素晴らしい公演だった。この公演前に私用があって、職場を午後4時前に早退し、用件を片してから浜離宮へ。
会場には多くの音楽家も見えていた(主に桐朋関係)。
曲目は以下の通り
シューベルト:ヴァイオリンと弦楽四重奏の為のロンド イ長調 D 438
プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ第2番 ニ長調 作品94a
ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏の為の協奏曲 作品21
プロコフィエフの2mv、4mvの技巧に引き込まれたが、それ以上にショーソンが素晴らしかった。ショーソンというと「詩曲」「交響曲」が
有名だが、この作品も多くの名盤があり、私もデュメイ盤を始め、いくつか同曲のCDを持っている。しかし、実演に接したのは初めて。
冒頭、ピアノによる厳しい音色による跳躍音程から始まるわけだが、その緊張さ、重々しさはワーグナーというかドイツ音楽的。
第2楽章にのシチリエンヌで心は救済され、更に第3楽章で昇華され、フィナーレに突入していくわけだが、単に華々しく終わるわけでなく、
あの第1楽章の第一主題が戻ってくる。しかし、ここではあの重々しさはなく、歓喜的な感じ。この全体の構成がとても素晴らしいわけで、
それを今回の演奏家達は見事に表現してくれた。藤原様はアンコール2曲もやってくれたが、まだまだ余裕のご様子。圧倒的な存在感。
成田さんの演奏には久々に接した。私が最初に接したのは彼が桐朋女子高校音楽科(男女共学)在学中の日本音楽コンクール本選だった。
この時は1位は尾池さん、2位が成田さんと青木尚佳さんだったと思う。もう立派な青年になられていて、時の経過を感じた。
会田さんも、桐朋在学時代に日本音コン1位、この時は予選から私は聴いてきたが、今やプロオケのコンミスを始め大活躍中。
田原さんは今日(6/9)も所沢でリサイタル、彼女も室内楽始め大活躍。富岡さんは今や読響の首席チェロ。
藤原夫妻と若い方々との共演。客質もとても上品であった。