時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

スパイシィチキンカレー

2019年04月07日 | こりゃ美味い

多摩爺の「こりゃ美味い(その1)」
スパイシィチキンカレー ほんやら洞(東京都国分寺市)


満開の桜が折からの強い風に吹かれて青空を舞い、
マンション5階の玄関先にも・・・ ひらりひらりとやって来た。
「花の命は短くて」なんて言うが、東京のお花見は恐らく今週末がピークになるのだろう。

JR国分寺駅の南口を出てから、左方向に向って歩くこと2~3分
バス停を通り過ぎて、坂道を半分ぐらい下った「殿ヶ谷戸庭園」の向かい辺りに、
蔦と葉が入り口付近を覆っている、ちょっと引いてしまいそうなお店がある。

この付近に、そんな店があったことは随分前から知ってたけど、訪れる機会がないまま30数年
そんなに大げさな事じゃないが、「お昼はカレーが食べたいね。」と言ったら、
珍しく女房と意見が合ったもんだから、近くの店をネット検索すると、
たまたまこの店「ほんやら洞」がヒットした。

「じゃ、行くか。」と言った具合で、出掛けたのが事の次第で、
最初からこの店が目当てだったわけではない。

特に興味があった訳じゃないが、ネット情報によると、
このお店のルーツは、昭和47年に京都で開業した「ほんやら洞」にあるようで、
その店に関わったメンバーによってオープンしたのが、
ここ国分寺の「ほんやら洞」ということらしい。

どうでも良いけど・・・ 京都って聞くと、
うちの女房にいたっては「えっ?京都なの。」ってことになるから、
この国における「京都ブランド」の強さには、ホントに、ホントに恐れ入る。

人気はスパイシィチキンカレーだが、スパイシーじゃなく、スパイシィとメニューにあるから、
何かしらの拘りがあるのかもしれない?

丸くて底が浅い、大きめの平べったい皿に、お椀型にご飯が盛り付けられ、
ドライフルーツ(サルタナレーズンかな?)が無造作に振りかけられているが、
これが・・・ 視覚に甘酸っぱさを訴え、味覚をそそるんだから、なかなか面白いアイデアだと思う。

ご飯の隣には、じっくり煮込まれ、程よくほぐされたチキンがメチャ盛りで、
ボリュームたっぷりのご飯とチキンを囲むように、カレーのルーが埋め尽くしている。

一口目はピリッ、食べ進むにつれて汗ばむほどの辛さが・・・ じわり、じわり
ここでお水、そんな場面で思わず手が伸びたのは、セットメニューで出されたラッシー
口の中にねっとりと纏わりつき、
どちらかといえば、あまり好みじゃない酸味と甘味が濃いラッシーだけど、
既に痺れを訴えかけていた舌を「いまだ!」と言わんばかりのタイミングで癒してくれるから、
食べ合わせの妙というか、相性っていうのは、やっぱりあるんだと納得出来る。

思わず女房と顔を見合わせ、示し合わせたかのように同時に声が出た。
「(私)美味いね。」
「(女房)だんだん辛くなってきた。」
言葉は違えど、この夫婦の味覚に大きな差はないようだ。

食後に運ばれてきたコーヒーに・・・ ちょっとびっくり
敷皿に乗せてあったコーヒーカップに持ち手がない。
いわゆる、湯のみである。

コーヒーの湯気から漂う、スモーキーな薫りが堪らなく良いし、苦みがまた絶妙だ。
湯のみを「ぐいっ。」と鷲掴みにして・・・ ゴクリ
開き気味だった鼻孔が擽られ、
喉チンコに装備された潤いメーターが、みるみるうちにボルテージを上げてきた。
「うぅぅ・・・ 美味い。」

ふと、店内を見渡せば・・・ 外からの日差しを頼りにした弱々しい照明と
無骨感を感じる年季が入った木製のインテリアが、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していた。

極めつけは、昭和の小学校でお世話になった、
黒板の上から校内放送を流していた年代物のスピーカー(そんなイメージ)
この店にBGMを流すとすれば、やっぱりフォークだろう。(自分勝手な妄想)

窓際の貼り紙などに目をやると、ルーツが京都だということもあって、
なんとなく、左ウイングの方々の溜まり場ような雰囲気がしないでもないが、
客層は意外と言っちゃ失礼だが、若い女性の支持が高く、
スパイシィなカレーを「ハーハー、フーフー」言いながらを食べていた。

別に怪しんでる訳じゃないが、陽が沈めば酒の魔力が増幅して、
昼とは違った顔を見せてくれるのかもしれない。

カレー食べて、コーヒー飲んで、他愛もない話をして・・・ 滞在時間は40分ぐらい
評価は人それぞれで、好みによって別れるので、採点やランク付けは控えるが、
私の味覚との相性はベリーグッドだった。

一つだけ注文付けるとすれば、それほど広い店内じゃないので、
ランチタイムに灰皿をテーブルに置くのは止めた方が良いんじゃなかろうか。
今日は誰も吸ってなかったので、気になることはなかったが、
メシ食う時に漂ってくる、煙草の臭いと煙ほど嫌味なものはないと・・・ 女房が言っていた。
 
※ 因みに「ほんやら洞」とは、
  小正月のころ新潟県魚沼地方で行われる伝統行事(豊作祈願)で作られる
  雪洞(かまくら)のことらしいが、このお店の由来がそうなのかどうかは分からない。

ランチメニューで人気のスパイシィチキンカレー(850円)
スパイシーじゃなくて、スパイシィというだけに、拘りのメニューなんだろう。

湯のみでいただく食後のコーヒー、カレーとセットなら+200円とお得
コーヒーが一番美味いのは、カレーを食べた後の一杯だそうだ。

入り口を蔦が覆い、ちょっと入り辛い雰囲気だが、
これがこれが・・・ なかなかレトロで良い雰囲気、駅前なのに隠れ家的な雰囲気が漂っている。


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