まって・・・ 「漫画を読んだらバカになる。」だった。

そりゃそうだろう・・・ いまのように家庭にゲーム機があったわけじゃなく、
見逃しそうなテレビ番組を、ビデオに録画しようにも、ビデオデッキはなかったし、
カセットテープもなかったので、歌謡曲の録音なんて、発想すらなかったし。
カラーで上映される映画に至っては、総天然色と言ってた時代だから・・・ もう、笑っちゃう。

「ウルトラマン」だって、「マグマ大使」だって、テレビ放映が始まったのは小学6年生のころで、
それまでは「鉄腕アトム」と「鉄人28号」を見ていたが・・・ もちろん白黒である。
テレビそのものが白黒しかなかった時代だから、
私の学生時代に、総天然色はほぼ無縁だったといっても、けっして誇張にはならないだろう。

そんなこんなで、小学生時代の唯一の暇つぶしというか、娯楽と云えば毎週発刊される漫画雑誌で、
サンデーかマガジン、ちょっと遅れてキング、さらに遅れてチャンピオン、ジャンプが発刊されたが、
私たちの世代が読んでたのは、サンデーとマガジンまでで、
偉そうなことを言うつもりはないが、チャンピオンやジャンプが発刊されたころになると、
すでに漫画を卒業し、週刊誌は週刊誌でも、興味は平凡パンチやプレイボーイの方に移っていた。

また、子どもたちの行動範囲(学区内)に、本屋さんはなかったものの、
幸いなことに、通学路の途中にあった、駅(国鉄)の売店で週刊誌を売っていて、
そこいけば漫画雑誌もあったし、記憶が確かなら40円か50円ぐらいだったことから、
毎日もらってた10円の小遣いを貯めておけば、子どもでも手が届く逸品だった。

さらには近くに貸本屋さんがあったので・・・ 1日(一晩)10円ぐらいで借りることができ、
おおよそ1週間遅れで読むことは出来たが、それじゃ学校で話題について行けないので、
駅の売店で、友人のだれかが購入して、回し読みすることは、
死活問題と云うほど大げさではないが・・・ まっ、そんなもんだったかもしれない。

だからというのもなんだが・・・ 普段、家の中でやってることといえば、
メシ食ってるか、トイレや風呂の中にいるか、たまに勉強してるか、
そうでなければ・・・ 寝てるか、漫画を読んでるかだった。

60数年も前のことなのに、なんだかんだと言い訳してるのが、いかにも自分らしいが、
私の生活パターンを、親の目で見たら「漫画を読んだらバカになる。」との小言が出てくるのも、
強ち理解できないわけでもないから・・・ ホントに、ホントに人生いろいろだろう。

閑話休題・・・ かなり横道に逸れてしまったので、話を戻そう。
「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」は、上京してから子ども一緒に見ていたが、
描かれた「とりやまあきら」さんの名前までは・・・ 大変申し訳ないが存じ上げてなかった。

また、「ちびまる子ちゃん」同様で、家族で日曜日の夕食を食べながら見ていたが、
声優の「TARAKO」さんの名前もまた、申し訳ないが存じ上げなかった。

そういったことから、お二人の名前と作品が、記憶の中で一致してなかったのは、
痛恨の極みということになってしまうが、
レベルが高い作品と、特徴のあった声は・・・ しっかり心に刻まれている。

いまさらだが・・・ 漫画というカテゴリーを、圧倒的な絵力でカルチャーに磨き上げると、
至極のカルチャーはソフトなパワーとして、文化交流と経済活動で貢献するのみならず、
世界の隅から隅まで、メイドインジャパンを浸透させたことに・・・ 大拍手と喝采を贈りたい。

そして、いくら漫画を読んでも、どれだけ漫画を読んでも、
けっしてバカになることはないと、
満天下に証明していただいたことに・・・ 感謝を申し上げたい。

追悼の言葉が遅くなって申し訳ないが、
群を抜く描写力と、斬新なストーリーでワクワクさせてくれた、偉大なクリエーターのご冥福と、
癒やしの声で、夕食時の茶の間を和ませてくれた、とっても可愛い声優さんのご冥福を、
心より祈念させていただきたい。

ありがとうございました。
安らかに・・・ お休みください。

「ドラゴンボール」の切手シート、かなり前に女房が買ってたんだが、
使わずにシートのままだったら、きっと宝物になっていただろう・・・ 残念!


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4 コメント

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漫画にのめり込む (アナザン・スター)
2024-03-11 12:02:41
手塚治虫氏。
偉大な方であり知識豊富な内容に、学校で学べないことを多く学べました。

水野英子氏。
少女漫画でありながら、スケールの大きさ抒情詩に匹敵する物語は圧巻であり魅了される作品の数々。
オペラやバレエ等、初体験はここからです。
作品の総ては手に入りませんが、殆どを所蔵しております。

石ノ森章太氏氏やちばてつや氏の初期の作品もあります。
石ノ森章太郎氏とは同席したことも有り。証拠写真健在。

書籍は文字であり、細やかな心情や景色を想像させます。
漫画は、絵という方法が為され視覚を促します。

読者はその絵柄で、諸国の有様を知り旅することへと繋がることにもなる。

漫画を読むのと、単なる鑑賞・見るとは異なりますから。

漫画を悪書と云うのは、確かにそういう方もおいでですが、世情を映してのことと。

作品のタイトルと作者名は、書籍から必要と思えて実行しております。
あ・個人の見解ですので、ご容赦ください。
Unknown (散歩人)
2024-03-11 12:23:35
「漫画ばかり読んでいると馬鹿になる」よくいわれましたねえ。

小学生の時など漫画はGHQが日本国民を利口にさせないために普及させている、
などと宣う先生がいる時代でした。

小生も漫画は大好きで、貸本屋と駄菓子屋に通った世代です。

今は辞書ではなくスマホをタッチしている孫達と自分が心配な時があります。
Unknown (多摩爺)
2024-03-11 13:12:36
アナザン・スターさん、こんにちは

仰るとおり、昭和30年代から40年代にかけての、私が子どものころは、そういった世情だったんだと思います。
いろいろと教えてくださりありがとうございました。
私もたくさん漫画本を持ってましたが、
実家に残ってないようなので、保存してたらと思うと・・・ 残念なことをしたかもしれません。
Unknown (多摩爺)
2024-03-11 13:22:29
散歩人さん、こんにちは

貸本屋さんと、駄菓子屋さんには、私も随分お世話になりました。
いまじゃ漫画もスマホで見る時代なので、数年先には古本屋さんが多い神田界隈で、
廃業なんて、残念なニュースがあるかもしれませんね。
デジタル化された本は、保存の場所が不要かもしれませんが、なんか味気ないような気がしています。

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