時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

生まれて初めて腰が抜けた。

2024年03月25日 | 時のつれづれ・弥生 

多摩爺の「時のつれづれ(弥生の47)」
生まれて初めて腰が抜けた。

「生まれて初めて腰が抜けた。」と言っても・・・ 私のことではない。
大阪に住む義妹から女房に電話がかかってきて、
なんと、なんと・・・ 遺体の第一発見者になってしまったらしいのだ。

長男の嫁から電話があって「昨日から何度も実家に電話するのにでないので、
いまからそちらに向かおうと思うけど、申し訳ないがちょっと見てきてくれますか?」と頼まれ、
「えぇぇよ。」と軽く返事をして行ってみたら、
なんと、なんと・・・ 遺体の第一発見者になってしまったというのだ。

長男と嫁は幼なじみで、小中学校の同級生だが、
30代の半ばになってから、縁があって付き合うようになり結婚しているので、
当然と言えば当然だが・・・ お互いの家は近く、車なら5分もかからない距離にある。

嫁の母親は、嫁が小学校の頃に病死していて、結婚するまでは父親と弟の3人暮らし、
お葬式にも行ったぐらいだから、まんざら知らないなかでもないらしいが、
弟も既に社会人で所帯をもっており、ここ10年ぐらいは・・・ 父親が一人で暮らしている。

因みに嫁の父親は、私と同い年で、
義妹の夫とも同い年の昭和29年生まれで、今年古希を迎える70歳である。

そういうわけで、車をぶっ飛ばして・・・ 様子を窺いに、嫁の実家に行ってみると、
玄関に鍵はかかってないし、テレビの音は聞こえるしで生活感ありあり、
玄関でいくら読んでも返事がないので「あがりますよぉ。」てなことで上がってみたら、
パジャマを着て、首にタオルを掛けた、いい年したオッサン(父親が)が、
ベットの上で天井を向いて不自然に倒れ・・・ すでに冷たくなっていたというのだ。

「きゃぁぁぁ・・・ 。」なら、刑事ドラマでよく見る悲鳴だが、
そこは大阪のオバチャンらしく「ひぇぇぇぇ・・・ 。」といった声が出たと言うから、
その驚きようが、なんとなく伝わってくる。

義妹曰く、生まれて初めて腰が抜け、オシッコちびりそうになったらしい。
だれに連絡しなきゃならないのか、落ち着くまでに・・・ 数分ぐらいかかったと思うが、
心臓がバクバクで呼吸が荒くなり、ドクドクと血液が流れるのを体感したそうだ。

そりゃそうだろう。
刑事ドラマじゃなくて、本物の遺体の第一発見者なんだから、
腰が抜けるのも、分からんことではない。

落ち着きを取り戻して夫と、嫁に電話をして待ってたら、直ぐに夫がやって来て、
警察に電話すると、刑事ドラマのようにあちこち触らないように指示されたと言っていた。
現役を引退してるとはいえ・・・ 夫は元刑事だから、専門家であり、やることにそつが無い。

しばらくすると、最寄りの警察署から警察官がやって来て、
続いて嫁、二時間ぐらい遅れて息子、さらに30分ぐらい遅れて嫁の弟夫婦がやってきたらしい。

警察官曰く・・・ 死亡推定時間は、昨日の夕方で、
死亡要因は、風呂上がりの寒暖差による心臓麻痺とのことだった。
風呂の電気と、お湯が保温の状態で、首にタオルを巻き、バスタオルを使った後があって、
外傷がなかったので、ほぼ寒暖差による心臓麻痺で間違いないと、結論づけられたようである。

現場検証に当たった警察官曰く、
寒暖差があるこの時季には、たまにあることなので高齢者は特に注意が必要だそうで、
なんだか、他人事ではないような気がしないでもない。

古希で亡くなったことは気の毒であり、ホントにビックリだったが、
長男からの連絡によると、ホントに大変だったのは、その後のことだったらしい。

まずは火葬場が一杯で、順番待ちで数日かかり、
さらに、長い間一人暮らしだったので、
どこにどんな遺産があるか分からず、その把握と対応にメチャメチャ大変だったらしい。

また、老衰なら自然死になるので、家の処分に告知義務はないものの、
事件性はなくても、発見が1日経って孤独死なので、家は事故物件となり、告知義務が必要で、
だれかが相続して住んだ後に売却すれば、なんの問題も無いが、
嫁も弟も直ぐに処分したいらしく・・・ なかなか思うように遺産整理が進まないらしい。

なんともはや難儀なことを、
40代の前半で経験せねばならなくなった甥夫婦は、ホントに大変だと思うが、
実の親でもないのに、甥が中心となって嫁や義弟と一緒に、一つ一つかたづけしているらしい。

我が家では、私も女房もケータイやパソコンのパスワードを共有しており、
通帳、印鑑、カード類は、全て女房の管理下にあり、私も保管場所やパスワードを知ってるので、
夫婦間でのコミュニケーションは、それなりに取れてると思うが、
息子には、まだなにも伝えてないので、タイミングを見て話しておかねばならないと痛感した。

また故郷では、卒寿を超えた母が一人で暮らしていて、
早かれ遅かれ、いずれそういった事態がやってくることを考えて、
作夏に帰郷した際・・・ 女房や妹夫婦と、いざというときの事を話し合ったが、
これからは、我々も歳を重ねるだけに、息子夫婦を交えて確認しておく必要がでてきたようである。

親が亡くなることは、だれもがいずれは経験することであって、
こればっかりは、避けて通れないと覚悟してるものの、
願うことができるなら・・・ 腰を抜かすことがないよう願いたいと思っている。


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2 コメント

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Unknown (なおとも)
2024-03-25 13:10:00
こんにちは

それは本当に大変でしたね。友人ご親族に近い事が起きて、お手伝いをしたばかりなので、よく分かります。そして、自分の身も振り返るきっかけになりました。出来るだけ考えないようしたいのですが、現実は現実として取り組まなければと思いました。
本当に可能な限り静かに平穏にと願いますね。なおとも
Unknown (多摩爺)
2024-03-25 16:17:52
なおともさん、こんにちは

刑事ドラマでは、よく見かける第一発見者ですが、現実にその場面に遭遇すると、ホントに腰が抜けるそうです。
できることなら、そういった場面に遭遇したくないので、
母に施設への入居を薦めようと、今朝電話でその話をしたら「私は大丈夫」のひと言でした。
大丈夫かどうかは、あなたじゃなくて私たちなのに、そこんところは分かってくれません。
どうやら、覚悟を決めるしかないようです。

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