何度も言うが、私が常駐させてもらっている
部署の職員は、あなたが想像する以上に
仕事が出来ない。
このテの人に共通しているのは、
注意すると反省の言葉でなく、
「でも」と、火に油を注ぐような言い訳をする。
素直に、「すみません」と言えば一時的にでも
上司の憤慨を沈められるのに、イチイチ
言い訳をする。
そんな、選りすぐりの仕事できない人の宝庫の
部署なのだが、その中でもなぜか
心和んで微笑ましい職員がいた。
本日の主人公、愛すべきバカ・Sだ。
彼は、仕事ができないというより、
やりたくないからサボるとか、わかってても
やらないと言った、また他の職員と違うタイプの
出来ない職員だ。
上司に同じことで怒られるも、毎度毎度
初めて聞きました!!
というような表情をする。それがまた大根役者
丸出しなので、笑いを誘う。
ある日、Sがエレベーターに乗り、閉まる寸前に
上司が乗ろうとしたところ、なんとSは上司を乗せまいと
閉ボタンを連打したのだ!
上司はそれを見て、負けじと乗ってきた。
絶体絶命のこの状況で、なんとSから出たセリフは
『こ…こんにちは!』だった。
私はその刹那、このシーンを思い出した。
(お父さんは心配症史上、一番ヒィヒィ
言いながら笑ったひとこま。)
彼もまた上司に頻繁に怒られていたのだが、
その度に、たけのこの里やらアーモンドチョコを
買ってきてご機嫌を取ろうとするのだ。
そう、仲直りアピールだ。
Sは、ひとことで言って『可愛げ』があった。
上司も、怒りつつも何だかんだで可愛がっていた。
利用者さんのジジ・ババにも絶大な人気で、
SさんSさんと方々から黄土色の声が飛び交い、
めちゃくちゃ可愛がられていた。
他部署に入って行くSを見かけたことが
あるのだが、職員達が彼を見つけるやいやな、
「おー!S!!」と、拍手喝采が起きるかの
ような喜ばれっぷりだった。
彼に、圧倒的なスター性を垣間見てしまった
瞬間だった。
私は、Sによくお菓子をお裾分けしていたせいか、
廊下でバッタリ会うと、片手をパーに開いて
差し出し、「KTさん、お菓〜子!」と
言われたものだ…40半ばの職員にだよ。
仕事できないというか、しない人で
上司にも怒られる人だったが、今でも
上司は彼の思い出話に頻繁に花を咲かせている。
可愛げがあって、どこか憎めない…まるで、
西田敏行扮する釣りバカ日誌の主人公のような
人だった。
可愛げのある人は得だ。
ではでは、またね。
🍰KT Jacksonこぼれ話☕️
うさぎの介護で深夜まで起きてるんですが、
深夜に食べるクラッカーが最高に美味しくて
やめられません。