管理人のようなホラー好きにはたまらない企画が京都で開催される。ゾンビ関連著書の書評会だ。
ゾンビといえば、カプコンの「バイオハザード」シリーズやロメロの「ゾンビ」など様々なゲーム・映画を楽しんできた。
また再びゾンビブームでもやって来るのか?
「ゾンビブーム“増殖”なぜ 社会的背景「解剖」へ」
死体がよみがえり、人を襲う「ゾンビ」について学術的にまとめた本の出版が相次いでいる。映画やゲームを中心に世界的ゾンビブームとも言われる中、社会的背景を読み取る試み。6月には、今春刊行された「ゾンビ学」と「新世紀ゾンビ論」の著者たちを迎えた書評会が京都市内である。
■著者、京都で6月書評会
ゾンビの勢いが止まらない。かつてはマニアが好むホラー映画の印象が強かったが、テレビゲームを基にした映画「バイオハザード」がヒットするなど2000年代に入ってゾンビ映画の制作が急増。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)ではゾンビが襲ってくるイベントが人気を集め、ゾンビ姿の3千人が踊る催しも開かれた。
もともとゾンビは、中南米の島国ハイチで呪術を用いて生き返らせた死体だったとされる。1929年に米国人が著書「魔法の島」に記して有名になり、32年に初のゾンビ映画とされる「ホワイトゾンビ 恐怖城」が米国で作られた。
奈良県立大の岡本健准教授(コンテンツツーリズム学)が4月に出した著書「ゾンビ学」では国内外の映画やゲーム、漫画などに登場するゾンビの歴史や描かれ方を時代背景とともに振り返り、ゾンビとは何者かに迫る。エイリアン(異星人)と違い、ゾンビが人としての面影を残しつつ、感情や意志を欠いた姿で現れることに「ある意味、人間がそうなるかもしれない存在。ゾンビが悪者と単純に捉えられず、いろんな比喩を込めた私たち自身の投影でもある」と指摘する。
また、文芸評論家の藤田直哉さんが3月に出した「新世紀ゾンビ論」では、21世紀に入って日本の漫画で登場した「美少女ゾンビ」など新ゾンビ像が生まれた背景を探る。壁でゾンビを分断するのでなく「共存志向の作品が現れている」とし、トランプ米大統領に象徴される排外主義が広がる中で未来への希望とみる。
書評会は6月17日午後2時から京都市上京区の同志社女子大今出川キャンパス純正館で。無料。予約不要。人文書院TEL075(603)1344へ。
■人間考える視点大切
「妖怪学」の第一人者、小松和彦・国際日本文化研究センター所長の話 妖怪の背景には日本人の自然観が見えるように、人間がゾンビに何を託してきたのか、ゾンビだけを追求するのではなく、ゾンビと人間の比較を通じて、人間を考える視点が大切。妖怪学とも交流できたら面白いかもしれない。
「京都新聞」 2017年05月19日 11時40分
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170519000064
(リンク切れの場合はhttps://megalodon.jp/2017-0520-1332-32/www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170519000064)
ゾンビ学 | |
岡本 健 | |
人文書院 |
新世紀ゾンビ論: ゾンビとは、あなたであり、わたしである (単行本) | |
藤田 直哉 | |
筑摩書房 |
n次創作観光 アニメ聖地巡礼/コンテンツツーリズム/観光社会学の可能性 | |
岡本 健 | |
NPO法人北海道冒険芸術出版 |
コンテンツツーリズム研究 | |
岡本 健 | |
福村出版 |
メディア・コンテンツ論 (シリーズ メディアの未来) | |
岡本 健,遠藤 英樹,柿崎 俊道,山田 奨治,井手口 彰典,岡井 崇之,須川 亜紀子,レーナ・エーロライネン,前田 至剛,平 侑子,増本 貴士,鎗水 孝太,山村 高淑 | |
ナカニシヤ出版 |
マンガ・アニメで人気の「聖地」をめぐる神社巡礼 | |
クリエーター情報なし | |
エクスナレッジ |
シン・ゴジラ論 | |
藤田 直哉 | |
作品社 |
東日本大震災後文学論 | |
限界研,飯田一史,杉田俊介,藤井義允,藤田直哉,海老原豊,蔓葉信博,冨塚亮平,西貝怜,宮本道人,渡邉大輔 | |
南雲堂 |
サブカルチャー戦争 「セカイ系」から「世界内戦」へ | |
笠井潔,小森健太朗,飯田一史,海老原豊,岡和田晃,蔓葉信博,藤田直哉,渡邉大輔,白井聡 | |
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