時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

晩春のうたかた 花むしろ

2024年04月26日 | 四季おりおり

多摩爺の「四季おりおり(その32)」
晩春のうたかた 花むしろ

「中庭の八重桜の葉っぱが散って、芝生が花むしろになってるよ。」
午前中のウォーキングから帰宅後・・・ 開口一番、女房にそう告げたら。

「筵(むしろ)って言われてもねぇ・・・  私は農家の娘だから分かるけど、
 若い人には蓙(ござ)ならまだしも、筵(むしろ)って言われても、
 それなんなのじゃないの。」と、女房が返してきた。

今年はずいぶんと長い期間、楽しませてもらった染井吉野が散ってから約2週間、
後を追うように時をずらして、満開となっていた八重桜だったが、
そろそろ、見納めがやってきたようである。

昨日一日降り続いた雨と北風が、きっと花散らしになったんだろう。
そんな話しをしながら、女房と一緒に花むしろを見に行ったら、
竹の箒(ほうき)を手にした管理人さんと清掃員の方々が・・・ なにやら話しをされている。
因みに管理人さんも、清掃員の方々も、みなさんシルバー人材の方々である。

「いまから清掃されるんですか?
 申し訳ないんですが、清掃の前に写真を数枚撮らせてもらえますか?」と聞くと、

「すごく綺麗だし、中庭なんで表通りに花びらが飛んで出て、周辺を散らかすこともないので、
 2~3日このままで、入居者の皆さんに楽しんでもらえたらと思っています。」と、
思いも掛けないような・・・ 想定外の言葉が返ってきた。

良いね・・・ 素晴らしい考えだと思う。
日々のルーチンワークから外れて、マニュアルにはない行動なんだろうが、
四季の国の美しさにフォーカスした・・・ 臨機応変な対応は、
この年代の方々でないと、下すことの出来ない判断だったと思うがどうだろう?

ということもあり、東からの陽差しが作る日陰が、なに気に気になったもんだから、
いったん帰宅し、太陽が真上に上るのを待って、
写真を数枚撮ったので・・・ アップさせていただいた。

閑話休題・・・ 桜繋がりになって恐縮だが、
つい先日、京都の産寧坂(さなんねんざか)で・・・ 枝垂れ桜の古木が倒れ、
観光されていた方が大怪我をされたという、不幸な事故があった。

写真を見れば2008年だから、16年前の夏の夏だった。
車で帰郷する途中、大阪で一泊する予定だったので、たまにはってことで京都で高速道路を降り、
産寧坂の中程にある、枝垂れ桜の古木が石段を覆うように繁っていた、
歴史を感じる、趣のあるお店で・・・ 昼食をとったことがあった。

そのときに「この枝垂れ桜は凄いね。真夏の陽差しを遮って石段に日陰を作ってるよ。」と、
女房と話したことが記憶に残っており、
ニュースを見たとき・・・ 「ここ、あそこだよね。」と、二人で話をしていた。

いまも、そこにあるかどうかは分からないが・・・ 入り口の付近に、坂本竜馬の写真があって、
坂本竜馬の隠れ家というか、都(みやこ)での宿泊先がこの界隈にあったらしく、
倒幕を目論む志士たちが、集まっては密談を重ねていたとの話しを、なにかで読んだことがあり、
その記憶が間違ってなければ、まさにそこだったと思う。

そういった史実を踏まえてのことだと思うが・・・ 店構えからして、とっても立派で、
庶民にはちょっと敷居が高そうで、お値段的にもリッチなお店だったが、
つい竜馬の写真に釣られて入店し、贅沢なランチを楽しんだ記憶が残っている。

それにつけても、まさかあの桜の木が倒れるとは・・・ 驚きを隠せなかった。
怪我をされた方が、気の毒で堪らないが、少しでも早く回復されることを願ってやまない。

百花繚乱っていうぐらい、世の中にはいろんな花がたくさんあるが、
出会いと別れの季節ってこともあるんだろうが、
桜の花ほど、たくさんの思い出を作ってくれる花はないと思う。

さて・・・ 来年は、どんな思い出を作ってくれるのだろうか。
きっと良い思い出だと思うが、
桜を楽しみに、健康でありたいと願ってやまない。

マンション中庭の芝生に積もった八重桜の花びら、これぞまさに・・・ 花むしろだね。

花びらが相当散ってるのに、見上げてみれば、まだ2割ぐらいは残っているかも・・・ ?

産寧坂の石段を覆っていた枝垂れ桜、立派な枝が真夏の陽差しが降り注ぐ石段に日陰を作っていた。
この古木が倒れたんだから、本当に大変だったと推察する。(写真は2008年8月に撮影)

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2 コメント

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Unknown (なおとも)
2024-04-26 12:42:37
こんにちは!
綺麗で見事な花筵ですね。観光地でもなかなか見られない綺麗さです。お掃除を中止された方々の弾力的で粋な計らいに感心します。この美しさはみんなに見て欲しいですよね。素晴らしいです!

実は偶然我が家の松を処分した話を書こうと思っていました。産寧坂のニュースを見たからです。
比べるのも恥ずかしい木の話ですが、怪我をされた方の事を考えたりして、書こうと思いました。

綺麗なお写真有り難うございました。なおとも
Unknown (多摩爺)
2024-04-26 14:19:28
なおともさん、こんにちは

私のウォーキングコース(玉川上水緑道)にも、枯れた大木がけっこうあり、
葉っぱが落ちた晩秋から初冬に掛けて、自治体が伐採していますが、なかなか追いつかない状況です。
台風がきたら倒木があるんじゃないかと、ヒヤヒヤしています。
また、西武線の小川駅前に大きな桜の木があったんですが、中が空洞になってるとのことで伐採されました。
都内の桜の名所もけっこう老木ですから、これからは4~5年周期ぐらいで、樹木医の診察が必要なのかもしれませんね。

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