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「社会外之社会」-その10
〈越後の女衒について〉
越後は独立不覊
然るに茲に越後種と称する独立不覊の一人種ありて、古来他領の女衒に関係せず、越後三条に判人ありて、新発田、長岡等に支店を有し、他領に関係せずして、盛に遊女を輪出せり。
越後は日本国中貧富の懸隔最も著るしき地方にして、古来貧民の子は或は米春きとなり、或は越後獅子となりて都会に出稼ぎをなし、其姉妹は皆其色の白きを誇る遊女となりて、軽薄女郎の名を轟かせたり。
他国産の婦女は往々情に脆くして、貯善心に乏しく、情死、逃亡の虞少からねど、越後生まれの婦女は最も軽薄にして貯善心に富み、其の性格は先天的に女郎に適し、且つ其色の一般に白きが為めに、娼楼の主人は好んで越後種を買ひ入れ、而して貧民の子多き越後には此需用に供給するに足る可き多くの貧女あるを以て、越後のみ特に女衒の独立区域をなすに至りしなり。(出典 谷川健一編『近代民衆の記録3 娼婦』新人物往来社 1971年6月10日 148-149頁)
〈貸座敷関係の組織図〉
社会外之社会記者足下
足下が社会改良の熱誠を賛成して、所謂遊廓なる者の組織に関する一表を捧呈せん。 (表-略)
女街は婦女を誘拐して送り、高利貸は資本を集めて送る、共に貸座敷の直接に要する所にして、此二者なくんば如何なる悪漢も貸座敷を開業する能はざるなり
既に貸座敷を開業すれば医師中の最下等なる検査医と警官中の最劣等なる巡査と、人類と見る可らざる芸妓、幇間の外より之を助け、内に新造、ヤリテ、仲ドン、妓夫の類ありて、内外相呼応し、引手茶屋は客を送り込み、台屋は台の物を送くり込み、始末屋は始末に付かぬ無銭遊興の客を受取りて之を始末す
此等の各分子其一を欠かば、貸座敷業者は成立せざるなり、故に今日の公娼制度を打破せんと欲せば、何者にも有れ、此等の各分子の一を叩き壊はすを以て上策とす
夫れ総ての医師にして良心あらば、検査医の如き破廉恥の職を執る者あらじ、総べての巡査にして良心あらば、大門前の交番所に立つが如き破廉恥の職を執る者なきに至る可し、是れ公娼制度打破の一端に非ずや
今日各遊廓に於ける検査医と巡査の腐敗の驚く可きは、女衒や高利貸の奸悪なるに比す可く、凡そ此れ等の表中に掲ぐるものは、貸座敷業者と娼妓とを合せて皆な悪魔の子なりと断定して不都合なかるべし (本郷天眼通)(出典 上掲 149頁)
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