映画とライフデザイン

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映画「悪は存在しない」 濱口竜介

2024-05-04 15:47:14 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「悪は存在しない」を映画館で観てきました。


映画「悪は存在しない」濱口竜介監督の新作。ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しており、前評判が高い。音楽家の石橋英子から即興の音楽に合わせた映像づくりを持ちかけられたようだ。でも、「ドライブマイカー」で名を上げた濱口竜介監督の作品なのに、この上映館数の少なさはどうして?と思ってしまう。出演者に知っている名前がいない。ここまでになるのは珍しい。素人も多いようだ。

長野県の高原地帯の集落で巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)は、自然に囲まれて慎ましく暮らしていた。しかし、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだ。住民説明会で主催者側の男女が計画の説明をするが、運営方法や合併浄化槽の位置などで紛糾する。


芸能事務所の社長やコンサルタントを含めて打合せをして、交渉妥結のための妙案をもって再度住民に会いにいく。


期待したほどまでは引き寄せられなかった。
コロナの補助金目当てで田舎の集落に施設を作ろうとする芸能事務所と地元住民との対峙がテーマである。交渉する芸能事務所の面々にも焦点をあてる。登場人物の描写には時間をかける。最終局面の前におおよそのことがわかってくる。いくらコロナ補助金目当てとはいえ、何でこんな施設をつくるのかな?という疑問が浮上する。でも、それは置いておこう。

最初は集落の人間をマッタリと映す。なんだかよくわからないなあと思っていると、住民説明会の映像になる。最初の見どころだ。施設をつくるにあたってはよくありがちなやりとりが続く。説明側が劣勢だ。あとは劣勢のリカバリーのために、芸能事務所の社長と相談して、住民の中心人物を管理人で雇おうとする案をもって再訪する。でも、事務所側の2人はノっていない。こんな事務所辞めてしまおうと思っている。ある意味最後の仕事だと思って、現地に乗り込むのだ。

主役は高原地帯の集落で生活する親子で住民を中心にストーリーは流れる。ただ,一方的な視点ではなく,反対側の芸能事務所側の人物像にも迫っている。その辺は気配りがされている。最後の仕事だと思って、集落に乗り込んでいった芸能事務所の男が,現地で便利屋的存在の主人公を見習って薪を割るシーンがある。最初はうまくいかない。失敗が続いた後に,コツを学んで薪をスパッと割る。妙にこのシーンには腑が落ちる。


ただ,最後に向けては正直よくわからない。別に映画の意味を求めなくてもいいと思うけれども,何をどう考えているのか?この辺はよくわからない。濱口竜介監督の今までの作品にも訳もわからない行動を起こす登場人物がいた。ここまでよくわからない人物ではなかった。ファンタジータッチにしたかったのか?

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