ウィキリークス(1) アサンジュ、暗殺か?
この記事を書くのは非常に気が重い。まだアサンジュの安否は確認されていない。しかし、生存の公算は日に日に小さくなってきている(Oct. 24, 2016)。
ウィキリークスの代表であり、ロンドンにあるエクアドル大使館ですでに4年近く “亡命生活” をしていたジュリアン・アサンジュの安否が不明になってすでに一週間が経つ。死亡説がネット上で取りざたされているのに、本人が姿を現さないいじょう、最悪の事態も視野に入れる必要がありそうである。
16. Oct. 2016 : アメリカの元モデルで女優の パメラ・アンダーソン がロンドンのエクアドエル大使館のアサンジュを訪問 したという。ロンドンにあるビーガン食の人気店のサンドイッチを差し入れに来たことになっている。現時点(Oct. 24, 2016)でアサンジュの姿を最後に見た人間である。
パメラ・アンダーソンが手に持っている本のタイトルは 'GET A LIFE!' である。この女はわざとこのタイトルを見せて、何らかの、“メッセージ” を送っているように思える。
'get a life' : (慣用句)
もっとしっかり生きなさい、一人前になれ、もっと人生を楽しめ、命拾いする、
そして文字通り、 生命をゲットする
ちなみに、パメラ・アンダーソンは、米国民主党のヒラリー・クリントン候補のよく知られた支持者である。
Oct. 17. :翌朝、ウィキリークスから 謎の文字数列 が発信される。これは “デッドマン・スイッチ”が入ったことを意味すると言われている。これは、アサンジュが、自分に万一のことが起きたことを自動的に知らせるシステムである。おそらく、毎日の本人の規則的なPC上の操作の、ある日の“不作為”によって自動的にスイッチが入るような仕組みと思われる。これが入ったことが 「アサンジュ死亡」説の第一の根拠である。
Oct. 17. : アサンジュのインターネットが切断される。
クリントンに非常に不都合な“ポデスタ・メール” が、ウィキリークスで大量にアップロードされ、誰でも自由にダウンロード可能になる。
アサンジュのネット切断が起きたのは、ウィキリークスがゴールドマン・サックスでのクリントンのスピーチをアップロードした直後である。
これは、デッドマン・スイッチ が入った結果と理解されている。つまり、アサンジュは、「自分の生命を脅かすようなことをすると、大量に“不都合な”情報をリークするぞ」 という警告を世界の権力者たちにあらかじめ伝えてあるのだ。特にオバマ大統領とヒラリー・クリントン候補には。
ヤマアラシを呑みこんだパイソン は、けっきょくヤマアラシの無数の針で死ぬ羽目になった。アサンジュのデッドマン・スイッチ はこういうことを想定していると思われる。「わたしに手を出すと、ろくなことはないですよ」 「必ずやあなたを道連れにしますよ」 というメッセージである。
これは自分の身を守るための “人質” のようなもので、強大な権力相手の戦いでは不可欠なものである。
Oct. 17. : アサンジュの身に何かが起こったのではないかという不安が広まった。 「パメラ・アンダーソンが送り込まれた!アサンジュが危ない。」
「パメラ・アンダーソンがヒラリー・クリントンに脅迫されて、アサンジュを毒殺した。」
「アサンジュが生きているという未確認の報告を真に受けてはいけない。クリントン軍団は替え玉を使うくらい朝飯前だ。」
重装備の警察がエクアドル大使館前に車両で現れる。投稿日は21日だが、写真は Tuesday (Oct. 18, 2016) のものである。
Oct. 18.: エクアドル政府が、米大統領選挙に関するアサンジュの発信を “制限” したことを認める。
Oct. 19.: クリントン候補に関する “暴露情報” が次々とアップロードされる。
Oct. 20. : クリントンがウィキリークスの開示情報が本物であることを認める。
Oct. 21. : ウィキリークス、米国大統領選挙がまったくのペテンであると断じる。
Oct. 22. : ウィキリークスの創設者の一人であり、アサンジュの先輩格の反権力思想のジャーナリスト、ギャビン・マクファーデン(76)の写真だけが、ウィキリークスから何の説明もないままツイートされる。翌日に種明かしがなされる。
Oct. 23. : ウィキリークスの創設者の一人であり、アサンジュの親友であり、反権力の闘いの同志でもある ギャビン・マクファーデン(76)の急死 が、ウィキリークスのツイッターで報じられる。死因は発表されていない。 "Prof. Gavin Macfadyen, Wikileaks director, died October 23, 2016" (追記:Oct.25, 2016: 「死因は肺がん」 という情報が出てきた。しかし、アサンジュ自身の安否が不明のこの時にアサンジュの “同志” に起きた死を、タイミングとして “単なる偶然” とみなすべきだろうか?)
https://sputniknews.com/europe/201610241046664138-julian-assange-wikileaks-podesta/)
Oct. 23. :アサンジュの安否情報を翌日に公表するとの通知。ウィキリークスのスタッフとの連絡は密ではないが、無事でいるとのメッセージ。
Oct. 23. :ギャビン・マクファーデンを知るさまざまな人たちの弔文がウィキリークスのツイッターに寄せられ、その中に "JA" というイニシャルの弔文がある。これはアサンジュのイニシャルらしい。
しかし、これもしょせん文字だけであり、本当にアサンジュのメッセージだという確証はない。
ウィキリークスの関係者であり、アサンジュの盟友でもあるジャーナリストが死因未発表(上述の追記を参照)のまま死亡していて、アサンジュは1週間も姿を見せずにいる状況である。アサンジュが無事でいると、文字列だけでは現段階では確証は得られないと考えるべきであろう。
Oct. 24. : ウィキリークスが、アサンジュの安否情報をどういうかたちで発信すべきか、ツイッターの受信者からアンケートを取っている。。「写真、動画、専任弁護士による声明、バルコニーに登場、 のうちどれがいいか」 というアンケートである。当人が生存していることが前提であるかのようなアンケートである。
本当に生きているのならば、なぜこんなもったいをつけているのか真意を測りかねる。生きているとしても、何か異変が起きたと考えられる。いずれにせよ、アサンジュの身柄はエクアドル大使館内にまだあるはずだ。本当に死亡していれば、救急車が来て、大使館前に貼りついている報道陣やカメラマンの目に触れるはずだ。ここまで支持者の気をもませるのは何かの作戦か(追記 Oct. 25, 2016: 逮捕か拉致の可能性もある)?
Oct. 24. : 「政治的情報の開示と米国大統領選挙」 と題する論文がアップロードされる。
現時点(Oct.24, 2016:夜)で、アサンジュの安否についての確定情報はなく、状況は非常に流動的である。とにかく無事であることを祈りたい。 (追記 Oct. 27, 2016: 無事である確定情報ままだないが、これはそのまま、無事でない公算が大きくなっていることを意味する)
アサンジュの “弱点”
そもそもアサンジュがロンドンのエクアドル大使館にもうかれこれ4年も幽閉された状態になっているのは、2人のスエーデン女性に対する暴行容疑に端を発する。この“婦女暴行容疑” は CIAお家芸の “ハニートラップ”(色仕掛け) と考えられている。
アサンジュがスエーデンでこの2人とほんの数日の間にそれぞれ別々に性関係をもったことは事実である。が、見てもお分かりのように、どちらも成人であり、ネット時代の反権力のヒーローであるアサンジュに彼女たちのほうからアプローチした恰好であって、アサンジュはCIAの作戦にまんまとはまったのである。 アサンジュは場所がスエーデンで、アメリカ人女性ではなく、スエーデン人女性ということで油断したのかもしれない。CIAは計算通りアサンジュを犯罪者にでっち上げることに成功したのだ。
2人のうち一人は、「アサンジュに強姦された」 と証言するようにスエーデン警察に言われたと、のちに語っている。
腐敗しきったアメリカは自分に不都合な情報を次々と開示するアサンジュを何としてでもとっちめたいと苦々しい思いできて、やっとのことで、「婦女暴行容疑」 をでっち上げたのが4年前のことである。実質的に移動の自由を奪い、監禁したかたちだが、ネット上での活動を封じ込めるところまではできないまま4年経ったのだ。
アサンジュは、スエーデン警察に出頭すれば、そのままアメリカに移送されてしまうことを恐れ、ロンドンの在英エクアドル大使館での亡命生活に甘んじている。彼はエクアドル政府に感謝している。たしかにエクアドル政府は小国ながら立派である。エクアドル国民は、アサンジュを助けた国として自国の政府を誇りに思っていいと思う。
いっぽうフェアプレイ精神旺盛で弱きを助けるはずの英国紳士の国、イギリスは、このアサンジュが大使館の建物から一歩でも出れば、即刻逮捕する構えで虎視眈々と目を光らせているのだ。EUもイギリスもすっかり腐りきった親分のアメリカの手先になって、見張りやパシリになり下がっている。
国にも品格というものがあるのだ。エクアドルという国は小国ながら、アメリカやイギリスが到底及ばない “気高さ” がある。大国に圧力をかけられても簡単に屈しない “気骨” がある。日本はどうであろうか?
さて、つい先日、幽閉状態のアサンジュを訪問したパメラ・アンダーソンをもう一度見て頂きたい。
アサンジュがアメリカに移送されるのを手ぐすねを引いて待っているのは、宿敵ヒラリー・クリントンである。そして、今回エクアドル大使館のアサンジュを訪問した目立ちたがり屋の元モデル、パメラ・アンダーソンは、実はこのクリントン候補の支持者なのである。
アサンジュ(45)がヒラリー・クリントン(68)の宿敵であることは、クリントン支持者のこのケバいオバサン(49)だって知っているはずだ。クリントンの回し者でないという保証があるだろうか。
エクアドル大使館のアサンジュを訪問したのは、単にヘルシーなサンドウィッチを差し入れるためだけだったのであろうか?
ヒラリー・クリントンは先月、「この男をドローンで始末できないかしら?」 と言ったと報じられている。
もはやアメリカで裁判にかけるなどというしち面倒くさいことは考えていないのだ。すでに自分に不都合な人間を今まで何十人も闇に葬ってきた女の考えることは、邪魔者は早いうちに “消す”という ことである。
クリントンにせっつかれたCIAは簡単に手を出せないエクアドル大使館に、パメラ・アンダーソンという “トロイの木馬” を送り込んだ可能性がある。
アサンジュという男の “弱点” を、CIAはすっかり知りつくしているようだ。
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いずれにしても、“16日以降に何か異変があった” とわたしは考えています。